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23.私は何もしていないのですが
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皆様が怯えていることはよく分かってのことでございましょう。
ここぞとばかりに、議長様は周囲を見渡しながら声を張り上げました。
「陛下は今回の婚約破棄の騒動を、国家転覆罪に同等する重大な問題として判断された!この場にいるお前たちも処罰対象者だ。指示があるまでこの場から出ることは許さない!」
皆様、急に声を荒げて大騒ぎです。
こんなはずではなかった。
こんなつもりはなかった。
騙されただけだ。
公爵家に脅されたんだ。
先までの威勢の良い態度はどこに捨ててきてしまったのでしょうか?
どうにか許しを乞おうと、縋るような目で私を見ている方もいれば、一方で恨みを込めて私を睨み付けながらも震えていらっしゃる方もおりました。
何せ「くそ。小娘がっ」と罵る声もちゃんと聞こえておりましたし。
もっと悪く「さっさと秘密裏に処分しておかないからこうなる」「あの園遊会の帰りを狙えば良かったんだ」という物騒な声も続いておりましたから。
なんて考えのない方々なのでしょう。
お可哀想に。
けれどもそのあまりに自由なお口を持っておられることは、羨ましくもなりますね。
「静かにしろ!勝手な発言は許していないと何度言わせる気だ!」
議長様が叫ばれましたところ、また気味が悪いほどに、会場はしんと静まりました。
言われなければ口も閉じていられない殿方たちが、この国では高位の貴族をされていたのですね。
「よく聞け。すでにこちらの調査は終了し、お前たちの罪は定まっている。これからそれぞれ尋問を受けて貰うが、今さら誤魔化そうとしても無駄であることは言っておくぞ。なお調査の結果、お前たちの罪は本件に留まらないことも分かっている。そちらについても、尋問を行うからそのつもりで」
議長様が妙に静かな声で滔々と仰いますと、皆様の顔がさーっと青くなっていきました。
皆様、一体どんな昏いものをその内に抱えていらっしゃるのでしょうか?
「さらに調査の結果、お前たちにはひとつ共通した問題も見付かった。それについては一同ここで裁いておく」
皆様、流石に学習されたようで無言で顔を見合わせておりますが、誰も共通点は見えていないようですね。
「我が国は一夫一妻制だ。側妻どころか愛人を持つことも許されない。ここまで言えば、何のことを言われているか、頭の足りないお前たちでも分かるな?」
面白いくらいに、皆様真っ白いお顔に変わられました。
もう誰も私を見ることはありません。
天井を仰いでいる方、俯いてしまった方、議長様を見詰める方と様々ですが、皆様の中で私の存在は消えてしまったのでしょう。
「陛下が側妃を持つ場合の条件も特例として厳しく定まっているこの国で、お前たちは妻子がいながら、好き勝手に女を囲い、酷い者は領地経営も妻や子に任せきりで、女と遊び呆けている始末。陛下も呆れておられたよ。この国の最も簡単な決まり事さえ守れぬお前たちには、その身が相応しくないとのご判断だ。まず爵位を没収したうえで、お前たちの諸々の罪に対する処分を決定することになる。相応の覚悟を持て」
爵位を剥奪してから裁くとなれば、平民と変わらぬ処分を受けることになるのでしょう。
家を守るために、爵位を失った彼らは間違いなく御身内から切り捨てられるからです。
ガタンと大きな音が鳴りました。
どうやら気を失って椅子から崩れ落ちてしまった方がいたようです。
こうして私の胸の奥に何かつかえているような、すっきりとしない感覚を残したまま。
私をこの場で断罪し、すべてを私のせいにしようと試みた皆様は、逆にご自身が断罪されたのち、皆様順に騎士様に腕を取られて連行されていきました。
これが私の初めて参加した議会での経験になります。
ここぞとばかりに、議長様は周囲を見渡しながら声を張り上げました。
「陛下は今回の婚約破棄の騒動を、国家転覆罪に同等する重大な問題として判断された!この場にいるお前たちも処罰対象者だ。指示があるまでこの場から出ることは許さない!」
皆様、急に声を荒げて大騒ぎです。
こんなはずではなかった。
こんなつもりはなかった。
騙されただけだ。
公爵家に脅されたんだ。
先までの威勢の良い態度はどこに捨ててきてしまったのでしょうか?
どうにか許しを乞おうと、縋るような目で私を見ている方もいれば、一方で恨みを込めて私を睨み付けながらも震えていらっしゃる方もおりました。
何せ「くそ。小娘がっ」と罵る声もちゃんと聞こえておりましたし。
もっと悪く「さっさと秘密裏に処分しておかないからこうなる」「あの園遊会の帰りを狙えば良かったんだ」という物騒な声も続いておりましたから。
なんて考えのない方々なのでしょう。
お可哀想に。
けれどもそのあまりに自由なお口を持っておられることは、羨ましくもなりますね。
「静かにしろ!勝手な発言は許していないと何度言わせる気だ!」
議長様が叫ばれましたところ、また気味が悪いほどに、会場はしんと静まりました。
言われなければ口も閉じていられない殿方たちが、この国では高位の貴族をされていたのですね。
「よく聞け。すでにこちらの調査は終了し、お前たちの罪は定まっている。これからそれぞれ尋問を受けて貰うが、今さら誤魔化そうとしても無駄であることは言っておくぞ。なお調査の結果、お前たちの罪は本件に留まらないことも分かっている。そちらについても、尋問を行うからそのつもりで」
議長様が妙に静かな声で滔々と仰いますと、皆様の顔がさーっと青くなっていきました。
皆様、一体どんな昏いものをその内に抱えていらっしゃるのでしょうか?
「さらに調査の結果、お前たちにはひとつ共通した問題も見付かった。それについては一同ここで裁いておく」
皆様、流石に学習されたようで無言で顔を見合わせておりますが、誰も共通点は見えていないようですね。
「我が国は一夫一妻制だ。側妻どころか愛人を持つことも許されない。ここまで言えば、何のことを言われているか、頭の足りないお前たちでも分かるな?」
面白いくらいに、皆様真っ白いお顔に変わられました。
もう誰も私を見ることはありません。
天井を仰いでいる方、俯いてしまった方、議長様を見詰める方と様々ですが、皆様の中で私の存在は消えてしまったのでしょう。
「陛下が側妃を持つ場合の条件も特例として厳しく定まっているこの国で、お前たちは妻子がいながら、好き勝手に女を囲い、酷い者は領地経営も妻や子に任せきりで、女と遊び呆けている始末。陛下も呆れておられたよ。この国の最も簡単な決まり事さえ守れぬお前たちには、その身が相応しくないとのご判断だ。まず爵位を没収したうえで、お前たちの諸々の罪に対する処分を決定することになる。相応の覚悟を持て」
爵位を剥奪してから裁くとなれば、平民と変わらぬ処分を受けることになるのでしょう。
家を守るために、爵位を失った彼らは間違いなく御身内から切り捨てられるからです。
ガタンと大きな音が鳴りました。
どうやら気を失って椅子から崩れ落ちてしまった方がいたようです。
こうして私の胸の奥に何かつかえているような、すっきりとしない感覚を残したまま。
私をこの場で断罪し、すべてを私のせいにしようと試みた皆様は、逆にご自身が断罪されたのち、皆様順に騎士様に腕を取られて連行されていきました。
これが私の初めて参加した議会での経験になります。
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