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28.隣国は世界屈指の大国です
しおりを挟むこの国と隣接する帝国は、この数十年余りで次々と国を併合し領土を拡大してきた大国です。
いずれこの国も併合されるのではないか。
そう囁かれ始めたのは、かつてあった隣国が自ら望んで帝国に併合されたときだったと聞いています。
それが今から二十年と少し前のことでした。
私はまだ生まれていないときのお話ですね。
しかしながら、その当時から帝国の皇帝は変わっておりません。
皇帝の評判は、帝国では英雄、周辺国からすれば恐ろしい暴君であることも当時から継続しているようです。
いつ国を奪われるかと冷や冷やしている皆様からすれば、恐ろしく感じるのも当然のこと。
そろそろ侵攻されるのではないかと、軍事力を徹底して強化している国も多くありました。
帝国は急に攻めてくるものと信じ、どの国がいつ帝国に併合されて裏切るか分からないからと国交を断絶し、高い塀で守りを固め、内に籠る選択をした国もあったとか。
とはいえ、実情はちょっと違います。
皇帝は何も、理由なく国々を併合し、領土を拡大してきたわけではないのです。
それはいつも、彼の信念に基づいて実行されてきました。
それが、その地を自身が統べた方が民は幸せであるか、という信念です。
是となれば、あらゆる方法を用いて国を奪う。
否であれば、手を出さない。
そういう人だったので、併合された国の民からはあまり恨まれず、むしろ人気を博しておりました。
新たに得た国の文化を大切にする寛大な心もお持ちでしたから、民からすれば上が変わるだけという感じで特別な反発もなかったようですね。
もちろん、あらゆる部分で帝国の制度は導入されているのですが、それが前より良い環境を提供してくれるのですから、民らは自然喜ぶものです。
ただし、それでも恨みは買います。
併合された国で元々王侯貴族だった者たちやその末裔たちは、納得しているように見せて、不満たらたらということはままあるもので。
権力を持つ者には容赦しない冷たい側面も持ち得た皇帝でしたから、ときには血腥い事件に発展することもありました。
併合する際に、その国の王族を一人も残さなかったこともございます。
どれだけ誰に恨まれようと、それでも信念を通す。
それが帝国の現皇帝なのです。
何故そこまで詳しいのか、ですか?
それは皇帝の妹が私の母だからです。
つまり私からすると、皇帝は伯父なのでした。
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