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第1話 お見合い相手は
③
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大きな屋敷に辿り着いて、門を叩く。
『はい。どちら様でしょうか。』
「森井礼奈と申します。芹香さん、いらっしゃいますか。」
しばらくして、インターホンでお入り下さいと言われた。
玄関を開けると、そこには芹香が私を待っていた。
「礼奈。久しぶり。」
「うん。」
手を軽く上げ、芹香の側に行く。
「今日はどんな用?」
「あの……お金、貸して欲しいんだ。」
毎回この言葉を言うのが、恥ずかしい。
「何に使うの?」
「工場の糸の仕入れ代。今週まとまった発注があって。糸仕入れないと、納品できないんだ。」
「いくら?」
私は請求書を芹香に渡した。
「205,800円。分かった。用意させるわ。」
「いつもごめん。」
芹香は執事の人に、請求書を渡し、代わりに借用書を出した。
私はそれにサインをするだけ。
こういう事に慣れるのは、よくないと分かりつつも、家の為だと言い聞かせる。
「そうだ。礼奈、話があるの。私の部屋に来て。」
「うん、いいけど。」
いつもお世話になっている芹香に言われたら、断れない。
私は、執事の人からお金を受け取ると、芹香と一緒に2階への階段を登った。
芹香の部屋は、2階の中央にあった。
「ここよ。」
芹香が部屋のドアを開けると、これぞお嬢様の部屋という豪華さが広がる。
芹香の部屋に入るのは、初めてじゃないけれど、年々豪華さが増して行っているような気がした。
「ここに座って。」
「うん。」
可愛いピンクの椅子。
私には、程遠い世界。
そして芹香は、向かい側の席に座った。
「あのね、礼奈にお願いがあるの。」
「お願い?私に?」
何だろうと思った。
何でも願いが叶う芹香が、私にお願い事をするなんて。
お金をいつも借りている手前、できる事は何でもしようと思った。
芹香から、話を聞くまでは。
「実は、お見合いを断って欲しいの。」
芹香は、私の目の前で両手を合わせた。
「お見合いって……結婚するの?芹香。」
「嫌よ。私にはまだ早いもん。」
芹香は、昔から自分の意見を、はっきり持っていた。
今回だって、お父さんにはっきり嫌だって、言えばいいのに。
「お父さんには言ったの?嫌だって。」
「言ったよ。でも、一度会うだけだからって。」
「会ってみたら、いいじゃない。」
「それが、会ったら強引に話が進みそうで怖いのよ。」
何だか、お金持ちの政略結婚という言葉が、頭の中に浮かんだ。
「私、好きな人もいるし。ね、礼奈。お願い。」
ここまでお願いされるなんて、出会ってから初めてかもしれない。
「何で私なの?」
一応理由を聞いておく。
「私が行ったって、相手は芹香じゃないって、分かるんじゃない?」
「写真は交換してないし。それに礼奈は、お嬢様っぽく見えるもん。」
『はい。どちら様でしょうか。』
「森井礼奈と申します。芹香さん、いらっしゃいますか。」
しばらくして、インターホンでお入り下さいと言われた。
玄関を開けると、そこには芹香が私を待っていた。
「礼奈。久しぶり。」
「うん。」
手を軽く上げ、芹香の側に行く。
「今日はどんな用?」
「あの……お金、貸して欲しいんだ。」
毎回この言葉を言うのが、恥ずかしい。
「何に使うの?」
「工場の糸の仕入れ代。今週まとまった発注があって。糸仕入れないと、納品できないんだ。」
「いくら?」
私は請求書を芹香に渡した。
「205,800円。分かった。用意させるわ。」
「いつもごめん。」
芹香は執事の人に、請求書を渡し、代わりに借用書を出した。
私はそれにサインをするだけ。
こういう事に慣れるのは、よくないと分かりつつも、家の為だと言い聞かせる。
「そうだ。礼奈、話があるの。私の部屋に来て。」
「うん、いいけど。」
いつもお世話になっている芹香に言われたら、断れない。
私は、執事の人からお金を受け取ると、芹香と一緒に2階への階段を登った。
芹香の部屋は、2階の中央にあった。
「ここよ。」
芹香が部屋のドアを開けると、これぞお嬢様の部屋という豪華さが広がる。
芹香の部屋に入るのは、初めてじゃないけれど、年々豪華さが増して行っているような気がした。
「ここに座って。」
「うん。」
可愛いピンクの椅子。
私には、程遠い世界。
そして芹香は、向かい側の席に座った。
「あのね、礼奈にお願いがあるの。」
「お願い?私に?」
何だろうと思った。
何でも願いが叶う芹香が、私にお願い事をするなんて。
お金をいつも借りている手前、できる事は何でもしようと思った。
芹香から、話を聞くまでは。
「実は、お見合いを断って欲しいの。」
芹香は、私の目の前で両手を合わせた。
「お見合いって……結婚するの?芹香。」
「嫌よ。私にはまだ早いもん。」
芹香は、昔から自分の意見を、はっきり持っていた。
今回だって、お父さんにはっきり嫌だって、言えばいいのに。
「お父さんには言ったの?嫌だって。」
「言ったよ。でも、一度会うだけだからって。」
「会ってみたら、いいじゃない。」
「それが、会ったら強引に話が進みそうで怖いのよ。」
何だか、お金持ちの政略結婚という言葉が、頭の中に浮かんだ。
「私、好きな人もいるし。ね、礼奈。お願い。」
ここまでお願いされるなんて、出会ってから初めてかもしれない。
「何で私なの?」
一応理由を聞いておく。
「私が行ったって、相手は芹香じゃないって、分かるんじゃない?」
「写真は交換してないし。それに礼奈は、お嬢様っぽく見えるもん。」
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