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第6話 どういう事?
②
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唇が離れた後も、信一郎さんと見つめ合った。
こうしていると分かる。
信一郎さんと、想いは通じ合っているんだって。
「着いたよ。」
タクシーを降り、お店の前に立った。
「お洒落。」
豪華な飾りが施されているお店。
何だかワクワクしてきた。
「いいだろう?料理も美味しいよ、ここ。」
「期待してます。」
お店の中に入り、私達は窓側の席を用意された。
「何飲む?」
「ワイン……っていきたいところだけど、私飲めないから。カシスオレンジでいい。」
「カクテルね。俺は悪いけれど、ワインのボトルを入れさせて貰うよ。」
「どうぞ。」
ワインを飲めるなんて、大人だな。
運ばれてきたカシスオレンジも、少しだけ赤みが付いているけれど、ワインのボルドー色には敵わない。
「乾杯。」
信一郎さんとグラスを合わせて、お酒を飲めるなんて贅沢な気分がした。
「芹香とこうして飲むのは、初めてだね。」
「うん。」
信一郎さんがワインを飲む姿は、セクシーだと思った。
流石は、大人だと思った。
「私も、ワイン一杯貰おうかな。」
「ああ、いいと思うよ。これはいいワインだしね。」
信一郎さんは、グラスをもう一つ貰うと、ワインを注いでくれた。
「頂きます。」
ワインを一口飲むと、濃厚な味がした。
しかも渋い?えっ?これって、お酒なの?
「ははは。カシスオレンジみたいに、甘くはないね。」
「そうですね。これ以上、飲めるかな。」
「無理しないでいいよ。おいおい、飲めるようになるから。」
信一郎さんの言葉がよそよそしくて、ちょっとショックだった。
私、信一郎さんの為に、ワイン飲めるようになりたいのに。
「今日はどうだった?」
「とても楽しかったです。水族館も楽しかったですし、ここの料理も美味しいですし。」
信一郎さんは、うんうんと頷いてくれた。
「よかった。芹香が楽しいのが、一番だからね。」
「うん。」
私はいつの間にか、芹香と呼ばれる事に、抵抗がなくなっていた。
まるで自分が、芹香のように思っていたんだ。
「今日、家まで送らせてくれないかな。」
でも、一瞬で現実に引き戻された。
自分の家に連れて行くなんて、絶対ダメだし。
芹香の家まで行ったって、怪しまれるだけだ。
「いえ、近くまでで大丈夫です。」
私は酔う為に、ワインを口にした。
「お父さんに、挨拶したいんだ。」
ワインを飲む手が、止まった。
「父は……忙しい人ですし。」
「そんなに時間は取らせないよ。沢井社長が忙しいのは、俺も知っているし。」
そんな事言われても、父親に会わせるなんて、余計にできない。
「又、今度にしましょう。」
「今度か……我慢できるかな。」
「えっ?」
私はニヤッと笑う信一郎さんを見た。
「俺達そろそろ、次のステップに進んでもいいんじゃないかな。」
「次のステップって……」
すると信一郎さんが、私の手を握った。
「一緒に夜を過ごすとか。」
私はかぁーっと、赤くなった。
こうしていると分かる。
信一郎さんと、想いは通じ合っているんだって。
「着いたよ。」
タクシーを降り、お店の前に立った。
「お洒落。」
豪華な飾りが施されているお店。
何だかワクワクしてきた。
「いいだろう?料理も美味しいよ、ここ。」
「期待してます。」
お店の中に入り、私達は窓側の席を用意された。
「何飲む?」
「ワイン……っていきたいところだけど、私飲めないから。カシスオレンジでいい。」
「カクテルね。俺は悪いけれど、ワインのボトルを入れさせて貰うよ。」
「どうぞ。」
ワインを飲めるなんて、大人だな。
運ばれてきたカシスオレンジも、少しだけ赤みが付いているけれど、ワインのボルドー色には敵わない。
「乾杯。」
信一郎さんとグラスを合わせて、お酒を飲めるなんて贅沢な気分がした。
「芹香とこうして飲むのは、初めてだね。」
「うん。」
信一郎さんがワインを飲む姿は、セクシーだと思った。
流石は、大人だと思った。
「私も、ワイン一杯貰おうかな。」
「ああ、いいと思うよ。これはいいワインだしね。」
信一郎さんは、グラスをもう一つ貰うと、ワインを注いでくれた。
「頂きます。」
ワインを一口飲むと、濃厚な味がした。
しかも渋い?えっ?これって、お酒なの?
「ははは。カシスオレンジみたいに、甘くはないね。」
「そうですね。これ以上、飲めるかな。」
「無理しないでいいよ。おいおい、飲めるようになるから。」
信一郎さんの言葉がよそよそしくて、ちょっとショックだった。
私、信一郎さんの為に、ワイン飲めるようになりたいのに。
「今日はどうだった?」
「とても楽しかったです。水族館も楽しかったですし、ここの料理も美味しいですし。」
信一郎さんは、うんうんと頷いてくれた。
「よかった。芹香が楽しいのが、一番だからね。」
「うん。」
私はいつの間にか、芹香と呼ばれる事に、抵抗がなくなっていた。
まるで自分が、芹香のように思っていたんだ。
「今日、家まで送らせてくれないかな。」
でも、一瞬で現実に引き戻された。
自分の家に連れて行くなんて、絶対ダメだし。
芹香の家まで行ったって、怪しまれるだけだ。
「いえ、近くまでで大丈夫です。」
私は酔う為に、ワインを口にした。
「お父さんに、挨拶したいんだ。」
ワインを飲む手が、止まった。
「父は……忙しい人ですし。」
「そんなに時間は取らせないよ。沢井社長が忙しいのは、俺も知っているし。」
そんな事言われても、父親に会わせるなんて、余計にできない。
「又、今度にしましょう。」
「今度か……我慢できるかな。」
「えっ?」
私はニヤッと笑う信一郎さんを見た。
「俺達そろそろ、次のステップに進んでもいいんじゃないかな。」
「次のステップって……」
すると信一郎さんが、私の手を握った。
「一緒に夜を過ごすとか。」
私はかぁーっと、赤くなった。
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