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第11話 本当の名前は
③
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本当にその通りだ。
でも、会社に遅刻しないで、よかった。
そんな事を思っていると、下沢さんが大きな段ボールを持って、私の席に来た。
「どうしたんですか?その段ボール。」
「今日の仕事。大会議室で、会議の用意。」
「えっ⁉そんなのあるんですか⁉」
大会議室って言うと、社長室があるフロアだ。
「そう。社長を交えての会議だから、抜かりなくね。」
それを聞いたら、身体が震えてきた。
もし、万が一。
信一郎さんに、会ってしまったら。
「森井さん?大丈夫?」
「えっ?」
「いや、顔色悪いから。」
下沢さんの心配を他所に、私は震える身体を何とかしようと、自分の身体を抱きしめた。
「じゃあ、行こうか。」
「はい。」
私も小道具を持って、下沢さんと一緒に、エレベーターに乗った。
「会議、何時からですか?」
「10時。それまでには、準備できてないと。」
「はい。」
残り1時間もない。
急いで準備しないと、信一郎さんに見つかってしまう。
「私達、会議に出席する訳じゃないですよね。」
「当たり前でしょ。」
「すみません。」
それを聞いて、ほっと一安心。
要するに、さっさと準備を終わらせ、信一郎さんが来る前に、大会議室から出ればセーフだ。
私と下沢さんは、大会議室に入ると、段ボールの中に入っていた資料とお茶を、急いで置いて行った。
「なんか、森井さん。張り切ってるね。」
「はい。私、こういうの得意なんです。」
次々と置いて行くスピードに、下沢さんも感心している。
「と言う事は、森井さん。事務職に向いてるのかもね。」
「有難うございます!」
頭を下げる余裕もなくて、私は次々と資料とお茶を置いた。
「はい、終わり!」
下沢さんが、終了のコールをした。
時間を見ると、残り25分を切っている。
やったあ!
私は密かにガッツポーズをした。
「ええっと、後は……」
下沢さんが、最終チェックに入る。
「あっ!ペン忘れて来た。」
「ペン⁉ペンも用意するんですか⁉」
それぐらい自分で、持ってくるでしょ⁉
「一応ね。しかも、事務室から持って来てないや。俺持ってくるから。森井さん、ここで待ってて。」
「えっ!下沢さん?」
「直ぐに持ってくるから。」
そう言って下沢さんは、大会議室を出て行ってしまった。
ウソ!間に合うの⁉
少なくても10分前、ううん15分前には出なきゃいけないのに!
早く、早く来て!下沢さん!
ああ、願うだけってこうもイライラするものだった?
時計の針が、やけに早く進んでいるような気がした。
その時だ。
5,6人の人が、大会議室に入って来た。
「生田部長。今日の会議、暇ですね。」
「大した議題もない。社長のパフォーマンスだよ。」
部長達。こんなにいるなんて、大きな会社なんだ。
「ところで。社長の結婚が間近という噂を聞いたんですが。」
でも、会社に遅刻しないで、よかった。
そんな事を思っていると、下沢さんが大きな段ボールを持って、私の席に来た。
「どうしたんですか?その段ボール。」
「今日の仕事。大会議室で、会議の用意。」
「えっ⁉そんなのあるんですか⁉」
大会議室って言うと、社長室があるフロアだ。
「そう。社長を交えての会議だから、抜かりなくね。」
それを聞いたら、身体が震えてきた。
もし、万が一。
信一郎さんに、会ってしまったら。
「森井さん?大丈夫?」
「えっ?」
「いや、顔色悪いから。」
下沢さんの心配を他所に、私は震える身体を何とかしようと、自分の身体を抱きしめた。
「じゃあ、行こうか。」
「はい。」
私も小道具を持って、下沢さんと一緒に、エレベーターに乗った。
「会議、何時からですか?」
「10時。それまでには、準備できてないと。」
「はい。」
残り1時間もない。
急いで準備しないと、信一郎さんに見つかってしまう。
「私達、会議に出席する訳じゃないですよね。」
「当たり前でしょ。」
「すみません。」
それを聞いて、ほっと一安心。
要するに、さっさと準備を終わらせ、信一郎さんが来る前に、大会議室から出ればセーフだ。
私と下沢さんは、大会議室に入ると、段ボールの中に入っていた資料とお茶を、急いで置いて行った。
「なんか、森井さん。張り切ってるね。」
「はい。私、こういうの得意なんです。」
次々と置いて行くスピードに、下沢さんも感心している。
「と言う事は、森井さん。事務職に向いてるのかもね。」
「有難うございます!」
頭を下げる余裕もなくて、私は次々と資料とお茶を置いた。
「はい、終わり!」
下沢さんが、終了のコールをした。
時間を見ると、残り25分を切っている。
やったあ!
私は密かにガッツポーズをした。
「ええっと、後は……」
下沢さんが、最終チェックに入る。
「あっ!ペン忘れて来た。」
「ペン⁉ペンも用意するんですか⁉」
それぐらい自分で、持ってくるでしょ⁉
「一応ね。しかも、事務室から持って来てないや。俺持ってくるから。森井さん、ここで待ってて。」
「えっ!下沢さん?」
「直ぐに持ってくるから。」
そう言って下沢さんは、大会議室を出て行ってしまった。
ウソ!間に合うの⁉
少なくても10分前、ううん15分前には出なきゃいけないのに!
早く、早く来て!下沢さん!
ああ、願うだけってこうもイライラするものだった?
時計の針が、やけに早く進んでいるような気がした。
その時だ。
5,6人の人が、大会議室に入って来た。
「生田部長。今日の会議、暇ですね。」
「大した議題もない。社長のパフォーマンスだよ。」
部長達。こんなにいるなんて、大きな会社なんだ。
「ところで。社長の結婚が間近という噂を聞いたんですが。」
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