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第17話 結婚しないとダメみたい
③
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「見て、あの男の人、カッコいい。」
「乗ってる車もいいわよね。」
周囲の人も、信一郎さんを褒めている。
「一緒にいる女の子は、彼女さん?」
「それにしては、地味じゃない?」
そして私は、そんな信一郎さんに似合わない。
でも……
「信一郎さん、どうしたの?」
「礼奈の姿を見たら、会いたくなった。」
そして、信一郎さんは私をぎゅっと抱きしめてくれた。
「信一郎さん、苦しい。」
「ごめん。俺の我儘。」
そんな信一郎さんと、一緒にいたくてたまらないの。
その時、芹香の姿が目に飛び込んで来た。
「芹香……」
「お店を出たと思えば、早速イチャついているのね。」
芹香はため息をついた。
信一郎さんは、私を放すと芹香にお辞儀をした。
「初めまして、かな。黒崎信一郎です。」
「沢井芹香です。」
さすがは、お金持ち二人が会うだけで、凄いオーラが出ている。
「何だか、初めて会った気、しませんね。」
「そうですね。」
二人は作り笑いをしている。
それが愛想笑いに見えても、二人の出会いは、笑えたものじゃない。
「父が、私とあなたの結婚を望んでいたようです。」
「ええ。礼奈から聞きました。僕のほんの勘違いで。」
「勘違い……」
芹香はふっと笑った。
「礼奈に騙されたの、間違いでしょ。」
胸がズキッとなった。
芹香、今になって代わりになっていたのを、気にしているの?
「確かに。我々は、騙されていたのかもしれない。」
私は一歩後ろに下がった。
二人だけの世界のような気がして、居たたまれない。
「でも……」
その時、信一郎さんが私を片手で、抱き寄せた。
「今は、その事を幸いだと思っています。」
そして信一郎さんは、私にウィンクをした。
「……裏で、被害を被った人がいても?」
心臓がドキドキして、止まらない。
芹香は、明らかに信一郎さんに、敵意をむき出しにしている。
「私達の結婚で、いくら動くはずだったか、ご存じですか?」
「……1億ですか。」
信一郎さんは、静かに答えた。
「それは、沢井が貰えるはずのお金でいいでしょうか。」
信一郎さんは、黙ってしまった。
私達と芹香の間に、冷たい風が吹いた。
「お願いです、黒崎さん。私、本当の事を知りたいんです。」
芹香の真剣な顔、初めて見たような気がする。
いつも天真爛漫で、笑顔を絶やしたことのない彼女の、本当の顔を。
「これは、父から聞いた話なのですが。」
「ええ。」
あまりの重い話に、私は足が震えている。
それを、信一郎さんが支えてくれていた。
「初めに、政略結婚を申し出たのは、沢井の家だそうです。」
「そうですか。」
「1億、援助してくれないかと。その代わりに、娘をやるからと言っていた。」
芹香から伝わる悲しさは、私にも分かった。
「お母様、若年性認知症だそうですね。」
信一郎さんの言葉に、芹香は目を大きく開けた。
「乗ってる車もいいわよね。」
周囲の人も、信一郎さんを褒めている。
「一緒にいる女の子は、彼女さん?」
「それにしては、地味じゃない?」
そして私は、そんな信一郎さんに似合わない。
でも……
「信一郎さん、どうしたの?」
「礼奈の姿を見たら、会いたくなった。」
そして、信一郎さんは私をぎゅっと抱きしめてくれた。
「信一郎さん、苦しい。」
「ごめん。俺の我儘。」
そんな信一郎さんと、一緒にいたくてたまらないの。
その時、芹香の姿が目に飛び込んで来た。
「芹香……」
「お店を出たと思えば、早速イチャついているのね。」
芹香はため息をついた。
信一郎さんは、私を放すと芹香にお辞儀をした。
「初めまして、かな。黒崎信一郎です。」
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さすがは、お金持ち二人が会うだけで、凄いオーラが出ている。
「何だか、初めて会った気、しませんね。」
「そうですね。」
二人は作り笑いをしている。
それが愛想笑いに見えても、二人の出会いは、笑えたものじゃない。
「父が、私とあなたの結婚を望んでいたようです。」
「ええ。礼奈から聞きました。僕のほんの勘違いで。」
「勘違い……」
芹香はふっと笑った。
「礼奈に騙されたの、間違いでしょ。」
胸がズキッとなった。
芹香、今になって代わりになっていたのを、気にしているの?
「確かに。我々は、騙されていたのかもしれない。」
私は一歩後ろに下がった。
二人だけの世界のような気がして、居たたまれない。
「でも……」
その時、信一郎さんが私を片手で、抱き寄せた。
「今は、その事を幸いだと思っています。」
そして信一郎さんは、私にウィンクをした。
「……裏で、被害を被った人がいても?」
心臓がドキドキして、止まらない。
芹香は、明らかに信一郎さんに、敵意をむき出しにしている。
「私達の結婚で、いくら動くはずだったか、ご存じですか?」
「……1億ですか。」
信一郎さんは、静かに答えた。
「それは、沢井が貰えるはずのお金でいいでしょうか。」
信一郎さんは、黙ってしまった。
私達と芹香の間に、冷たい風が吹いた。
「お願いです、黒崎さん。私、本当の事を知りたいんです。」
芹香の真剣な顔、初めて見たような気がする。
いつも天真爛漫で、笑顔を絶やしたことのない彼女の、本当の顔を。
「これは、父から聞いた話なのですが。」
「ええ。」
あまりの重い話に、私は足が震えている。
それを、信一郎さんが支えてくれていた。
「初めに、政略結婚を申し出たのは、沢井の家だそうです。」
「そうですか。」
「1億、援助してくれないかと。その代わりに、娘をやるからと言っていた。」
芹香から伝わる悲しさは、私にも分かった。
「お母様、若年性認知症だそうですね。」
信一郎さんの言葉に、芹香は目を大きく開けた。
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