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第22話 パーティー
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芹香から、パーティーの招待状が届くなんて、珍しい。
だって、芹香はお嬢様だから、何度もパーティーに行っているだろうけれど、私は今まで誘われた事がないのだ。
「それも、可笑しな話だけど。」
何だろう。
パーティーって、お金持ちの集まりだって分かっている。
私がパーティーに出席したって、そんな人達と話なんて合わない。
なのに、どうして芹香は今回、私を誘ったのだろう。
そして招待状を見て、ふと気づいた。
主催が、沢井家である事を。
ああ、そうか。
芹香が主人公だから、好きな人を呼べるのね。
私が呼ばれた事を、納得した。
「何?どうしたの?」
お母さんが、後ろから話しかけてきた。
「芹香が、パーティーの招待状を送って来たの。」
「パーティー!」
お母さんは私から招待状を奪い取ると、面白ろそうに中身を読んだ。
「へえ。皆さんに発表したい事がありますだって。」
「何だろうね。」
「こういうの、お母さん好きだわ。」
母は呑気だ。
後ろで何が起こるか、分からないって言うのに。
「出席するの?」
「せっかく招待されたんだからね。」
「友達としては、行かなきゃね。」
信一郎さんの事を除けば、私達は友達だ。
その友達が、自分のパーティーに招待してくれたのだから、行かなきゃいけない。
「ドレス、買わないとね。」
「うーん。そこまでする必要あるかな。」
「普段着で行ったらダメよ。パーティーなんだから。」
「うん。そうね。」
私はお母さんにそう返事をして、自分の部屋へと戻った。
クローゼットを見ても、ドレスらしい服はない。
ただ黒のワンピースはあった。
「これでいいかな。」
シンプルな形だし。フォーマルにも使えそうだし。
パーティーは、今週末に行われる。
服が決まると、何だかワクワクしてきた。
芹香主催のパーティーって、どんな形なんだろう。
他にどんな人を呼んでいるのだろう。
楽しみになってきた。
パーティーの日、私は黒のワンピースを着て、階段を降りた。
「あら、お嬢様の登場ね。」
お母さんが階段の下で、私を待っていた。
「お嬢様じゃないよ。」
「大丈夫よ。そう見えるから。」
そんな言葉を掛けられて、嬉しくもあり複雑な気持ちになった。
「招待状、持った?」
「持った。」
「楽しんでくるのよ。」
私は頷いて、ヒールのある靴を履いた。
「やっぱり、若い時は綺麗よね。」
「えっ?」
お母さんは私を見て、ため息をつく。
「何ていうの。身体から光が見えるのよね。」
「お母さん、大丈夫?」
身体から光って、若いってそんなにいいの?
「年を取ると、くすんできて。イヤね、歳を取るって。」
そんな事言われても、困る。
「お母さんだって、若い時があったでしょ。」
「その時に、パーティーなんてなかったわ。」
何か、笑ってしまった。
だって、芹香はお嬢様だから、何度もパーティーに行っているだろうけれど、私は今まで誘われた事がないのだ。
「それも、可笑しな話だけど。」
何だろう。
パーティーって、お金持ちの集まりだって分かっている。
私がパーティーに出席したって、そんな人達と話なんて合わない。
なのに、どうして芹香は今回、私を誘ったのだろう。
そして招待状を見て、ふと気づいた。
主催が、沢井家である事を。
ああ、そうか。
芹香が主人公だから、好きな人を呼べるのね。
私が呼ばれた事を、納得した。
「何?どうしたの?」
お母さんが、後ろから話しかけてきた。
「芹香が、パーティーの招待状を送って来たの。」
「パーティー!」
お母さんは私から招待状を奪い取ると、面白ろそうに中身を読んだ。
「へえ。皆さんに発表したい事がありますだって。」
「何だろうね。」
「こういうの、お母さん好きだわ。」
母は呑気だ。
後ろで何が起こるか、分からないって言うのに。
「出席するの?」
「せっかく招待されたんだからね。」
「友達としては、行かなきゃね。」
信一郎さんの事を除けば、私達は友達だ。
その友達が、自分のパーティーに招待してくれたのだから、行かなきゃいけない。
「ドレス、買わないとね。」
「うーん。そこまでする必要あるかな。」
「普段着で行ったらダメよ。パーティーなんだから。」
「うん。そうね。」
私はお母さんにそう返事をして、自分の部屋へと戻った。
クローゼットを見ても、ドレスらしい服はない。
ただ黒のワンピースはあった。
「これでいいかな。」
シンプルな形だし。フォーマルにも使えそうだし。
パーティーは、今週末に行われる。
服が決まると、何だかワクワクしてきた。
芹香主催のパーティーって、どんな形なんだろう。
他にどんな人を呼んでいるのだろう。
楽しみになってきた。
パーティーの日、私は黒のワンピースを着て、階段を降りた。
「あら、お嬢様の登場ね。」
お母さんが階段の下で、私を待っていた。
「お嬢様じゃないよ。」
「大丈夫よ。そう見えるから。」
そんな言葉を掛けられて、嬉しくもあり複雑な気持ちになった。
「招待状、持った?」
「持った。」
「楽しんでくるのよ。」
私は頷いて、ヒールのある靴を履いた。
「やっぱり、若い時は綺麗よね。」
「えっ?」
お母さんは私を見て、ため息をつく。
「何ていうの。身体から光が見えるのよね。」
「お母さん、大丈夫?」
身体から光って、若いってそんなにいいの?
「年を取ると、くすんできて。イヤね、歳を取るって。」
そんな事言われても、困る。
「お母さんだって、若い時があったでしょ。」
「その時に、パーティーなんてなかったわ。」
何か、笑ってしまった。
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