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第4章 追いかけた先に、あなたがいた
⑦
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料理が来る前に、まずはお礼を言わなきゃと私は口を開いた。
「今日は会って頂いて、ありがとうございます。レストランまで予約して頂いて……」
緊張しながらも、きちんと伝える。すると玲央さんは、軽く笑った。
「ははは、そういうとこ、ひよりさんってしっかりしてるよね。」
「えっ?」
「ほら、前に会った時も、保険のこと気にしてたでしょ?」
ああ……そんなこと言った気がする。私は頬が少し熱くなるのを感じた。
「ありがとう、ございます……」
どこかぎこちなく返すと、玲央さんはふっと優しい表情になった。
「だから俺、自然にひよりさんは社会人なのかと思ってたよ。」
「えっ、ほんとですか?」
ちょっと驚きながら聞き返す。すると玲央さんは頷いた。
「落ち着いてるし、礼儀正しいし。大学生には、あまり見えないなって。」
そんな風に思われてたなんて。ちょっと照れくさい。でも、嬉しかった。
「俺の方こそ、今日来てくれてありがとう。」
玲央さんの優しい笑顔に、胸の奥がじんわりと温かくなる。
会えた、それだけで幸せなのに。
「今日は、大事な話をするからね、ひよりさん。」
その言葉に、私は自然と背筋を伸ばしていた。
「はい。」
すると玲央さんが、くすっと笑って言った。
「いいね、その真面目に人の話聞こうとするところ。ひよりさんの、そういうとこ好きだよ。」
どきんと心臓が跳ねる。なんだか今日の玲央さん、いつも以上に言葉が甘い気がする。
「ありがとうございます……」
少し頬を赤らめてうつむいた瞬間、テーブルに料理が運ばれてきた。
「……あれ?これだけですか?」
皿の上には、美しく盛られた前菜が数品。少し驚いた私に、玲央さんが落ち着いた声で答える。
「最初は前菜だけだよ。このあとメインも来るから、安心して。」
「なるほど、さすが高級レストランですね。」
私は笑って返した。少しずつ、緊張がほどけていくのを感じていた。
甘いカクテルに頬が火照り、美味しい料理に心も満たされていた。
まるで夢のような時間だった。そんな中、玲央さんがぽつりと話し始めた。
「それでね、親父がどうしても社長になるなら、早く結婚しろって言うんだ。」
「はぁ……」
“結婚”。その言葉が胸にじんわりと響く。
私も、いつかするのかな。
誰かと一緒に生きていくって、どういうことなんだろう。
ぼんやりとそんなことを考えていると、「ひよりさん、真面目に聞いてる?」と優しい声がして、ハッと我に返った。
「はい。」
私はスプーンとフォークを静かに置き、姿勢を正すようにして、両手を膝の上に揃えた。
すると、玲央さんが少しだけ口元を緩めて、こちらをまっすぐに見つめた。
「えっと……俺と付き合いたいんだよね?」
「はい。」
その瞬間、胸が跳ねた。
やっと、想いが言葉として通じ合ったような気がした。
「今日は会って頂いて、ありがとうございます。レストランまで予約して頂いて……」
緊張しながらも、きちんと伝える。すると玲央さんは、軽く笑った。
「ははは、そういうとこ、ひよりさんってしっかりしてるよね。」
「えっ?」
「ほら、前に会った時も、保険のこと気にしてたでしょ?」
ああ……そんなこと言った気がする。私は頬が少し熱くなるのを感じた。
「ありがとう、ございます……」
どこかぎこちなく返すと、玲央さんはふっと優しい表情になった。
「だから俺、自然にひよりさんは社会人なのかと思ってたよ。」
「えっ、ほんとですか?」
ちょっと驚きながら聞き返す。すると玲央さんは頷いた。
「落ち着いてるし、礼儀正しいし。大学生には、あまり見えないなって。」
そんな風に思われてたなんて。ちょっと照れくさい。でも、嬉しかった。
「俺の方こそ、今日来てくれてありがとう。」
玲央さんの優しい笑顔に、胸の奥がじんわりと温かくなる。
会えた、それだけで幸せなのに。
「今日は、大事な話をするからね、ひよりさん。」
その言葉に、私は自然と背筋を伸ばしていた。
「はい。」
すると玲央さんが、くすっと笑って言った。
「いいね、その真面目に人の話聞こうとするところ。ひよりさんの、そういうとこ好きだよ。」
どきんと心臓が跳ねる。なんだか今日の玲央さん、いつも以上に言葉が甘い気がする。
「ありがとうございます……」
少し頬を赤らめてうつむいた瞬間、テーブルに料理が運ばれてきた。
「……あれ?これだけですか?」
皿の上には、美しく盛られた前菜が数品。少し驚いた私に、玲央さんが落ち着いた声で答える。
「最初は前菜だけだよ。このあとメインも来るから、安心して。」
「なるほど、さすが高級レストランですね。」
私は笑って返した。少しずつ、緊張がほどけていくのを感じていた。
甘いカクテルに頬が火照り、美味しい料理に心も満たされていた。
まるで夢のような時間だった。そんな中、玲央さんがぽつりと話し始めた。
「それでね、親父がどうしても社長になるなら、早く結婚しろって言うんだ。」
「はぁ……」
“結婚”。その言葉が胸にじんわりと響く。
私も、いつかするのかな。
誰かと一緒に生きていくって、どういうことなんだろう。
ぼんやりとそんなことを考えていると、「ひよりさん、真面目に聞いてる?」と優しい声がして、ハッと我に返った。
「はい。」
私はスプーンとフォークを静かに置き、姿勢を正すようにして、両手を膝の上に揃えた。
すると、玲央さんが少しだけ口元を緩めて、こちらをまっすぐに見つめた。
「えっと……俺と付き合いたいんだよね?」
「はい。」
その瞬間、胸が跳ねた。
やっと、想いが言葉として通じ合ったような気がした。
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