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第6章 あなたが甘くなったのは、私のせい?
⑧
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料理が運ばれて、私たちはグラスを手に取った。
「お誕生日、おめでとうございます。」
私がグラスを差し出すと、玲央さんも笑顔で応じてくれる。
「ありがとう。」
グラスが小さく触れ合い、澄んだ音が響いた。
その音と一緒に、心も弾んだ気がした。
料理は、前菜のカルパッチョに、温かいバゲット、そしてチーズとトマトのパスタ。
どれも温もりがあって、ふたりで「美味しいね」なんて言いながら笑い合う時間が心地よかった。
ひとしきり食事が落ち着いた頃、私はそっと、紙袋を差し出した。
小さなリボンのついた、紺色の紙袋。
「これ……プレゼント。」
玲央さんは少し驚いたように目を丸くして、それから柔らかく笑った。
「開けてもいい?」
私はうん、と頷いた。
玲央さんは丁寧にリボンを解き、包みを開けていく。
その指先の動きに、私はどきどきしながら彼の表情を見守った。
そして中身を見た瞬間、ふっと吹き出すように笑った。
「ネクタイピン?……あはっ!もしかして、黒猫?」
その言い方がなんだか嬉しくて、私はにっこり笑った。
「可愛くて、つい……でも、シンプルだからお仕事でも使えると思って。」
「うん。……ちょうど、欲しかったんだ。」
玲央さんの瞳が、まっすぐ私を見つめる。
その優しい言葉に、心がじんわりと温かくなった。
「ありがとう。大切にするよ。」
私は少し照れながらも、言った。
「気に入ってもらえて、よかったです。」
グラスに残ったワインを一口だけ飲んで、私はそっと息を吐く。
こんな時間が、ずっと続けばいいのに。
心が満たされるとは、きっとこういうことなのだと思った。
そして、食事が終わった私たちは、店を出て静かな夜道を歩いた。
夜風が少し肌寒いけれど、玲央さんがそっと私の手を握ってくれる。
「ねえ、ひより。」
「ん?」
「まだ、時間ある?」
私はすぐに、うんと頷いた。
「俺の家に来ない?」
一瞬だけ心臓が跳ねるように高鳴る。けれど、玲央さんの手は優しく、ぬくもりをくれた。
「うん、行く。」
私はその手をぎゅっと握り返した。
そして、ふたりで歩いて玲央さんの住むタワーマンションへ。
エントランスも、エレベーターも、何もかもが洗練されていて、まるで別世界に来たようだった。
高層階にある玲央さんの部屋に入ると、まず目に飛び込んできたのは──
「……素敵……」
窓一面に広がる、夜の街の光。
宝石をばらまいたような煌めきが、私たちを包んでいた。
「気に入った?」
玲央さんが、ソファにコートを置きながら笑う。
「はい。すごく……きれいです。」
「誕生日に、君とここで過ごせて、よかった。」
玲央さんの言葉が胸に響いて、私はそっと彼の隣に腰かけた。
ほんの少しだけ、距離を空けて座ったのに──
玲央さんが、そっと私の肩に腕を回してくる。
「お誕生日、おめでとうございます。」
私がグラスを差し出すと、玲央さんも笑顔で応じてくれる。
「ありがとう。」
グラスが小さく触れ合い、澄んだ音が響いた。
その音と一緒に、心も弾んだ気がした。
料理は、前菜のカルパッチョに、温かいバゲット、そしてチーズとトマトのパスタ。
どれも温もりがあって、ふたりで「美味しいね」なんて言いながら笑い合う時間が心地よかった。
ひとしきり食事が落ち着いた頃、私はそっと、紙袋を差し出した。
小さなリボンのついた、紺色の紙袋。
「これ……プレゼント。」
玲央さんは少し驚いたように目を丸くして、それから柔らかく笑った。
「開けてもいい?」
私はうん、と頷いた。
玲央さんは丁寧にリボンを解き、包みを開けていく。
その指先の動きに、私はどきどきしながら彼の表情を見守った。
そして中身を見た瞬間、ふっと吹き出すように笑った。
「ネクタイピン?……あはっ!もしかして、黒猫?」
その言い方がなんだか嬉しくて、私はにっこり笑った。
「可愛くて、つい……でも、シンプルだからお仕事でも使えると思って。」
「うん。……ちょうど、欲しかったんだ。」
玲央さんの瞳が、まっすぐ私を見つめる。
その優しい言葉に、心がじんわりと温かくなった。
「ありがとう。大切にするよ。」
私は少し照れながらも、言った。
「気に入ってもらえて、よかったです。」
グラスに残ったワインを一口だけ飲んで、私はそっと息を吐く。
こんな時間が、ずっと続けばいいのに。
心が満たされるとは、きっとこういうことなのだと思った。
そして、食事が終わった私たちは、店を出て静かな夜道を歩いた。
夜風が少し肌寒いけれど、玲央さんがそっと私の手を握ってくれる。
「ねえ、ひより。」
「ん?」
「まだ、時間ある?」
私はすぐに、うんと頷いた。
「俺の家に来ない?」
一瞬だけ心臓が跳ねるように高鳴る。けれど、玲央さんの手は優しく、ぬくもりをくれた。
「うん、行く。」
私はその手をぎゅっと握り返した。
そして、ふたりで歩いて玲央さんの住むタワーマンションへ。
エントランスも、エレベーターも、何もかもが洗練されていて、まるで別世界に来たようだった。
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「……素敵……」
窓一面に広がる、夜の街の光。
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「気に入った?」
玲央さんが、ソファにコートを置きながら笑う。
「はい。すごく……きれいです。」
「誕生日に、君とここで過ごせて、よかった。」
玲央さんの言葉が胸に響いて、私はそっと彼の隣に腰かけた。
ほんの少しだけ、距離を空けて座ったのに──
玲央さんが、そっと私の肩に腕を回してくる。
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