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第4部 舞踏会の招待
④
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一曲踊り終えると、誰かが私の肩を軽く叩いた。
「はい。」
にこやかに振り向くと、そこにいたのは――ルシアだった。
「ルシア。あなたもこの舞踏会に誘われていたのね。」
久しぶりの妹との再会に、胸が少し高鳴った。
けれど、それも束の間。
「しばらく会わないうちに、派手になりましたね。お姉様。」
その声には、どこか皮肉めいた響きがあった。
笑顔の裏に隠された感情が、はっきりと伝わってくる。
そうだった。
彼女は私がグレイバーン伯爵家に嫁ぎ、貧しい暮らしになることを望んでいた。
私の幸せを、内心では疎ましく思っていたのだろう。
「ありがとう。あなたも相変わらずお綺麗ね。」
私は穏やかに返したが、胸の奥が少しだけ痛んだ。
「ところで、先ほどの男性は?」ルシアが目を細めて尋ねてきた。
「――ああ……」
私はちらりと、踊り終えたノア・バルモントの背中に視線を送った。
「セドリックの旧友よ。ノア・バルモント伯爵。」
「伯爵?」
ルシアはその響きに少し驚いたように声を上げたかと思うと、すぐにケラケラと笑い出した。
「いやだわ、お姉様。伯爵夫人になると、踊る相手も伯爵になるのね。」
その言葉には皮肉と嫉妬が混ざっていた。
昔の私なら、きっと傷ついたかもしれない。
けれど今は、気にしない。
私は胸を張って、微笑みを返すだけだった。
「私が誰と踊っても、あなたには関係ないでしょう?」
「そうね。私には関係ないわ。だって私は公爵令嬢だもの。」
ルシアは髪をサラリと揺らした。
そんなルシアに、また一人の男性が声をかけた。
すらりとした長身に、気品の漂う立ち居振る舞い。
整った顔立ちの青年は、ルシアの前で恭しく頭を下げた。
「一曲、いただけますか?」
ルシアは誇らしげにこちらを一瞥すると、にこりと笑って応じた。
「もちろんよ。ロクスフォード公爵家の次男、チャールズ・ロクスフォード子爵よ。」
誇らしげな紹介に、私は軽く会釈した。
その視線を受けたチャールズは私に問いかける。
「こちらは?」
「ルシアの姉のクラリスです。」
「今は、グレイバーン伯爵夫人よ。」
そう言って名乗ると、チャールズは一瞬驚いたように目を見開き、そして笑みを浮かべた。
「はい。」
にこやかに振り向くと、そこにいたのは――ルシアだった。
「ルシア。あなたもこの舞踏会に誘われていたのね。」
久しぶりの妹との再会に、胸が少し高鳴った。
けれど、それも束の間。
「しばらく会わないうちに、派手になりましたね。お姉様。」
その声には、どこか皮肉めいた響きがあった。
笑顔の裏に隠された感情が、はっきりと伝わってくる。
そうだった。
彼女は私がグレイバーン伯爵家に嫁ぎ、貧しい暮らしになることを望んでいた。
私の幸せを、内心では疎ましく思っていたのだろう。
「ありがとう。あなたも相変わらずお綺麗ね。」
私は穏やかに返したが、胸の奥が少しだけ痛んだ。
「ところで、先ほどの男性は?」ルシアが目を細めて尋ねてきた。
「――ああ……」
私はちらりと、踊り終えたノア・バルモントの背中に視線を送った。
「セドリックの旧友よ。ノア・バルモント伯爵。」
「伯爵?」
ルシアはその響きに少し驚いたように声を上げたかと思うと、すぐにケラケラと笑い出した。
「いやだわ、お姉様。伯爵夫人になると、踊る相手も伯爵になるのね。」
その言葉には皮肉と嫉妬が混ざっていた。
昔の私なら、きっと傷ついたかもしれない。
けれど今は、気にしない。
私は胸を張って、微笑みを返すだけだった。
「私が誰と踊っても、あなたには関係ないでしょう?」
「そうね。私には関係ないわ。だって私は公爵令嬢だもの。」
ルシアは髪をサラリと揺らした。
そんなルシアに、また一人の男性が声をかけた。
すらりとした長身に、気品の漂う立ち居振る舞い。
整った顔立ちの青年は、ルシアの前で恭しく頭を下げた。
「一曲、いただけますか?」
ルシアは誇らしげにこちらを一瞥すると、にこりと笑って応じた。
「もちろんよ。ロクスフォード公爵家の次男、チャールズ・ロクスフォード子爵よ。」
誇らしげな紹介に、私は軽く会釈した。
その視線を受けたチャールズは私に問いかける。
「こちらは?」
「ルシアの姉のクラリスです。」
「今は、グレイバーン伯爵夫人よ。」
そう言って名乗ると、チャールズは一瞬驚いたように目を見開き、そして笑みを浮かべた。
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