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8、侵略
⑤
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ああ、やはりこの方は――真に義に厚く、心の温かい方なのだ。
「そうだったのですね……」
私は思わず、失礼を承知でベンジャミン王の手を取った。
「国王になられたというのに、何のお祝いの品も差し上げられなかった私を……まだ友だと言ってくださるのですね?」
「当たり前だ。一度、友になった者との友情は、決して薄れぬ。」
彼の手は、まるで春の日差しのように温かかった。
そのぬくもりが、冷え切っていた私の心にじんわりと染み込んでいく。
私のために、そこまでしてくれたこの人の誠意を、私は一生忘れないだろう――。
「しかしベンジャミン王。私はこの通り、幽閉の身ではありません。」
「そうみたいだな。」
「我が夫になる騎士団長グレイブが、助け出してくれたのです。」
「なるほど。」
ベンジャミン王は静かに広間を歩き回り、私を見ずに言った。
「それで?あなたは満足か?」
「えっ……?」
「自分の私利私欲で、かつての婚約者を幽閉するなど――国王にあるまじき行為だ。」
その声は低く、怒りを含んでいた。
まさか……。私は思わず息を呑む。
ベンジャミン王は、やはり本気でクリフを――撃つつもりなの?
「待って下さい、ベンジャミン王!」
私は思わず、歩を速めて彼に近づいた。堂々たる背に向かって叫ぶように言葉を投げる。
「国王は今、改心しております。私も、グレイブも、そして国民も……皆、クリフ国王に忠誠を誓っております!」
ベンジャミン王は足を止め、静かにこちらを振り返った。
その目には怒りではなく、深い疑念が宿っている。
「だが、彼は実際、我が軍を迎い撃つ構えを見せた。剣を抜いたのは彼だ。」
「それは……国を守るためです!突然兵が国境に現れたのを知って、何もせずにはいられなかったのです!」
「食料を調達した国に対してか?何の使者もなく、礼もなく、ただ剣を抜いた。」
「それは――ベンジャミン王。あなたの方ではありませんか。」
私ははっきりと目を見据えた。
そう、最初に動いたのは――王、あなたです。
「私はあなたという友の為に動いたのだ。」
そう言って、ベンジャミン王は私の肩に両手を添え、しっかりと目を見据えてきた。
「私は――友を幽閉したクリフ国王を、どうしても許すことができない。」
その言葉に、私は胸が締め付けられるような思いになった。そして、自然と床に膝をついていた。
「お許しください……どうか、この国を……クリフ国王を攻めないでください……!」
必死の願いに、静寂が落ちた。
やがてベンジャミン王は溜息をつき、椅子に腰を下ろした。そして、穏やかに微笑んで言った。
「……ならば、しっかりと反省してもらおうじゃないか。友としてな。」
その笑顔に、私はようやく安堵の息を漏らした。
「そうだったのですね……」
私は思わず、失礼を承知でベンジャミン王の手を取った。
「国王になられたというのに、何のお祝いの品も差し上げられなかった私を……まだ友だと言ってくださるのですね?」
「当たり前だ。一度、友になった者との友情は、決して薄れぬ。」
彼の手は、まるで春の日差しのように温かかった。
そのぬくもりが、冷え切っていた私の心にじんわりと染み込んでいく。
私のために、そこまでしてくれたこの人の誠意を、私は一生忘れないだろう――。
「しかしベンジャミン王。私はこの通り、幽閉の身ではありません。」
「そうみたいだな。」
「我が夫になる騎士団長グレイブが、助け出してくれたのです。」
「なるほど。」
ベンジャミン王は静かに広間を歩き回り、私を見ずに言った。
「それで?あなたは満足か?」
「えっ……?」
「自分の私利私欲で、かつての婚約者を幽閉するなど――国王にあるまじき行為だ。」
その声は低く、怒りを含んでいた。
まさか……。私は思わず息を呑む。
ベンジャミン王は、やはり本気でクリフを――撃つつもりなの?
「待って下さい、ベンジャミン王!」
私は思わず、歩を速めて彼に近づいた。堂々たる背に向かって叫ぶように言葉を投げる。
「国王は今、改心しております。私も、グレイブも、そして国民も……皆、クリフ国王に忠誠を誓っております!」
ベンジャミン王は足を止め、静かにこちらを振り返った。
その目には怒りではなく、深い疑念が宿っている。
「だが、彼は実際、我が軍を迎い撃つ構えを見せた。剣を抜いたのは彼だ。」
「それは……国を守るためです!突然兵が国境に現れたのを知って、何もせずにはいられなかったのです!」
「食料を調達した国に対してか?何の使者もなく、礼もなく、ただ剣を抜いた。」
「それは――ベンジャミン王。あなたの方ではありませんか。」
私ははっきりと目を見据えた。
そう、最初に動いたのは――王、あなたです。
「私はあなたという友の為に動いたのだ。」
そう言って、ベンジャミン王は私の肩に両手を添え、しっかりと目を見据えてきた。
「私は――友を幽閉したクリフ国王を、どうしても許すことができない。」
その言葉に、私は胸が締め付けられるような思いになった。そして、自然と床に膝をついていた。
「お許しください……どうか、この国を……クリフ国王を攻めないでください……!」
必死の願いに、静寂が落ちた。
やがてベンジャミン王は溜息をつき、椅子に腰を下ろした。そして、穏やかに微笑んで言った。
「……ならば、しっかりと反省してもらおうじゃないか。友としてな。」
その笑顔に、私はようやく安堵の息を漏らした。
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