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ULTIMATE〜SECRET 邦家の秘匿
ULTIMATE〜SECRET 邦家の秘匿 第12話
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主要登場人物一覧
赤眞翔平(26)…11代目主人公 近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班 副班長 隊士長
塩崎柊斗(24)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班 副班長 3等士官
吉瀬淳也(33)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班 班長 2等士官
高濵翔盛(25)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班所属 隊士長
樋樫柊臣(25)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班所属 隊士長
成濱佑汰(26)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
伊敷煌大(22)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
崇眞稜大(22)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
前原裕季哉(25)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
芦澤柊太(36)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 2等士官
青村聡士(34)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 2等士官
澤田新太(39) …東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 1等士官
今西遙駕(52)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊 小隊長 士官長
新城彪駕(34)…警衛庁 警務隊長 2等幹士
藤浦恭介(51)…警衛庁 警務隊 総務管理官 衛幹
椎津愛虎(31)…警衛庁 警務隊 中央警務班所属 2等士官
貴内伸介(41)…警衛庁 警務隊 中央警務班 管理官 1等幹士
正随緋斗(30)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 2等士官
中森蓮仁(28)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 隊士長
河城蒼空(28)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 3等士官
天辻慶斗(30)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 3等士官
夢丸奎大(28)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 3等士官
河木涼(31)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班 管理官 2等士官
伏垨綉梧(38)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班長 1等士官
猪俣繁倖(48)…警衛庁 駐屯科長 3等将士
大須賀敦晴(45)…警衛庁 駐屯科 副科長 1等幹士
国藤尚崇(44)…警衛庁 駐屯科 巡回機動連絡部隊 部隊長 1等隊尉
坂浦聡磨(38)…警衛庁 駐屯科 巡回機動連絡部隊 管理官 3等隊尉
皇山誠士郎(30)…警衛庁 幕僚総監 第1秘書官 2等隊尉
新濱恭吾(48)…警衛庁 16代目幕僚総監
籐洲猛靖(53)…警衛庁 幕僚官房室長 幕僚補
翠谷敦也(33)…内閣府行政人事院 警衛隊総監局 局管
在暁舜也(28)…内閣府行政人事院 警衛隊総監局 局員
階級
隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監
………………………………………………………………
「間もなく、ジブチ駐屯地到着です」
「わかりました」
機長(航空科所属隊員)からの機内無線を聞き皇山はすぐに応答した。
航空機内は幕僚総監が乗ってることもあり、多くの幕僚官房室所属の隊員が乗っていた。
「総監、どうして幕僚の人間が乗ってきてるんですか?」
皇山に聞かれ新濱は軽く答えた。
「籐洲に命令されたんじゃねーのか?」
「室長ですか」
「告発したのも籐洲だろ。どうせ」
「どうして?」
「俺が総監に就任する直前まで総監に最有力候補だったのが籐洲だった。なんなら内示まで出てたという噂だ」
「そ、そうなんすね。でも何故、籐洲さんじゃなくて新濱さんが?」
「俺が提出した組織改革立案書だ。今は組織統制事項として内閣府行政人事院を通じて世間に公開されてる」
そう言いながら新濱は持っていたスマホを操作しながら渡した。
そこには、内閣府行政人事院が発表したとされる警衛隊組織統制事項と記されその下に組織内事案発生時における統制職種部隊(警務隊、幕僚官房室、運用科など組織内統制及び秩序の維持につとめる職種部隊)が行うべき指導要領について記されていた。
「これを発案したのですか?」
「総監になる為にまず何をしなければならないか。階級も到底、幕僚総監になんて届かないこの俺が唯一、籐洲に対抗できるもの。それは、不祥事が続く警衛隊で不祥事に対応する明確なマニュアルを作るのを思い浮かべた。それでそれを作った」
「なるほど」
「それが無ければ俺は総監になんてなれてなかった」
そう言うと新濱は窓の景色に目をやった。
「陸地確認、これより着陸体勢に入ります」
機内無線を聞きその場にいた隊員らは降機準備に入った。
その時だった、窓から見える駐屯地敷地内で青の防護服を身にまとった隊員達が騒がしく走ってるのが目に入った。
「お、おいあれなんだよ」
機長は窓から見える景色に目をやりながら呟いた。
「あの防護服って、汚染用じゃないすか?」
副操縦士が言うと機長は軽く目を見開いた。
「汚染用だな。あれは確かに」
機長はすぐに頭上にある機内無線ボタンを押した。
「CP.上空から異常を確認しました」
機内無線を聞き皇山は身を乗り出しながら景色に目をやった。
「わかってる。異常は既に確認済みだ」
新濱が言うと機長は軽く頷きながら応答した。
「引き返しますか?恐らく、駐屯地が汚染されてます。感染の危険性が」
「構わん。着陸しろ」
「い、いや、しかし」
「構わんと言ったろ」
そう言いながら新濱は目の前にいる翠谷に目をやった。
「ちょっと待ってください。一度、人事院に確認の連絡を取ります」
横にいた在暁が言うと翠谷はすぐに口を開けた。
「構わん。このまま着陸してください」
「な、何言ってんすか翠谷さん」
在暁は翠谷の胸ぐらを掴むと顔を近づけた。
「目を覚ましてください。感染するかもしれないんですよ。俺たちは新日本交戦規定の違反容疑があると告発を受け調査を開始した。それが何故こうなるんです?感染の危険に晒されてまで調査する必要はありません。すぐに退避するべきです。我々が怪我をするなど言語道断なのでは?」
「俺たちは不正を正す人間だ。目の前で不正があるならば何があっても許してはならない。その為にも現地に赴く必要もある。場合によっては危険に晒されることもあるという訳だ」
そう言いながら翠谷は在暁の胸ぐらを掴んだ。
「覚悟を常に持っておけ」
そう言うと翠谷は在暁の胸ぐらから手を離した。
航空機はいよいよ着陸体勢に入った。
航空機が完全に着陸すると、防護服を身にまとった伏垨と国藤は急いで航空機のもとに駆け寄った。
「俺たちが汚染する事は絶対無くせ。日本本土にウイルスを持ち込むな」
機長はそう言うと機内無線を機外無線に切り替えた。
「航空科です。連絡を入れた通り、幕僚総監、他17名を乗せてきました」
機長が言うと国藤は軽く頭を下げた。
「駐屯科です。御協力ありがとうございました。後はこちらの指揮下に入ってもらいます。全員下ろして貰った後は指揮下を航空科長にお返し致します」
国藤が言うと機長は軽く頷きながら副操縦士に目をやった。
「き、き、機長、大丈夫でしょうか?」
副操縦士は機長と目が合うなり声を震わせながら聞いた。
「感染しねーように最大限、配慮してくれるはずだ。俺たちは俺たちの任務だけに集中しよう」
「わかりました」
副操縦士が返事すると機長はドアの開閉ボタンに手を触れた。
「どうします?このまま暴露するのは避けなければ」
伏垨が言うと国藤はヘリを駐車場内に設置してある仮設消毒部屋に誘導した。
仮設消毒部屋は、常に消毒スプレー、消毒気体が流れており仮設消毒部屋はそのままカーテンがされている長い通路を辿って、隊舎に繋がっていた。
航空機を部屋に入れると機長はドアを開けた。
「お疲れ様です」
国藤と伏垨は新濱を見るなりその場で頭を下げた。
「お疲れ様。事態はどうなってる?詳しく説明してみろ」
「はい。私が説明します。ルッシュルト共和国へ行方不明隊員の捜索をすべく部隊を派遣しました」
そう言うと伏垨はiPadを新濱に渡した。
「その中で、既に報告を上げていました例の元幹部の男への取り調べで行方不明隊員はルッシュルト共和国軍 外人部隊にいるのでは無いかと推測しました」
伏垨が言うと新濱は軽く頷きながらiPadを返した。
「何故、外人部隊にいると?」
「ルッシュルト共和国軍 外人部隊は、いわゆるスカウト活動をしており、スカウトされ入隊してくる者の多くが拉致被害者であると突き止めました」
「拉致被害者が入隊か」
「はい。最終的にはその元幹部の男が自供しましてこの噂は、間違いないと判断しました」
伏垨が話していると防護服を着た貴内と椎津がやってきた。
「お疲れ様です」
貴内はそう言うと軽く頭を下げた。
「管理官、俺このまま消毒作業の応援行ってきます」
椎津が言うと貴内は軽く頷いた。
「それで?続けてくれ」
新濱が言うと伏垨は軽く頷いた。
「その後、部隊をルッシュルトに派遣しました。目標はただ一つ、外人部隊の基地です。そこで行方不明隊員を見つけ出し、救出を行いました。その最中に有毒気体を確認しました。行方不明隊員そして救出部隊に選出された隊員は何とかこの地に帰還しましたが駐屯地に着いたところで、初めて、詳細の説明を無線越しに受け今のような状態に繋がります」
「その有毒気体の正体は?何も分からないのか?」
新濱が聞くと国藤が口を開けた。
「今、化学科に本隊を通じて応援要請を出してます。やはり我々は素人ですのでプロをという事になりまして」
「まぁそれが無難だろうな」
新濱が話している頃、ジブチ駐屯地正門前では駐屯地警戒役を任されていた赤眞と成濱が防護服を着用し駐屯地前で立哨していた。
「運ってやつだな。俺たちが救出部隊に選出されなかったのは」
赤眞が言うと成濱は軽く頷いた。
「たまたま、トイレ行っている時に、部隊編成会議が行われていたらしいからな。あの時トイレに行ってなかったら今頃、俺達もあの中だ。感染者として苦しんでいる事だろうよ」
そう言いながら成濱は駐屯地内で横たわる感染した隊員達に目をやった。
「そうだな」
そう言いながら赤眞は構えていた銃を左腕に任せ、右腕を軽く伸び縮みさせながら欠伸した。
「お、おいちゃんと保持しておけって」
「細かいんだよ。大丈夫だって。ちょっと俺、トイレ行くわ」
「トイレ?さっきも行ってたろ?」
「ちょっとお腹壊しててさ。すぐに戻ってくるし、な?」
そう言いながら赤眞がトイレに行こうと後ろを振り向いた時だった、銃声と共に成濱がその場に倒れた。
「は?」
赤眞は倒れた成濱を見るなり口を開けたまま棒立ちになった。
数秒後、数発の銃弾がジブチ駐屯地に向け発砲された。
赤眞はすぐに正門前にある警備室に入ると防弾盾を取り出し警備室を出ると倒れた成濱のもとに駆け寄った。
「お、おい成濱、しっかりしろって。左足やられてんのか」
赤眞はすぐに成濱の左足の止血を始めた。
「10時の方向だ」
「は?」
「10時の方向に散兵確認した」
成濱が言った途端、10時の方向にある廃ビルから数弾撃ち込まれた。
「くそが。なんで」
赤眞は防弾盾を構えながら呟いた。
次の瞬間、
駐屯地内に多くの弾丸が撃ち込まれた。
「待避だ。待避。隊舎に待避。感染が確認されてない者はすぐにフル装備のうえ、駐屯地周辺の検索にかかれ」
そう叫ぶと国藤はすぐに感染者を仮設消毒部屋へと運んだ。
赤眞翔平(26)…11代目主人公 近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班 副班長 隊士長
塩崎柊斗(24)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班 副班長 3等士官
吉瀬淳也(33)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班 班長 2等士官
高濵翔盛(25)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班所属 隊士長
樋樫柊臣(25)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班所属 隊士長
成濱佑汰(26)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
伊敷煌大(22)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
崇眞稜大(22)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
前原裕季哉(25)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
芦澤柊太(36)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 2等士官
青村聡士(34)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 2等士官
澤田新太(39) …東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 1等士官
今西遙駕(52)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊 小隊長 士官長
新城彪駕(34)…警衛庁 警務隊長 2等幹士
藤浦恭介(51)…警衛庁 警務隊 総務管理官 衛幹
椎津愛虎(31)…警衛庁 警務隊 中央警務班所属 2等士官
貴内伸介(41)…警衛庁 警務隊 中央警務班 管理官 1等幹士
正随緋斗(30)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 2等士官
中森蓮仁(28)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 隊士長
河城蒼空(28)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 3等士官
天辻慶斗(30)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 3等士官
夢丸奎大(28)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 3等士官
河木涼(31)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班 管理官 2等士官
伏垨綉梧(38)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班長 1等士官
猪俣繁倖(48)…警衛庁 駐屯科長 3等将士
大須賀敦晴(45)…警衛庁 駐屯科 副科長 1等幹士
国藤尚崇(44)…警衛庁 駐屯科 巡回機動連絡部隊 部隊長 1等隊尉
坂浦聡磨(38)…警衛庁 駐屯科 巡回機動連絡部隊 管理官 3等隊尉
皇山誠士郎(30)…警衛庁 幕僚総監 第1秘書官 2等隊尉
新濱恭吾(48)…警衛庁 16代目幕僚総監
籐洲猛靖(53)…警衛庁 幕僚官房室長 幕僚補
翠谷敦也(33)…内閣府行政人事院 警衛隊総監局 局管
在暁舜也(28)…内閣府行政人事院 警衛隊総監局 局員
階級
隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監
………………………………………………………………
「間もなく、ジブチ駐屯地到着です」
「わかりました」
機長(航空科所属隊員)からの機内無線を聞き皇山はすぐに応答した。
航空機内は幕僚総監が乗ってることもあり、多くの幕僚官房室所属の隊員が乗っていた。
「総監、どうして幕僚の人間が乗ってきてるんですか?」
皇山に聞かれ新濱は軽く答えた。
「籐洲に命令されたんじゃねーのか?」
「室長ですか」
「告発したのも籐洲だろ。どうせ」
「どうして?」
「俺が総監に就任する直前まで総監に最有力候補だったのが籐洲だった。なんなら内示まで出てたという噂だ」
「そ、そうなんすね。でも何故、籐洲さんじゃなくて新濱さんが?」
「俺が提出した組織改革立案書だ。今は組織統制事項として内閣府行政人事院を通じて世間に公開されてる」
そう言いながら新濱は持っていたスマホを操作しながら渡した。
そこには、内閣府行政人事院が発表したとされる警衛隊組織統制事項と記されその下に組織内事案発生時における統制職種部隊(警務隊、幕僚官房室、運用科など組織内統制及び秩序の維持につとめる職種部隊)が行うべき指導要領について記されていた。
「これを発案したのですか?」
「総監になる為にまず何をしなければならないか。階級も到底、幕僚総監になんて届かないこの俺が唯一、籐洲に対抗できるもの。それは、不祥事が続く警衛隊で不祥事に対応する明確なマニュアルを作るのを思い浮かべた。それでそれを作った」
「なるほど」
「それが無ければ俺は総監になんてなれてなかった」
そう言うと新濱は窓の景色に目をやった。
「陸地確認、これより着陸体勢に入ります」
機内無線を聞きその場にいた隊員らは降機準備に入った。
その時だった、窓から見える駐屯地敷地内で青の防護服を身にまとった隊員達が騒がしく走ってるのが目に入った。
「お、おいあれなんだよ」
機長は窓から見える景色に目をやりながら呟いた。
「あの防護服って、汚染用じゃないすか?」
副操縦士が言うと機長は軽く目を見開いた。
「汚染用だな。あれは確かに」
機長はすぐに頭上にある機内無線ボタンを押した。
「CP.上空から異常を確認しました」
機内無線を聞き皇山は身を乗り出しながら景色に目をやった。
「わかってる。異常は既に確認済みだ」
新濱が言うと機長は軽く頷きながら応答した。
「引き返しますか?恐らく、駐屯地が汚染されてます。感染の危険性が」
「構わん。着陸しろ」
「い、いや、しかし」
「構わんと言ったろ」
そう言いながら新濱は目の前にいる翠谷に目をやった。
「ちょっと待ってください。一度、人事院に確認の連絡を取ります」
横にいた在暁が言うと翠谷はすぐに口を開けた。
「構わん。このまま着陸してください」
「な、何言ってんすか翠谷さん」
在暁は翠谷の胸ぐらを掴むと顔を近づけた。
「目を覚ましてください。感染するかもしれないんですよ。俺たちは新日本交戦規定の違反容疑があると告発を受け調査を開始した。それが何故こうなるんです?感染の危険に晒されてまで調査する必要はありません。すぐに退避するべきです。我々が怪我をするなど言語道断なのでは?」
「俺たちは不正を正す人間だ。目の前で不正があるならば何があっても許してはならない。その為にも現地に赴く必要もある。場合によっては危険に晒されることもあるという訳だ」
そう言いながら翠谷は在暁の胸ぐらを掴んだ。
「覚悟を常に持っておけ」
そう言うと翠谷は在暁の胸ぐらから手を離した。
航空機はいよいよ着陸体勢に入った。
航空機が完全に着陸すると、防護服を身にまとった伏垨と国藤は急いで航空機のもとに駆け寄った。
「俺たちが汚染する事は絶対無くせ。日本本土にウイルスを持ち込むな」
機長はそう言うと機内無線を機外無線に切り替えた。
「航空科です。連絡を入れた通り、幕僚総監、他17名を乗せてきました」
機長が言うと国藤は軽く頭を下げた。
「駐屯科です。御協力ありがとうございました。後はこちらの指揮下に入ってもらいます。全員下ろして貰った後は指揮下を航空科長にお返し致します」
国藤が言うと機長は軽く頷きながら副操縦士に目をやった。
「き、き、機長、大丈夫でしょうか?」
副操縦士は機長と目が合うなり声を震わせながら聞いた。
「感染しねーように最大限、配慮してくれるはずだ。俺たちは俺たちの任務だけに集中しよう」
「わかりました」
副操縦士が返事すると機長はドアの開閉ボタンに手を触れた。
「どうします?このまま暴露するのは避けなければ」
伏垨が言うと国藤はヘリを駐車場内に設置してある仮設消毒部屋に誘導した。
仮設消毒部屋は、常に消毒スプレー、消毒気体が流れており仮設消毒部屋はそのままカーテンがされている長い通路を辿って、隊舎に繋がっていた。
航空機を部屋に入れると機長はドアを開けた。
「お疲れ様です」
国藤と伏垨は新濱を見るなりその場で頭を下げた。
「お疲れ様。事態はどうなってる?詳しく説明してみろ」
「はい。私が説明します。ルッシュルト共和国へ行方不明隊員の捜索をすべく部隊を派遣しました」
そう言うと伏垨はiPadを新濱に渡した。
「その中で、既に報告を上げていました例の元幹部の男への取り調べで行方不明隊員はルッシュルト共和国軍 外人部隊にいるのでは無いかと推測しました」
伏垨が言うと新濱は軽く頷きながらiPadを返した。
「何故、外人部隊にいると?」
「ルッシュルト共和国軍 外人部隊は、いわゆるスカウト活動をしており、スカウトされ入隊してくる者の多くが拉致被害者であると突き止めました」
「拉致被害者が入隊か」
「はい。最終的にはその元幹部の男が自供しましてこの噂は、間違いないと判断しました」
伏垨が話していると防護服を着た貴内と椎津がやってきた。
「お疲れ様です」
貴内はそう言うと軽く頭を下げた。
「管理官、俺このまま消毒作業の応援行ってきます」
椎津が言うと貴内は軽く頷いた。
「それで?続けてくれ」
新濱が言うと伏垨は軽く頷いた。
「その後、部隊をルッシュルトに派遣しました。目標はただ一つ、外人部隊の基地です。そこで行方不明隊員を見つけ出し、救出を行いました。その最中に有毒気体を確認しました。行方不明隊員そして救出部隊に選出された隊員は何とかこの地に帰還しましたが駐屯地に着いたところで、初めて、詳細の説明を無線越しに受け今のような状態に繋がります」
「その有毒気体の正体は?何も分からないのか?」
新濱が聞くと国藤が口を開けた。
「今、化学科に本隊を通じて応援要請を出してます。やはり我々は素人ですのでプロをという事になりまして」
「まぁそれが無難だろうな」
新濱が話している頃、ジブチ駐屯地正門前では駐屯地警戒役を任されていた赤眞と成濱が防護服を着用し駐屯地前で立哨していた。
「運ってやつだな。俺たちが救出部隊に選出されなかったのは」
赤眞が言うと成濱は軽く頷いた。
「たまたま、トイレ行っている時に、部隊編成会議が行われていたらしいからな。あの時トイレに行ってなかったら今頃、俺達もあの中だ。感染者として苦しんでいる事だろうよ」
そう言いながら成濱は駐屯地内で横たわる感染した隊員達に目をやった。
「そうだな」
そう言いながら赤眞は構えていた銃を左腕に任せ、右腕を軽く伸び縮みさせながら欠伸した。
「お、おいちゃんと保持しておけって」
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「トイレ?さっきも行ってたろ?」
「ちょっとお腹壊しててさ。すぐに戻ってくるし、な?」
そう言いながら赤眞がトイレに行こうと後ろを振り向いた時だった、銃声と共に成濱がその場に倒れた。
「は?」
赤眞は倒れた成濱を見るなり口を開けたまま棒立ちになった。
数秒後、数発の銃弾がジブチ駐屯地に向け発砲された。
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「は?」
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