2 / 31
プロローグ(2)
しおりを挟む
「先生、お肉が食べたくなりました。手を放してください」
「そうか、では俺が食べさせてあげよう」
伸はローストビーフをフォークに刺すと、菜穂の口元にもっていった。
「はい、あーんして」
目の前に突き出された肉を半開きの口で受ける。
「いいね。堂々と、じっくりキミの唇を鑑賞できるね」
「先生、酔ってます?」
「いい質問だ。酔ってない!!」
う~ん、酒癖が悪いだけか。
「続きだが、イケメンというのは個人の感想であり、かなり抽象的な形容詞である。好きになった女がみな可愛いのと同じで、好ましい異性にはイケメンという表現を使うだけだ。とはいえ、いまのところ俺様は現代の基準の黄金バランスを満たしているから、正真正銘のイケメンなのだが」
まぶたを閉じたくなる。目をつむって愛撫だけを感じていたい。セクシーな声も聞いていたい。内容はこういうのじゃなくってぇ。
「だからこそ、そこにジレンマがある。スパダリはトロフィーワイフと同じで、異性の優越感をくすぐるのだろう。俺の本質を好きというわけではない。俺というスパダリを通して、勝手に自分の世界に浸っている。妄想の相手。言うなればおかずだよ」
おかずねぇ。そりゃ、先生に抱かれる妄想はしたことあるけど。
「気になる異性とは肌を合わせたくなる。触れずにはいられない。しかし、これも恋が先か、性欲が先か。キミも経験があるだろう。ふとしたはずみで肩が触れ、それから気になりだしたこととか」
偶然触れた腕に、ドキドキした記憶はある。しばらくボーっとしたことは確かにあった。
「先生、さっきから私の手をいじってますけど。それは、気になる異性だからですか?それとも性欲だけなのですか」
「性愛とはよくいったものだな。性と愛は切り離せない。驚くことに、俺はキミを抱きたくてしょうがない」
「好き、という誠意は飛ばして、いきなりヤリタイですか」
こうやって、何人もの女生徒と関係を持ったのだろうか。選び放題だもんね。
「好きといえばヤラセテくれるのか」
「さっきからいろいろシチメンドクサイ講義をしてましたけど、目的はソレだったんですか」
菜穂は、ぷーっと頬をふくらませる。あ、また感情が表にでちゃう。
「俺は常々思うのだが、日本の女性はなぜ、セックスに正義を持ち出すのだろう。ホントのところ好きかどうかもわからないのに、相思相愛という幻想の元にセックスしたがる。まあ、恋愛していると思い込んだ方がセックスは気持ちがいいからな」
「先生は好きと思いこんだ相手とセックスしたことありますか」
「当然あるさ。俺をいくつだと思っている」
一瞬の間のあとに伸が答えた。その顔に翳りがよぎったのは照明のせいだろうか。
「抱きたいから抱く。そこに男女の約束事を持ち出す方が不純な気がしないか」
これがヤリチンの常套句なのか。『花ダン』では一期一会とかいってたな。
「何が純粋で、何が不純なのかよくわからないのですが。身体だけではなく、心も受け入れてもらいたい。心身をゆだねたいんです。だから、身体だけ欲しいと言われると、女は‥‥いえ、きっと男も傷つくと思うんですよね。自分が否定されたような気になるんです。そんな人に抱かれたいとは思いません!」
「ふむ、キミは若いがなかなかいいことをいう。SMというのは、信頼関係がないとできないという。お互いの愛を確認しあう行為。でっ、結局キミは俺に抱かれたいのか、抱かれたくないのか。そこ、一番聞きたい」
そんな上気した顔で見つめられたら、すぐにもトロケちゃう。顔だけでなく身体全体が火照ってる。これも見透かされてんだろうな。
抱かれたいと自覚した時から、身体は欲しがっている。大学で見かけるたびに、心臓はバクバクし、身体の芯はジンジンうずいた。
「抱かれたいとは思いますよ。でも、先生が身体だけというならば、わたしはきっとコトの後に泣くと思います。悲しくて、寂しくて、どんなに快楽を貪っても傷ついて終わるなんて、私の黒歴史になっちゃう。未来のわたしが嫌がるようなこと、したくないんです」
「なぜそう思う?」
伸は菜穂の頬にスッと手を伸ばした。ビクンと反応したかと思うと憂い顔を見せる。
伸はそんな菜穂を抱きしめたくなる。その場限りの優しい言葉をかけるのは簡単だ。望む言葉はいくらでも頭に浮かぶ。だが、あえてそんなことは言わない。
大事な人だから。
「取引か?セックスを通した俺との関係性をはっきりさせたいのか?セックスを正当化したいのか?俺を縛りたいのか?」
「ち、ちがう!」
涙をひとすじ流しながら声を振り絞る。
誰でもいい異性に求められるのは、自分が貶められていると感じるから。自己愛の尊厳を傷つけられるから。
「なるほど、身体だけを求めるのは精神的レイプというわけかな」
先生は涙を人差し指ですくいとると、ペロッとなめた。「しょっぱいね」
ワインを口に含み、ごくっと飲み干す。喉ぼとけの動きまで見てしまった。
サアッと波が引くように空気が変わった。汗ばむような春の陽射しが急に陰ったような。
ああ、呆れたんだな。気まぐれで仔猫をからかってみたが、めんどくさくなったのだろう。眼差しもゼミ室で見るような温和なものに変わってしまった。
これはこれで物足りなく、心がぽっかり空いたような寂しさをおぼえた。
どちらを買うか悩んだ時は、どちらを選んでも後悔する。
友人がいった言葉が響いてくる。
ああ、確かにそうだ。どちらを選んでも満たされないんだろう。
差し障りのない会話でテーブルの料理をたいらげる。おもしろいな。お互い興味のない話を、無難という理由だけでえんえんと続ける。
接待ってこんなんなのだろうか。仲のよいフリ。退屈な時間をともに過ごした戦友。言葉だけが車窓の風景のように通り過ぎていく。
「退屈か?」
「えっ」
気づかぬうちにフォークでお皿をつついていた。小さなレタスがフォークとダンスを踊っている。
やった後悔、やらなかった後悔。あ、今はやる後悔。やらない後悔か。ずっとそればかり考えていた。この機会を逃したら先生に抱かれることもないだろう。もう手遅れかもしれないけど。
「いえ、このレタスがつかまえられないんです」
「そういう時は、」
先生が指でつまんで口に入れた。
「俺は、誰かのためのマナーより、生産した人の想いと作った人に敬意をこめて、美味しさを堪能したいね」
改まった席ではやらないがね、と言い、ニコリと笑った。
親密な空気がまたふわっと漂った。
すごいな、笑顔ひとつで場の空気を変えるなんて。マジシャンみたいだ。
半開きの口で菜穂はまじまじと伸を見つめる。
「先生!わたし抱かれたいです!」
思わず口をついてでた。パッと下を向き、膝の上に置いた手を意味なくグーパーしていた。
微熱がそう言わせたのか。メスの本能が言わせたのか。いずれにしても市販の解熱剤では下がりそうもない。
どうなるの?先生はなんて言うの?今、どんな顔しているの?
時間にしてわずかだが、返事が待てず顔をあげようとしたところで、フサッと頭をなでられた。菜穂をとろかすに十分な微笑みがそこにあった。
「焦らなくていいさ。俺も煽り過ぎた。悪かった」
伸が会計をすませている間、菜穂は外に出て風にあたっていた。視界がゆらぎ、車のヘッドライトがにじんで見える。涙がとめどなくあふれていた。
「お待たせ」
反射的に振り返ると、先生が息を呑んだのがわかった。半ば放心状態で涙をボロボロ流してしまっている。取り繕う気にもならない。
手が伸び、目尻の涙をなぞられたかと思うと、肩を抱き寄せられた。
「泣かせるつもりはなかった。悪かった。渋谷まで歩こう。もう少しキミの余韻を感じていたい」
なんか、言い方がずるい。抱きたいと言ったかと思うと拒否られ、次には気のあるそぶり。これって、焦らされてるの??
人通りが減った青山通りを寄り添いながらゆっくりと歩く。
「不機嫌そうだね。ああ、可愛いなキミは、ホントに」
立ち止まって睨むと、顔がおおいかぶさってきた。離れようとしたが、反対に強く抱きしめられた。
唇がゆっくりと触れてきた。身体の奧から熱いものがあふれてくる。唇を吸われ、脱力したとたんに舌がぬるっと滑り込んできた。
「先生、ずるい」
「そうかな」
「抱いてくれないのに、キスするなんて」
「抱かないとは言ってないだろう」
「キスでわたしをキープしたつもり?」
「キスだって、セックスだって、誰もキープできないだろう。おかしなことを言うね」
菜穂は口をとがらせる。「なんか、結局ずるい!」
「そんなトロンとした顔をして、ああ、やっぱり離れがたいな」
背中に回された腕の力が弱まり、唇が離れた。
「タクシーを拾って最寄りのホテルというのも芸がないような。まあ、年上の男としてスマートだけど」
チラリとこちらを見る。
「渋谷のラブホテル街に連れていってもいいけど、どうしようかな」
手を力強くつかまえられ、菜穂はうつむく。セックス前提のやり取りが恥ずかしくて、顔をあげられない。
「からかいすぎたかな。ごめん、ごめん」
伸の指が頬をなぞり、やがてそっと唇に触れてきた。唇を開かれ指が入ってくると、菜穂は思いきり吸った。
「ああ、なんてセクシーな顔なんだ。あんまり煽らないでくれよ。参ったな。キミか俺の部屋に行きたかったけど、我慢できなさそうだね。近いホテルに行こう」
俺も我慢できなくなったしとつぶやき、唾液がからまるようなキスをしてきた。
激しい舌の動きに菜穂の全身が小刻みに震えた。
これからセックスするんだ!
「そうか、では俺が食べさせてあげよう」
伸はローストビーフをフォークに刺すと、菜穂の口元にもっていった。
「はい、あーんして」
目の前に突き出された肉を半開きの口で受ける。
「いいね。堂々と、じっくりキミの唇を鑑賞できるね」
「先生、酔ってます?」
「いい質問だ。酔ってない!!」
う~ん、酒癖が悪いだけか。
「続きだが、イケメンというのは個人の感想であり、かなり抽象的な形容詞である。好きになった女がみな可愛いのと同じで、好ましい異性にはイケメンという表現を使うだけだ。とはいえ、いまのところ俺様は現代の基準の黄金バランスを満たしているから、正真正銘のイケメンなのだが」
まぶたを閉じたくなる。目をつむって愛撫だけを感じていたい。セクシーな声も聞いていたい。内容はこういうのじゃなくってぇ。
「だからこそ、そこにジレンマがある。スパダリはトロフィーワイフと同じで、異性の優越感をくすぐるのだろう。俺の本質を好きというわけではない。俺というスパダリを通して、勝手に自分の世界に浸っている。妄想の相手。言うなればおかずだよ」
おかずねぇ。そりゃ、先生に抱かれる妄想はしたことあるけど。
「気になる異性とは肌を合わせたくなる。触れずにはいられない。しかし、これも恋が先か、性欲が先か。キミも経験があるだろう。ふとしたはずみで肩が触れ、それから気になりだしたこととか」
偶然触れた腕に、ドキドキした記憶はある。しばらくボーっとしたことは確かにあった。
「先生、さっきから私の手をいじってますけど。それは、気になる異性だからですか?それとも性欲だけなのですか」
「性愛とはよくいったものだな。性と愛は切り離せない。驚くことに、俺はキミを抱きたくてしょうがない」
「好き、という誠意は飛ばして、いきなりヤリタイですか」
こうやって、何人もの女生徒と関係を持ったのだろうか。選び放題だもんね。
「好きといえばヤラセテくれるのか」
「さっきからいろいろシチメンドクサイ講義をしてましたけど、目的はソレだったんですか」
菜穂は、ぷーっと頬をふくらませる。あ、また感情が表にでちゃう。
「俺は常々思うのだが、日本の女性はなぜ、セックスに正義を持ち出すのだろう。ホントのところ好きかどうかもわからないのに、相思相愛という幻想の元にセックスしたがる。まあ、恋愛していると思い込んだ方がセックスは気持ちがいいからな」
「先生は好きと思いこんだ相手とセックスしたことありますか」
「当然あるさ。俺をいくつだと思っている」
一瞬の間のあとに伸が答えた。その顔に翳りがよぎったのは照明のせいだろうか。
「抱きたいから抱く。そこに男女の約束事を持ち出す方が不純な気がしないか」
これがヤリチンの常套句なのか。『花ダン』では一期一会とかいってたな。
「何が純粋で、何が不純なのかよくわからないのですが。身体だけではなく、心も受け入れてもらいたい。心身をゆだねたいんです。だから、身体だけ欲しいと言われると、女は‥‥いえ、きっと男も傷つくと思うんですよね。自分が否定されたような気になるんです。そんな人に抱かれたいとは思いません!」
「ふむ、キミは若いがなかなかいいことをいう。SMというのは、信頼関係がないとできないという。お互いの愛を確認しあう行為。でっ、結局キミは俺に抱かれたいのか、抱かれたくないのか。そこ、一番聞きたい」
そんな上気した顔で見つめられたら、すぐにもトロケちゃう。顔だけでなく身体全体が火照ってる。これも見透かされてんだろうな。
抱かれたいと自覚した時から、身体は欲しがっている。大学で見かけるたびに、心臓はバクバクし、身体の芯はジンジンうずいた。
「抱かれたいとは思いますよ。でも、先生が身体だけというならば、わたしはきっとコトの後に泣くと思います。悲しくて、寂しくて、どんなに快楽を貪っても傷ついて終わるなんて、私の黒歴史になっちゃう。未来のわたしが嫌がるようなこと、したくないんです」
「なぜそう思う?」
伸は菜穂の頬にスッと手を伸ばした。ビクンと反応したかと思うと憂い顔を見せる。
伸はそんな菜穂を抱きしめたくなる。その場限りの優しい言葉をかけるのは簡単だ。望む言葉はいくらでも頭に浮かぶ。だが、あえてそんなことは言わない。
大事な人だから。
「取引か?セックスを通した俺との関係性をはっきりさせたいのか?セックスを正当化したいのか?俺を縛りたいのか?」
「ち、ちがう!」
涙をひとすじ流しながら声を振り絞る。
誰でもいい異性に求められるのは、自分が貶められていると感じるから。自己愛の尊厳を傷つけられるから。
「なるほど、身体だけを求めるのは精神的レイプというわけかな」
先生は涙を人差し指ですくいとると、ペロッとなめた。「しょっぱいね」
ワインを口に含み、ごくっと飲み干す。喉ぼとけの動きまで見てしまった。
サアッと波が引くように空気が変わった。汗ばむような春の陽射しが急に陰ったような。
ああ、呆れたんだな。気まぐれで仔猫をからかってみたが、めんどくさくなったのだろう。眼差しもゼミ室で見るような温和なものに変わってしまった。
これはこれで物足りなく、心がぽっかり空いたような寂しさをおぼえた。
どちらを買うか悩んだ時は、どちらを選んでも後悔する。
友人がいった言葉が響いてくる。
ああ、確かにそうだ。どちらを選んでも満たされないんだろう。
差し障りのない会話でテーブルの料理をたいらげる。おもしろいな。お互い興味のない話を、無難という理由だけでえんえんと続ける。
接待ってこんなんなのだろうか。仲のよいフリ。退屈な時間をともに過ごした戦友。言葉だけが車窓の風景のように通り過ぎていく。
「退屈か?」
「えっ」
気づかぬうちにフォークでお皿をつついていた。小さなレタスがフォークとダンスを踊っている。
やった後悔、やらなかった後悔。あ、今はやる後悔。やらない後悔か。ずっとそればかり考えていた。この機会を逃したら先生に抱かれることもないだろう。もう手遅れかもしれないけど。
「いえ、このレタスがつかまえられないんです」
「そういう時は、」
先生が指でつまんで口に入れた。
「俺は、誰かのためのマナーより、生産した人の想いと作った人に敬意をこめて、美味しさを堪能したいね」
改まった席ではやらないがね、と言い、ニコリと笑った。
親密な空気がまたふわっと漂った。
すごいな、笑顔ひとつで場の空気を変えるなんて。マジシャンみたいだ。
半開きの口で菜穂はまじまじと伸を見つめる。
「先生!わたし抱かれたいです!」
思わず口をついてでた。パッと下を向き、膝の上に置いた手を意味なくグーパーしていた。
微熱がそう言わせたのか。メスの本能が言わせたのか。いずれにしても市販の解熱剤では下がりそうもない。
どうなるの?先生はなんて言うの?今、どんな顔しているの?
時間にしてわずかだが、返事が待てず顔をあげようとしたところで、フサッと頭をなでられた。菜穂をとろかすに十分な微笑みがそこにあった。
「焦らなくていいさ。俺も煽り過ぎた。悪かった」
伸が会計をすませている間、菜穂は外に出て風にあたっていた。視界がゆらぎ、車のヘッドライトがにじんで見える。涙がとめどなくあふれていた。
「お待たせ」
反射的に振り返ると、先生が息を呑んだのがわかった。半ば放心状態で涙をボロボロ流してしまっている。取り繕う気にもならない。
手が伸び、目尻の涙をなぞられたかと思うと、肩を抱き寄せられた。
「泣かせるつもりはなかった。悪かった。渋谷まで歩こう。もう少しキミの余韻を感じていたい」
なんか、言い方がずるい。抱きたいと言ったかと思うと拒否られ、次には気のあるそぶり。これって、焦らされてるの??
人通りが減った青山通りを寄り添いながらゆっくりと歩く。
「不機嫌そうだね。ああ、可愛いなキミは、ホントに」
立ち止まって睨むと、顔がおおいかぶさってきた。離れようとしたが、反対に強く抱きしめられた。
唇がゆっくりと触れてきた。身体の奧から熱いものがあふれてくる。唇を吸われ、脱力したとたんに舌がぬるっと滑り込んできた。
「先生、ずるい」
「そうかな」
「抱いてくれないのに、キスするなんて」
「抱かないとは言ってないだろう」
「キスでわたしをキープしたつもり?」
「キスだって、セックスだって、誰もキープできないだろう。おかしなことを言うね」
菜穂は口をとがらせる。「なんか、結局ずるい!」
「そんなトロンとした顔をして、ああ、やっぱり離れがたいな」
背中に回された腕の力が弱まり、唇が離れた。
「タクシーを拾って最寄りのホテルというのも芸がないような。まあ、年上の男としてスマートだけど」
チラリとこちらを見る。
「渋谷のラブホテル街に連れていってもいいけど、どうしようかな」
手を力強くつかまえられ、菜穂はうつむく。セックス前提のやり取りが恥ずかしくて、顔をあげられない。
「からかいすぎたかな。ごめん、ごめん」
伸の指が頬をなぞり、やがてそっと唇に触れてきた。唇を開かれ指が入ってくると、菜穂は思いきり吸った。
「ああ、なんてセクシーな顔なんだ。あんまり煽らないでくれよ。参ったな。キミか俺の部屋に行きたかったけど、我慢できなさそうだね。近いホテルに行こう」
俺も我慢できなくなったしとつぶやき、唾液がからまるようなキスをしてきた。
激しい舌の動きに菜穂の全身が小刻みに震えた。
これからセックスするんだ!
5
あなたにおすすめの小説
結婚式に代理出席したら花嫁になっちゃいました
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
美希は平日派遣の事務仕事をしているが、暇な土日に便利屋のバイトをしている。ある日、結婚式の友人の代理出席をする予定で式場にいたのに!?
本編は完結してますが、色々描き足りなかったので、第2章も書いています。
狼隊長さんは、私のやわはだのトリコになりました。
汐瀬うに
恋愛
目が覚めたら、そこは獣人たちの国だった。
元看護師の百合は、この世界では珍しい“ヒト”として、狐の婆さんが仕切る風呂屋で働くことになる。
与えられた仕事は、獣人のお客を湯に通し、その体を洗ってもてなすこと。
本来ならこの先にあるはずの行為まで求められてもおかしくないのに、百合の素肌で背中を撫でられた獣人たちは、皆ふわふわの毛皮を揺らして眠りに落ちてしまうのだった。
人間の肌は、獣人にとって子犬の毛並みのようなもの――そう気づいた時には、百合は「眠りを売る“やわはだ嬢”」として静かな人気者になっていた。
そんな百合の元へある日、一つの依頼が舞い込む。
「眠れない狼隊長を、あんたの手で眠らせてやってほしい」
戦場の静けさに怯え、目を閉じれば仲間の最期がよみがえる狼隊長ライガ。
誰よりも強くあろうとする男の震えに触れた百合は、自分もまた失った人を忘れられずにいることを思い出す。
やわらかな人肌と、眠れない心。
静けさを怖がるふたりが、湯気の向こうで少しずつ寄り添っていく、獣人×ヒトの異世界恋愛譚。
[こちらは以前あげていた「やわはだの、お風呂やさん」の改稿ver.になります]
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
腹黒上司が実は激甘だった件について。
あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。
彼はヤバいです。
サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。
まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。
本当に厳しいんだから。
ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。
マジで?
意味不明なんだけど。
めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。
素直に甘えたいとさえ思った。
だけど、私はその想いに応えられないよ。
どうしたらいいかわからない…。
**********
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
この溺愛は契約外です~恋焦がれた外科医から愛し愛されるまで~
水羽 凛
恋愛
不幸な境遇を生きる健気な女性花名は母親の治療費と引き換えに外科医である純正の身の回りの世話をすることになる。恋心を隠せない花名に純正は……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる