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二人の初めての共同作業やね
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「やっぱ、この水族館の目玉はクロマグロやんなー!あ、この時間になるとそろそろエサなんで、ペンギンどもがソワソワ騒ぎ出してな。それと、このマンボウは他よりも活発に動いて…」
腐っても…いえ、流石は飼育員志望と言えるでしょうか。大雅くんは、水族館に入った途端イキイキと解説を始めました。彼の方が、よっぽど「活発に動いて」と言う表現が相応しい。
僕も僕で、こう言うデートスポットを巡るのは久々なので…。何だかんだ、ちょっとテンションが上がってきちゃいました。後で、こっそり魚にエサやりさせてもらえるらしいし。周りに男女のカップルが多い以外、特に気にする事もなく彼に付いて回っていました。ところが…。
「あ、イルカさん勃起しとるー!解説するで。イルカさんはペ○スに関しても独特な性質があって、人間の手みたいにグルグル回転するんやね。これによって、メスの迷路のような○の奥まで到達出来る訳。あと、人間と同じで快楽のためにも頻繁に交尾して、オス同士でも…」
あっこれ、水族館デートするBL漫画で見た所だ!本当に、イルカさんってそうなるんだぁ。…って、呑気に感想言ってる場合じゃねぇ!ただでさえ男同士で目立ってるのに、周りからの視線が耐えられなくなってきた。これはマズい。
彼の言葉が聞こえなかった振りして、少し先に進んでいよう。水族館は一本道なので、そのうち合流出来る筈…。と、歩調を早めていると。
『…八尋?』
『…やっぱり八尋だよ。○○ゼミの、オカマ野郎』
小声で、僕の名を呼んで噂する声が聞こえてきました。これは、同じ大学で同じ学部の…。言うて、入学以来一度も言葉を交わした機会はありません。ただ、僕の事を目の敵にしているらしい。僕がゲイである事を、ひと目で見抜いてきたようなんですよね。本当に、何でなんでしょう。顔にでも、文字で書いてあるのかな。こう言う連中がいるから、普段からマスクを外す訳に行かないんです…。
『…やっぱ、ホモだよあいつ。男同士で、水族館デートとか…。明日になったら、学部中に言いふらして…』
耐え切れなくなって、さらに歩調を速めその場を去ろうとしました。そしたら、背後から突然腕を掴まれました。どうやら、今の会話を聞いて追いかけて来てくれたらしい。気持ちは嬉しいけど、これまたややこしい場面で出くわしたもんだな…。
「どうしたんや、やっひー?よぅ聞こえへんかってけど、今の奴に苛められてんのか!?」
どこまで聞こえていたものか、とりあえずホモがどうとか言う部分は伏せておいた方が賢明でしょう。
「…大学生に、苛めとかないから。ただちょっと、入学当初からウマが合わないだけだよ。何だか彼の恋人さんが、僕に一目惚れしたとかしなかったとか…」
これは、嘘ではありません。彼女を奪われそうになったとかで、逆恨みされているようなんですよね。ちなみにその彼女さんとは、とっくの昔に別れたようですが。昔から王子様タイプの外見と言われますが、それで得した記憶がカケラもありません。こう言う、面倒くさい事ばかり起こるからなんですよね。
「そうなんか?ってか、知ってるでアイツ。前にバイトしてたカフェの女の子が、付き合ってたけど一方的に捨てられたとか。その他にも、女とっかえひっかえしてるとか悪い噂ばっかり聞くで。やっひーも言われっ放しやのぅて、ガツンと一発言い返したらんかい!」
「…直接何かを言われた訳でもないので、言い返すも何も。それに、こんな女の子みたいな声でガツンと言ったってねぇ…」
「声の高さは、関係ないやろうが!あぁ、まだるっこしいやっちゃな!そしたら、代わりにキツーいのを一発くれてやらんと」
「ぼ、暴力は駄目だよ!親父にも、殴られた事ないし…。ってか、大雅くんも駄目だ!そんなだから、ゴミ捨て場で倒れる事になるんだよ」
そう言うと、大雅くんはニヤリと笑って悪ーい顔をしました。
「なーに。誰も暴力とは、一言も言うてへんよ。ただ思い上がったお坊ちゃんに、ここらで一つお灸を据えてやらんとなぁ。やっひーとオレの才能を活かした、二人の初めての共同作業やね」
あ、これアカンやつや。つい関西弁がうつりましたが、つまりはそれくらい嫌な予感がしました。何だか知らないけど、きっと無理矢理やらされるんだろうなぁ…。
腐っても…いえ、流石は飼育員志望と言えるでしょうか。大雅くんは、水族館に入った途端イキイキと解説を始めました。彼の方が、よっぽど「活発に動いて」と言う表現が相応しい。
僕も僕で、こう言うデートスポットを巡るのは久々なので…。何だかんだ、ちょっとテンションが上がってきちゃいました。後で、こっそり魚にエサやりさせてもらえるらしいし。周りに男女のカップルが多い以外、特に気にする事もなく彼に付いて回っていました。ところが…。
「あ、イルカさん勃起しとるー!解説するで。イルカさんはペ○スに関しても独特な性質があって、人間の手みたいにグルグル回転するんやね。これによって、メスの迷路のような○の奥まで到達出来る訳。あと、人間と同じで快楽のためにも頻繁に交尾して、オス同士でも…」
あっこれ、水族館デートするBL漫画で見た所だ!本当に、イルカさんってそうなるんだぁ。…って、呑気に感想言ってる場合じゃねぇ!ただでさえ男同士で目立ってるのに、周りからの視線が耐えられなくなってきた。これはマズい。
彼の言葉が聞こえなかった振りして、少し先に進んでいよう。水族館は一本道なので、そのうち合流出来る筈…。と、歩調を早めていると。
『…八尋?』
『…やっぱり八尋だよ。○○ゼミの、オカマ野郎』
小声で、僕の名を呼んで噂する声が聞こえてきました。これは、同じ大学で同じ学部の…。言うて、入学以来一度も言葉を交わした機会はありません。ただ、僕の事を目の敵にしているらしい。僕がゲイである事を、ひと目で見抜いてきたようなんですよね。本当に、何でなんでしょう。顔にでも、文字で書いてあるのかな。こう言う連中がいるから、普段からマスクを外す訳に行かないんです…。
『…やっぱ、ホモだよあいつ。男同士で、水族館デートとか…。明日になったら、学部中に言いふらして…』
耐え切れなくなって、さらに歩調を速めその場を去ろうとしました。そしたら、背後から突然腕を掴まれました。どうやら、今の会話を聞いて追いかけて来てくれたらしい。気持ちは嬉しいけど、これまたややこしい場面で出くわしたもんだな…。
「どうしたんや、やっひー?よぅ聞こえへんかってけど、今の奴に苛められてんのか!?」
どこまで聞こえていたものか、とりあえずホモがどうとか言う部分は伏せておいた方が賢明でしょう。
「…大学生に、苛めとかないから。ただちょっと、入学当初からウマが合わないだけだよ。何だか彼の恋人さんが、僕に一目惚れしたとかしなかったとか…」
これは、嘘ではありません。彼女を奪われそうになったとかで、逆恨みされているようなんですよね。ちなみにその彼女さんとは、とっくの昔に別れたようですが。昔から王子様タイプの外見と言われますが、それで得した記憶がカケラもありません。こう言う、面倒くさい事ばかり起こるからなんですよね。
「そうなんか?ってか、知ってるでアイツ。前にバイトしてたカフェの女の子が、付き合ってたけど一方的に捨てられたとか。その他にも、女とっかえひっかえしてるとか悪い噂ばっかり聞くで。やっひーも言われっ放しやのぅて、ガツンと一発言い返したらんかい!」
「…直接何かを言われた訳でもないので、言い返すも何も。それに、こんな女の子みたいな声でガツンと言ったってねぇ…」
「声の高さは、関係ないやろうが!あぁ、まだるっこしいやっちゃな!そしたら、代わりにキツーいのを一発くれてやらんと」
「ぼ、暴力は駄目だよ!親父にも、殴られた事ないし…。ってか、大雅くんも駄目だ!そんなだから、ゴミ捨て場で倒れる事になるんだよ」
そう言うと、大雅くんはニヤリと笑って悪ーい顔をしました。
「なーに。誰も暴力とは、一言も言うてへんよ。ただ思い上がったお坊ちゃんに、ここらで一つお灸を据えてやらんとなぁ。やっひーとオレの才能を活かした、二人の初めての共同作業やね」
あ、これアカンやつや。つい関西弁がうつりましたが、つまりはそれくらい嫌な予感がしました。何だか知らないけど、きっと無理矢理やらされるんだろうなぁ…。
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