19 / 29
例の奴らに、追われているんや
しおりを挟む
言った通り少し仮眠室で休んでから、職場を後にしました。就業時間は過ぎているので、大雅くんはとっくの昔に帰っているでしょう。
帰り際、武市SVが心配して声をかけてくれました。こう言う、気遣いの出来る所がいいですよね。大丈夫だって、手を振りながら答えましたよ。あなたこそ、終電大丈夫なんですかって思いながら。おそらくは、今日も逃した事でしょう。どうやって帰るのかは、定かでありません。深夜勤のシフトがあった時代は、ほぼ毎日ほど仮眠室で夜を越していたと聞いています。
僕はマンションまで歩いて帰られる距離なので、本当に良かった。元より、それを見越して選んだ職場ではありますが。また今日の一件でも、多少足を捻りましたが頭を強く打たなかったようで良かった。普通に、歩いて帰れそうです。
さて、大雅くんがお腹を空かせて待っている筈だ。早く帰って、晩ごはんを作ってあげないと。支度をお願いはしましたが、食材を出してもらう程度の事なんです…。こう言うのも、適材適所って言うんですかね。役に立てるなら、それはそれで嬉しいです。
夜道を歩きながら、大雅くんと初めて会った時の事を思い出していました。懐かしいなぁ。あれからまだ、何ヶ月も経ってはいない。あの時は仕事でなく飲み会帰りだったけど、ちょうどこんな感じの夜だった。例のゴミ捨て場を通りかかったら、また大雅くんが倒れていたりして…?何て事を考えながら、歩いていると。
突然、後ろの方から足音がして腕を掴まれました。また遠くの方からですが、複数の男らしき足音が聞こえてくる。
「大雅くん?とっくの昔に、帰ってた筈じゃ?」
「うぅ…やっひーか。情けないで、助けてくれ。例の奴らに、追われているんや…。もう、ダメかも知れへん」
「そんな、青○アミーゴみたいな話なの…?」
突っ込みの終わらぬうちに、例の足音が追いついて僕らを取り囲みました。複数人の、屈強な男たちです。ぐへへ、と言っていたかは定かでありません。直感ですが、大雅くんと初めて会った日もおそらくはこいつらに追われていたのでしょう。
「やっひーは、関係あれへん。ここは、オレに任せて逃げるんや…」
「そんな、大雅くんを一人置いて逃げるなんて。多勢に無勢って、昔から言うでしょう。また、ゴミ捨て場に転がる事になっちゃうよ…」
男たちは、僕らを取り囲んでゆっくりと間合いを詰めてきます。仕方ない。この手は使いたくありませんでしたが、ここは久々に僕の特技を使う事としましょう。そう思って、ゆっくりと息を吸い込んでから声を大にして叫びました。
「きゃあああああ~!助けて、おさわりまん…。じゃなくて、おまわりさんこっちです!こっちに、不審な男たちが…」
こう言う時だけは、女声で良かったと本当に思う。僕の叫び声が夜道を響き渡った後、周りの建物の窓から次々と照明がつくのを確認しました。この中の、何軒かは警察に通報してくれたと信じたい。
男たちは、舌打ちをして散り散りに逃げていった。地元の福岡にいた時から、僕の切り札として控えていた最終手段です。果たして、どう言う状況で使っていたのかは秘密。
そして遠目ですが、男たちとは別に夜道に紛れて逃げる一人の女性を確認しました。ホラー映画の貞子さんじみた、黒髪ロングヘアーの女性。だいぶ肌寒くなってきたので、流石にワンピースではないですが。大雅くんと初めて会った日、彼の下宿の近くに立っていた女性と思われます。
「大雅くん、説明してくれ。一体、どう言う事なんだ?追われているって、一体何をして…」
「うぅ…やっひー。それだけは…。今は、言う訳にはいかんのや。いずれ、回を追うごとに明らかになって行くやろう…」
「実は、作者もまだ展開を考えてないだけだったりして」
「当たっているだけに、辛い」
帰り際、武市SVが心配して声をかけてくれました。こう言う、気遣いの出来る所がいいですよね。大丈夫だって、手を振りながら答えましたよ。あなたこそ、終電大丈夫なんですかって思いながら。おそらくは、今日も逃した事でしょう。どうやって帰るのかは、定かでありません。深夜勤のシフトがあった時代は、ほぼ毎日ほど仮眠室で夜を越していたと聞いています。
僕はマンションまで歩いて帰られる距離なので、本当に良かった。元より、それを見越して選んだ職場ではありますが。また今日の一件でも、多少足を捻りましたが頭を強く打たなかったようで良かった。普通に、歩いて帰れそうです。
さて、大雅くんがお腹を空かせて待っている筈だ。早く帰って、晩ごはんを作ってあげないと。支度をお願いはしましたが、食材を出してもらう程度の事なんです…。こう言うのも、適材適所って言うんですかね。役に立てるなら、それはそれで嬉しいです。
夜道を歩きながら、大雅くんと初めて会った時の事を思い出していました。懐かしいなぁ。あれからまだ、何ヶ月も経ってはいない。あの時は仕事でなく飲み会帰りだったけど、ちょうどこんな感じの夜だった。例のゴミ捨て場を通りかかったら、また大雅くんが倒れていたりして…?何て事を考えながら、歩いていると。
突然、後ろの方から足音がして腕を掴まれました。また遠くの方からですが、複数の男らしき足音が聞こえてくる。
「大雅くん?とっくの昔に、帰ってた筈じゃ?」
「うぅ…やっひーか。情けないで、助けてくれ。例の奴らに、追われているんや…。もう、ダメかも知れへん」
「そんな、青○アミーゴみたいな話なの…?」
突っ込みの終わらぬうちに、例の足音が追いついて僕らを取り囲みました。複数人の、屈強な男たちです。ぐへへ、と言っていたかは定かでありません。直感ですが、大雅くんと初めて会った日もおそらくはこいつらに追われていたのでしょう。
「やっひーは、関係あれへん。ここは、オレに任せて逃げるんや…」
「そんな、大雅くんを一人置いて逃げるなんて。多勢に無勢って、昔から言うでしょう。また、ゴミ捨て場に転がる事になっちゃうよ…」
男たちは、僕らを取り囲んでゆっくりと間合いを詰めてきます。仕方ない。この手は使いたくありませんでしたが、ここは久々に僕の特技を使う事としましょう。そう思って、ゆっくりと息を吸い込んでから声を大にして叫びました。
「きゃあああああ~!助けて、おさわりまん…。じゃなくて、おまわりさんこっちです!こっちに、不審な男たちが…」
こう言う時だけは、女声で良かったと本当に思う。僕の叫び声が夜道を響き渡った後、周りの建物の窓から次々と照明がつくのを確認しました。この中の、何軒かは警察に通報してくれたと信じたい。
男たちは、舌打ちをして散り散りに逃げていった。地元の福岡にいた時から、僕の切り札として控えていた最終手段です。果たして、どう言う状況で使っていたのかは秘密。
そして遠目ですが、男たちとは別に夜道に紛れて逃げる一人の女性を確認しました。ホラー映画の貞子さんじみた、黒髪ロングヘアーの女性。だいぶ肌寒くなってきたので、流石にワンピースではないですが。大雅くんと初めて会った日、彼の下宿の近くに立っていた女性と思われます。
「大雅くん、説明してくれ。一体、どう言う事なんだ?追われているって、一体何をして…」
「うぅ…やっひー。それだけは…。今は、言う訳にはいかんのや。いずれ、回を追うごとに明らかになって行くやろう…」
「実は、作者もまだ展開を考えてないだけだったりして」
「当たっているだけに、辛い」
0
あなたにおすすめの小説
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
人気作家は売り専男子を抱き枕として独占したい
白妙スイ@1/9新刊発売
BL
八架 深都は好奇心から売り専のバイトをしている大学生。
ある日、不眠症の小説家・秋木 晴士から指名が入る。
秋木の家で深都はもこもこの部屋着を着せられて、抱きもせず添い寝させられる。
戸惑った深都だったが、秋木は気に入ったと何度も指名してくるようになって……。
●八架 深都(はちか みと)
20歳、大学2年生
好奇心旺盛な性格
●秋木 晴士(あきぎ せいじ)
26歳、小説家
重度の不眠症らしいが……?
※性的描写が含まれます
完結いたしました!
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
経理部の美人チーフは、イケメン新人営業に口説かれています――「凛さん、俺だけに甘くないですか?」年下の猛攻にツンデレ先輩が陥落寸前!
中岡 始
BL
社内一の“整いすぎた男”、阿波座凛(あわざりん)は経理部のチーフ。
無表情・無駄のない所作・隙のない資料――
完璧主義で知られる凛に、誰もが一歩距離を置いている。
けれど、新卒営業の谷町光だけは違った。
イケメン・人懐こい・書類はギリギリ不備、でも笑顔は無敵。
毎日のように経費精算の修正を理由に現れる彼は、
凛にだけ距離感がおかしい――そしてやたら甘い。
「また会えて嬉しいです。…書類ミスった甲斐ありました」
戸惑う凛をよそに、光の“攻略”は着実に進行中。
けれど凛は、自分だけに見せる光の視線に、
どこか“計算”を感じ始めていて……?
狙って懐くイケメン新人営業×こじらせツンデレ美人経理チーフ
業務上のやりとりから始まる、じわじわ甘くてときどき切ない“再計算不能”なオフィスラブ!
地味メガネだと思ってた同僚が、眼鏡を外したら国宝級でした~無愛想な美人と、チャラ営業のすれ違い恋愛
中岡 始
BL
誰にも気づかれたくない。
誰の心にも触れたくない。
無表情と無関心を盾に、オフィスの隅で静かに生きる天王寺悠(てんのうじ・ゆう)。
その存在に、誰も興味を持たなかった――彼を除いて。
明るく人懐こい営業マン・梅田隼人(うめだ・はやと)は、
偶然見た「眼鏡を外した天王寺」の姿に、衝撃を受ける。
無機質な顔の奥に隠れていたのは、
誰よりも美しく、誰よりも脆い、ひとりの青年だった。
気づいてしまったから、もう目を逸らせない。
知りたくなったから、もう引き返せない。
すれ違いと無関心、
優しさと孤独、
微かな笑顔と、隠された心。
これは、
触れれば壊れそうな彼に、
それでも手を伸ばしてしまった、
不器用な男たちの恋のはなし。
僕たち、結婚することになりました
リリーブルー
BL
俺は、なぜか知らないが、会社の後輩(♂)と結婚することになった!
後輩はモテモテな25歳。
俺は37歳。
笑えるBL。ラブコメディ💛
fujossyの結婚テーマコンテスト応募作です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる