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1章 異世界へ
苦い経験 1
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馬車でカナデたち3人が眠ってから数時間後。
ルナさんとの交代時間がやってきたため、俺は馬車に入る。
そして皆んなを起こさないよう小声でルナさんへ声をかける。
「ルナさん、起きてください」
「んん…」
しかし起きる気配はない。
今度は毛布の上から身体を揺すりつつ声をかける。
「ルナさん、起きてください」
「んん……もうちょっとだけ……シャンリン……」
どうやら俺のことをシャンリンさんだと思っているようで、一向に起きない。
そのため先ほどよりも強く揺すってみる。
「ルナさーん。起きて……」
「んーっ」
「っ!」
何を思ったのか、ルナさんが俺の身体に抱きつき自身の毛布へ引き込む。
「ル、ルナさん!?」
「すぅ……すぅ……」
「って起きないし!」
今の俺は毛布の中でルナさんに抱きしめられており、ルナさんの抱き枕となって一緒に寝ている状況だ。
(色々と柔らかいし良い匂いもするし……)
振り解こうとするがSランク冒険者のルナさんを怪我なく振り払うことが難しく、頭がショートしそうになる。
(てか、ルナさんって可愛いな)
至近距離からルナさんの顔を見ることとなり、無防備な寝顔を凝視してしまう。
永遠に眺め続けることのできるくらい可愛いらしい寝顔をしており、ルナさんの寝顔から目が離せない。
そのタイミングで……
「……お兄ちゃん。何してるの?」
「っ!」
近くから妹の声が聞こえてきた。
そのため抱きつかれていることで動かしにくい首を懸命に動かしてカナデの方を見ると、ジト目で俺のことを見ていた。
「ルナさんが可愛いからって寝込みを襲うのはどうかと思うよ?」
「違うから。いや、この状況なら説得力皆無だけど違うから。俺、ルナさんを起こしに来ただけだから」
「ふーん」
「お兄ちゃん、嘘言ってないよ?だから、その目をやめてほしいなー」
カナデが俺の説明を理解するまで数分かかりました。
「ごめん、アキト」
「いえ、問題ありませんよ」
馬車から出たルナさんが寝ぼけ眼を擦りながら謝る。
あの後、俺の説明に納得したカナデと共にルナさんに声をかけ、数分かけてルナさんを起こした。
「私、野営の時、途中で起きるの苦手なの忘れてた」
どうやら途中で起こされる時は毎回起こしに来た人を毛布の中へ連れ込むらしい。
「それで毎回、シャンリンたちに怒られてる。でもアキトは怒らなかった。すごく優しい」
「これくらいで俺は怒りませんよ」
どちらかと言うと役得な部分が多かったので怒ったりはしない。
「でも男が起こしに来た時は注意してください。もしかしたら襲われるかもしれませんので。今回は我慢できましたが、俺も同じことを何度もされたら分かりませんよ?」
「ん、分かった。アキト以外の男には起こすようお願いしない」
「俺の話聞いてましたかー?」
もちろん襲ったりはしないが、何故か俺への信頼度が高すぎる。
そのため直接聞いてみる。
「ルナさんが俺を信頼してくれているのは嬉しいです。でも俺とは昨日初めて会いました。初めて会ったと言っても過言ではない俺に対し、なぜ気を許してるのですか?」
「それは私のスキルがアキトを信頼して良いと判断したから」
そう言って詳しく説明する。
「私には魔眼スキルがある。発動時に左眼が赤色に変化するのが使用条件。これは一言で言えば強さと性格をオーラで現してくれる」
「オーラですか?」
「ん。アキトとカナデは白色のオーラを放っている。つまり、私と同じかそれ以上に強い」
強さを判定するオーラには概ね7段階あり、黒が1番弱く、色が白に近づくに連れて強くなるらしい。
「そして性格を判断するオーラも7段階あって2人は無垢な白色。つまり今まで純粋に生きて悪事を何もしてない証拠」
コチラも7段階あって黒が犯罪者で白色に近づくに連れて良人となる。
この魔眼スキルを俺たちと出会ってすぐ使用したらしい。
(昨日、ルナさんの眼の色が赤くなったのはスキルを使ったからか)
昨日ルナさんの眼の色が変わった理由を理解する。
(でも、ルナさんの魔眼スキルは間違っている。カナデが良い子なのは分かるが俺は戦場で何度も仲間を見捨てている。そんな人が良い人と判断されるのは間違いだ。だから俺はルナさんに信頼されるような人ではない)
戦場を駆け回っていた俺は生き残るため、医師に診てもらえば救えるはずだった命を沢山見捨てている。
そう思うと自然と口が動き、昨日初めて出会ったルナさんへ、昔味わった苦い経験を語った。
ルナさんとの交代時間がやってきたため、俺は馬車に入る。
そして皆んなを起こさないよう小声でルナさんへ声をかける。
「ルナさん、起きてください」
「んん…」
しかし起きる気配はない。
今度は毛布の上から身体を揺すりつつ声をかける。
「ルナさん、起きてください」
「んん……もうちょっとだけ……シャンリン……」
どうやら俺のことをシャンリンさんだと思っているようで、一向に起きない。
そのため先ほどよりも強く揺すってみる。
「ルナさーん。起きて……」
「んーっ」
「っ!」
何を思ったのか、ルナさんが俺の身体に抱きつき自身の毛布へ引き込む。
「ル、ルナさん!?」
「すぅ……すぅ……」
「って起きないし!」
今の俺は毛布の中でルナさんに抱きしめられており、ルナさんの抱き枕となって一緒に寝ている状況だ。
(色々と柔らかいし良い匂いもするし……)
振り解こうとするがSランク冒険者のルナさんを怪我なく振り払うことが難しく、頭がショートしそうになる。
(てか、ルナさんって可愛いな)
至近距離からルナさんの顔を見ることとなり、無防備な寝顔を凝視してしまう。
永遠に眺め続けることのできるくらい可愛いらしい寝顔をしており、ルナさんの寝顔から目が離せない。
そのタイミングで……
「……お兄ちゃん。何してるの?」
「っ!」
近くから妹の声が聞こえてきた。
そのため抱きつかれていることで動かしにくい首を懸命に動かしてカナデの方を見ると、ジト目で俺のことを見ていた。
「ルナさんが可愛いからって寝込みを襲うのはどうかと思うよ?」
「違うから。いや、この状況なら説得力皆無だけど違うから。俺、ルナさんを起こしに来ただけだから」
「ふーん」
「お兄ちゃん、嘘言ってないよ?だから、その目をやめてほしいなー」
カナデが俺の説明を理解するまで数分かかりました。
「ごめん、アキト」
「いえ、問題ありませんよ」
馬車から出たルナさんが寝ぼけ眼を擦りながら謝る。
あの後、俺の説明に納得したカナデと共にルナさんに声をかけ、数分かけてルナさんを起こした。
「私、野営の時、途中で起きるの苦手なの忘れてた」
どうやら途中で起こされる時は毎回起こしに来た人を毛布の中へ連れ込むらしい。
「それで毎回、シャンリンたちに怒られてる。でもアキトは怒らなかった。すごく優しい」
「これくらいで俺は怒りませんよ」
どちらかと言うと役得な部分が多かったので怒ったりはしない。
「でも男が起こしに来た時は注意してください。もしかしたら襲われるかもしれませんので。今回は我慢できましたが、俺も同じことを何度もされたら分かりませんよ?」
「ん、分かった。アキト以外の男には起こすようお願いしない」
「俺の話聞いてましたかー?」
もちろん襲ったりはしないが、何故か俺への信頼度が高すぎる。
そのため直接聞いてみる。
「ルナさんが俺を信頼してくれているのは嬉しいです。でも俺とは昨日初めて会いました。初めて会ったと言っても過言ではない俺に対し、なぜ気を許してるのですか?」
「それは私のスキルがアキトを信頼して良いと判断したから」
そう言って詳しく説明する。
「私には魔眼スキルがある。発動時に左眼が赤色に変化するのが使用条件。これは一言で言えば強さと性格をオーラで現してくれる」
「オーラですか?」
「ん。アキトとカナデは白色のオーラを放っている。つまり、私と同じかそれ以上に強い」
強さを判定するオーラには概ね7段階あり、黒が1番弱く、色が白に近づくに連れて強くなるらしい。
「そして性格を判断するオーラも7段階あって2人は無垢な白色。つまり今まで純粋に生きて悪事を何もしてない証拠」
コチラも7段階あって黒が犯罪者で白色に近づくに連れて良人となる。
この魔眼スキルを俺たちと出会ってすぐ使用したらしい。
(昨日、ルナさんの眼の色が赤くなったのはスキルを使ったからか)
昨日ルナさんの眼の色が変わった理由を理解する。
(でも、ルナさんの魔眼スキルは間違っている。カナデが良い子なのは分かるが俺は戦場で何度も仲間を見捨てている。そんな人が良い人と判断されるのは間違いだ。だから俺はルナさんに信頼されるような人ではない)
戦場を駆け回っていた俺は生き残るため、医師に診てもらえば救えるはずだった命を沢山見捨てている。
そう思うと自然と口が動き、昨日初めて出会ったルナさんへ、昔味わった苦い経験を語った。
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