48 / 100
1章 異世界へ
潜入捜査 6
しおりを挟む
賢者さんの指示に従い人数分のメイド服を調達した俺は、リナリーさんにメイド服を手渡す。
そして待つこと数分。
「アキトっち、来ていいよ」
リナリーさんから声がかかり、俺は牢屋に向かう。
そして直ぐに頭を下げる。
「皆さんの裸を見てしまい、すみませんでした」
「気にしてませんので頭を上げてください」
との言葉が聞こえ、俺は頭を上げる。
そこには痩せ細った女性が優しい笑みを浮かべていた。
その周囲には15人の女の子たちがいるため、どうやら牢屋内でのリーダーのようだ。
「恩人に裸を見られたくらいで怒ったりしません」
女性の言葉に周囲の女の子たちも頷く。
その言葉にホッと胸を撫でる。
すると今度は捕まっていた女性たちが一斉に頭を下げた。
「助けに来てくださり、ありがとうございます。アキト様とリナリー様は命の恩人です」
「お、恩人だなんて大袈裟ですよ」
「いえ、私たちは本気で恩人だと思っております。バルバルドたちからの暴力に加え、このような過酷な環境だったため、いつ死んでもおかしくありませんでしたから。実際、亡くなった娘までいますので」
「「っ!」」
その言葉に俺とリナリーさんは息を呑む。
よく見ると女の子たちは至る所に痛々しい傷を作っており、痩せ細っていて栄養状態も悪い。
中には俺より歳下の女の子や小学生くらいの女の子まで捕えられていたため、無意識のうちに握り拳を作ってしまう。
「本当にお二人には感謝しかありません。ありがとうございます」
再びリーダーの女性が深く頭を下げる。
「顔を上げてください。まだ脱出できたわけではありませんから。なので感謝の言葉は屋敷を出てからいただきますよ」
「そ、そうですね」
俺の指摘に女性が顔を引き締める。
「もちろん、俺とリナリーさんが絶対に皆さんを屋敷から逃しますので安心してください」
俺の言葉にリナリーさんも力強く頷く。
「では早速脱出しようと思いますが、その前に皆さんには貼ってほしい物があります」
俺はフィリアさんからいただいた透明化が付与されたシールを取り出す。
「これを貼ると5分間、身体が消えて誰にも見えなくなります。その内に脱出しようと思いますので、よろしくお願いします」
「そのような魔道具があるのです」
「普段は流通しないようにしてるみたいです」
フィリアさんから聞いたことを教えつつ全員にシールを手渡す。
「シールを使ってる間、姿は見えなくなりますが足音や話し声は聞こえるので注意してください」
そう前置きした後、透明化した状態でも脱出できる作戦を伝える。
といっても透明化されている人たちが手を繋いで歩き、俺が先頭を。最後尾をリナリーさんが歩くだけだ。
そして定期的に俺たちの手を握ってもらい、ついて来ていることを確認する方法だ。
「分かりました。私たちは手を繋いでアキトさんについていき、定期的に先頭がアキトさんを触る。そして逸れた者がいた時は都度知らせる形でいきます」
「よろしくお願いします」
全員がルールを理解し、捕まっていた人たちが手を繋ぐ。
そしてリナリーさんと俺が協力してシールを貼っていく。
「おぉ、本当に見えなくなりますね」
「うん。さっきまで目の前にいたのが信じられないよ」
透明化の効果を実感しつつ俺は手を差し出す。
すると何も見えないのに俺の手を握る感触があった。
「大丈夫みたいです」
「なら出発だよ」
俺たちは慎重に牢屋を出た。
透明化の効果は5分なので無駄な時間を過ごせない俺たちは音を出さないよう慎重に移動する。
『最短ルートを検索……完了しました。最短ルートを矢印で表示しておりますので、誰にも見つからないようルートを移動してください』
(出る時は裏口の玄関から出るんだな)
『肯定。外からの侵入では鍵を開けるための手間が増えますが、内側から鍵を開けることは1秒で可能です。なので侵入した時使用した窓は使用せず、警備が手薄な裏口からの脱出を提案しました』
(なるほど。色々と総合的に考えて決めてくれたのか。ありがとう、賢者さん)
心の中で感謝しつつ俺は歩き出す。
『お礼は高級焼肉でお願いします』
(なんでだよ)
飲食という概念が不要なやつから高級焼肉を要求された。
『それかマスターの“あーん”を所望します』
(だからなんでだよ!)
そんな無駄話を切り上げて俺たちは裏口を目指して進む。
しかし、大所帯での移動が思った以上に大変で…
(くそっ!あと2分で透明化が切れるぞっ!まだ半分しか移動できてないのに!)
裏口まで残り数メートルだが、執事とメイドが多過ぎて動くに動けない。
『落ち着いてください、マスター。冷静さを失うとミスをしてしまいます』
(っ!そうだな。ありがとう、賢者さん)
『いえいえ。私はマスターの相棒と自負しておりますので』
(ははっ。確かに賢者さんは相棒だよ)
そんな会話をしていると冷静さを取り戻す。
(どうする?賢者さん)
『こうなれば奥の手を……いえ、どうやらその必要はなさそうです』
(……?何があった?)
『解、フィリア様が強力な助っ人を連れて来たようです。この方がいらっしゃるのであれば、強行突破でも問題ありません』
(強行突破しても問題にならないくらいの人が来たのか。ちなみに誰なんだ?)
『解、この国の第一皇女です』
「えっ!」
「ど、どうかしましたか?」
ビックリするレベルの人の名前が告げられたため、声が漏れてしまい、透明化している女性から声をかけられた。
「いえ。何でもありません。ただ、この脱出劇、俺たちの勝ちのようです」
そう言って俺は笑みを浮かべた。
そして待つこと数分。
「アキトっち、来ていいよ」
リナリーさんから声がかかり、俺は牢屋に向かう。
そして直ぐに頭を下げる。
「皆さんの裸を見てしまい、すみませんでした」
「気にしてませんので頭を上げてください」
との言葉が聞こえ、俺は頭を上げる。
そこには痩せ細った女性が優しい笑みを浮かべていた。
その周囲には15人の女の子たちがいるため、どうやら牢屋内でのリーダーのようだ。
「恩人に裸を見られたくらいで怒ったりしません」
女性の言葉に周囲の女の子たちも頷く。
その言葉にホッと胸を撫でる。
すると今度は捕まっていた女性たちが一斉に頭を下げた。
「助けに来てくださり、ありがとうございます。アキト様とリナリー様は命の恩人です」
「お、恩人だなんて大袈裟ですよ」
「いえ、私たちは本気で恩人だと思っております。バルバルドたちからの暴力に加え、このような過酷な環境だったため、いつ死んでもおかしくありませんでしたから。実際、亡くなった娘までいますので」
「「っ!」」
その言葉に俺とリナリーさんは息を呑む。
よく見ると女の子たちは至る所に痛々しい傷を作っており、痩せ細っていて栄養状態も悪い。
中には俺より歳下の女の子や小学生くらいの女の子まで捕えられていたため、無意識のうちに握り拳を作ってしまう。
「本当にお二人には感謝しかありません。ありがとうございます」
再びリーダーの女性が深く頭を下げる。
「顔を上げてください。まだ脱出できたわけではありませんから。なので感謝の言葉は屋敷を出てからいただきますよ」
「そ、そうですね」
俺の指摘に女性が顔を引き締める。
「もちろん、俺とリナリーさんが絶対に皆さんを屋敷から逃しますので安心してください」
俺の言葉にリナリーさんも力強く頷く。
「では早速脱出しようと思いますが、その前に皆さんには貼ってほしい物があります」
俺はフィリアさんからいただいた透明化が付与されたシールを取り出す。
「これを貼ると5分間、身体が消えて誰にも見えなくなります。その内に脱出しようと思いますので、よろしくお願いします」
「そのような魔道具があるのです」
「普段は流通しないようにしてるみたいです」
フィリアさんから聞いたことを教えつつ全員にシールを手渡す。
「シールを使ってる間、姿は見えなくなりますが足音や話し声は聞こえるので注意してください」
そう前置きした後、透明化した状態でも脱出できる作戦を伝える。
といっても透明化されている人たちが手を繋いで歩き、俺が先頭を。最後尾をリナリーさんが歩くだけだ。
そして定期的に俺たちの手を握ってもらい、ついて来ていることを確認する方法だ。
「分かりました。私たちは手を繋いでアキトさんについていき、定期的に先頭がアキトさんを触る。そして逸れた者がいた時は都度知らせる形でいきます」
「よろしくお願いします」
全員がルールを理解し、捕まっていた人たちが手を繋ぐ。
そしてリナリーさんと俺が協力してシールを貼っていく。
「おぉ、本当に見えなくなりますね」
「うん。さっきまで目の前にいたのが信じられないよ」
透明化の効果を実感しつつ俺は手を差し出す。
すると何も見えないのに俺の手を握る感触があった。
「大丈夫みたいです」
「なら出発だよ」
俺たちは慎重に牢屋を出た。
透明化の効果は5分なので無駄な時間を過ごせない俺たちは音を出さないよう慎重に移動する。
『最短ルートを検索……完了しました。最短ルートを矢印で表示しておりますので、誰にも見つからないようルートを移動してください』
(出る時は裏口の玄関から出るんだな)
『肯定。外からの侵入では鍵を開けるための手間が増えますが、内側から鍵を開けることは1秒で可能です。なので侵入した時使用した窓は使用せず、警備が手薄な裏口からの脱出を提案しました』
(なるほど。色々と総合的に考えて決めてくれたのか。ありがとう、賢者さん)
心の中で感謝しつつ俺は歩き出す。
『お礼は高級焼肉でお願いします』
(なんでだよ)
飲食という概念が不要なやつから高級焼肉を要求された。
『それかマスターの“あーん”を所望します』
(だからなんでだよ!)
そんな無駄話を切り上げて俺たちは裏口を目指して進む。
しかし、大所帯での移動が思った以上に大変で…
(くそっ!あと2分で透明化が切れるぞっ!まだ半分しか移動できてないのに!)
裏口まで残り数メートルだが、執事とメイドが多過ぎて動くに動けない。
『落ち着いてください、マスター。冷静さを失うとミスをしてしまいます』
(っ!そうだな。ありがとう、賢者さん)
『いえいえ。私はマスターの相棒と自負しておりますので』
(ははっ。確かに賢者さんは相棒だよ)
そんな会話をしていると冷静さを取り戻す。
(どうする?賢者さん)
『こうなれば奥の手を……いえ、どうやらその必要はなさそうです』
(……?何があった?)
『解、フィリア様が強力な助っ人を連れて来たようです。この方がいらっしゃるのであれば、強行突破でも問題ありません』
(強行突破しても問題にならないくらいの人が来たのか。ちなみに誰なんだ?)
『解、この国の第一皇女です』
「えっ!」
「ど、どうかしましたか?」
ビックリするレベルの人の名前が告げられたため、声が漏れてしまい、透明化している女性から声をかけられた。
「いえ。何でもありません。ただ、この脱出劇、俺たちの勝ちのようです」
そう言って俺は笑みを浮かべた。
176
あなたにおすすめの小説
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~
名無し
ファンタジー
主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
スキル『倍加』でイージーモードな異世界生活
怠惰怠man
ファンタジー
異世界転移した花田梅。
スキル「倍加」により自分のステータスを倍にしていき、超スピードで最強に成り上がる。
何者にも縛られず、自由気ままに好きなことをして生きていくイージーモードな異世界生活。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる