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1章 異世界へ
行方不明のアリシア 3
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~アリシア視点~
私は一縷の望みにかけ、【未来視】を発動。
しかし、この現状を打破する未来は見えない。
「っ!」
その表情から私の見た未来を理解したミネルヴァが口を開く。
「おそらく、アリシア様を殺すようなことはされないと思います」
「待ってくださいっ!ミネルヴァっ!」
私はミネルヴァが言おうとしている言葉を理解し、発言を止めようとするが、ミネルヴァは首を横に振る。
そして立ち止まり、私を降ろす。
「逃げてください。少しでも追っ手を減らしておきますので」
「ミネル……」
「はやく行ってくださいっ!」
初めて私の言葉を最後まで聞かず、声を上げるミネルヴァ。
「っ!絶対、追ってきてください!」
「もちろんです」
私は振り返ることなくミネルヴァを置いて走り去った。
後ろの方から戦闘音が聞こえてくるが、振り返らずに前だけ見て走る。
自分が何処にいるかも分からないくらい無我夢中で走ると、とあるダンジョンにたどり着いた。
「こんなところにダンジョンがあったのですね」
そんなことを思いつつ立ち止まり、休憩を取る。
しばらく身を隠しながら木陰で休んでいると…
「アリシア様ー。今すぐ出てこないとミネルヴァが死んじゃいますよー」
「っ!」
何処かから宰相の声が響き渡る。
そのため声のした方を物陰から覗いてみると、全身傷だらけで気絶したミネルヴァが見えた。
(ミネルヴァっ!)
周りの冒険者が3人に減っていることから何人かは倒したのだろうが、人数の多さに負けてミネルヴァが冒険者の1人に担がれていた。
「この辺りにいるのは分かってますよ。はやく出てこないと……そうですね。頑張ってくれた冒険者たちのためにミネルヴァの服を脱がしますか」
戦闘によりボロボロになった服を脱がそうと宰相が動く。
周囲の冒険者からは「素晴らしい提案だぜ!」や「はやく美女の裸を拝みてぇー!」等々、言いながらニヤニヤしていた。
その言葉を聞いた宰相が抵抗できないミネルヴァに触れようとした時…
「待ちなさい!」
私は宰相たちの前に現れる。
「私に用事があるのでしたらミネルヴァから離れてください」
私のために身体を張ってくれたミネルヴァを冒険者たちに穢されるわけにはいかない。
「お待ちしておりました、アリシア様。私のお願いを聞き入れていただけますか?」
「それはできません。貴方に国を預けるわけにはいきませんから」
「頭の悪いお方です。でしたら身体で分からせるしかありませんね」
「な、何を……っ!」
「眠れ、スリープ」
宰相の魔法で私は眠りについた。
しばらくして目が覚める。
「んん……ここは……」
「お目覚めになりましたか?」
目が覚めたら目の前に宰相と護衛の男3人がいた。
(っ!動けないっ!)
「あぁ、変なことをされないように二人の身体は縛っております」
その言葉通り、私の身体は手足をロープで縛られ、地面に転がっていた。
「ちなみに私たちは今、王都とワルサーム王国の境にある『刹那ダンジョン』に居ます。ここは街から遠い上にA級ダンジョンという点から不人気ダンジョンの一つです。助けを呼んでも魔物しか来ませんよ」
その言葉通り、私たちはダンジョン内にいるようで、あちこちから魔物の鳴き声が聞こえる。
そして今の私たちはダンジョン内にある安全区域にいるようだ。
「申し訳ありません、アリシア様」
隣には私と同じように手足を縛られたミネルヴァがいた。
私を逃すために服や身体中がボロボロになっており、痛々しい傷が目に入る。
口を動かすのが精一杯のようで、ここから逃走するのは難しそうだ。
「いえ、ミネルヴァはよくやってくれました。なので謝らないでください」
こうなった原因は私の判断ミスや注意不足もあるのでミネルヴァを責められない。
「では早速ですが私の話を聞いていただきますね」
そう一拍置いて宰相が話し始める。
「私は昔から国王の地位に憧れておりました。その地位を手に入れるため、今回の作戦を企てました。あとはアリシア様と婚約することで国王の地位を手に入れることができます。ここまで言えば分かりますね?」
――私の妻となりなさい。
宰相が薄気味悪い笑みを浮かべながら言う。
私と結婚したからといって王家の血を受け継いでいない宰相は国を治める国王にはなれない。
なぜなら女王陛下となった私が国を治める予定だから。
なので仮に結婚したとしても宰相という地位に加え、女王陛下の夫という地位が加わるだけだ。
(つまり夫となった後、私を殺して国王になるつもりですね。今のお母様のように)
お母様は王家の血筋を受け継いでいないが女王陛下という立場にいる。
私が女王陛下となるに値する年齢になるまでの一時的な措置で。
「なぜ黙っているのですか?アリシア様の返答は『はい』しかないと思いますが」
「………」
宰相の発言を聞き流し、沈黙する。
「そうですか。まだ私の夫になりたくないのですね。でしたら少し手荒なマネをさせていただきます」
そう言った後、宰相がミネルヴァに近づく。
「貴女の身体には以前から興味がありました」
「「っ!」」
“ビリビリっ!”と宰相がミネルヴァの服を破る。
それによりミネルヴァが身につけていた黒いブラジャーが姿を現す。
「胸が小さいのは残念ですが、普段から鍛えているおかげで中々良い身体をしています」
「なっ、何をするつもりですか!?」
「もちろん、やることは一つでしょう。そうですよね、皆さん」
そう護衛たちに問いかけると、気持ち悪い笑みを浮かべながら護衛の男3人がミネルヴァに近づく。
「待ってくだ……」
「大丈夫です、アリシア様」
私の言葉をミネルヴァが遮る。
「私はどんなことをされても大丈夫です。なのでアリシア様は国のために動いてください」
ミネルヴァは自分の身に何が起こっても宰相の要件を呑むなと言っている。
「っ!」
ここまで一緒に苦難を乗り越えてきたミネルヴァが酷い目に遭うところを見たくないが、国のことを考えると傍観するのが正解だ。
(私はどうすれば良いのでしょうか)
数秒後の未来を見て自分の行動を考える。
(……時間を稼ぐしかありませんね)
しかし良い未来を確認できず、私は時間稼ぎを選ぶ。
(おそらく盗賊に襲われた件をお母様に報告する者がいます。そしたら必ず救援が来ます)
そう思った時、なぜかアキトさんの顔が浮かぶ。
(アキトさんが助けに来てくれるなんて都合の良い未来です。先ずはミネルヴァの身を守る行動に移りましょう)
アキトさんのことを脳裏で振り払い、私は動き出した。
私は一縷の望みにかけ、【未来視】を発動。
しかし、この現状を打破する未来は見えない。
「っ!」
その表情から私の見た未来を理解したミネルヴァが口を開く。
「おそらく、アリシア様を殺すようなことはされないと思います」
「待ってくださいっ!ミネルヴァっ!」
私はミネルヴァが言おうとしている言葉を理解し、発言を止めようとするが、ミネルヴァは首を横に振る。
そして立ち止まり、私を降ろす。
「逃げてください。少しでも追っ手を減らしておきますので」
「ミネル……」
「はやく行ってくださいっ!」
初めて私の言葉を最後まで聞かず、声を上げるミネルヴァ。
「っ!絶対、追ってきてください!」
「もちろんです」
私は振り返ることなくミネルヴァを置いて走り去った。
後ろの方から戦闘音が聞こえてくるが、振り返らずに前だけ見て走る。
自分が何処にいるかも分からないくらい無我夢中で走ると、とあるダンジョンにたどり着いた。
「こんなところにダンジョンがあったのですね」
そんなことを思いつつ立ち止まり、休憩を取る。
しばらく身を隠しながら木陰で休んでいると…
「アリシア様ー。今すぐ出てこないとミネルヴァが死んじゃいますよー」
「っ!」
何処かから宰相の声が響き渡る。
そのため声のした方を物陰から覗いてみると、全身傷だらけで気絶したミネルヴァが見えた。
(ミネルヴァっ!)
周りの冒険者が3人に減っていることから何人かは倒したのだろうが、人数の多さに負けてミネルヴァが冒険者の1人に担がれていた。
「この辺りにいるのは分かってますよ。はやく出てこないと……そうですね。頑張ってくれた冒険者たちのためにミネルヴァの服を脱がしますか」
戦闘によりボロボロになった服を脱がそうと宰相が動く。
周囲の冒険者からは「素晴らしい提案だぜ!」や「はやく美女の裸を拝みてぇー!」等々、言いながらニヤニヤしていた。
その言葉を聞いた宰相が抵抗できないミネルヴァに触れようとした時…
「待ちなさい!」
私は宰相たちの前に現れる。
「私に用事があるのでしたらミネルヴァから離れてください」
私のために身体を張ってくれたミネルヴァを冒険者たちに穢されるわけにはいかない。
「お待ちしておりました、アリシア様。私のお願いを聞き入れていただけますか?」
「それはできません。貴方に国を預けるわけにはいきませんから」
「頭の悪いお方です。でしたら身体で分からせるしかありませんね」
「な、何を……っ!」
「眠れ、スリープ」
宰相の魔法で私は眠りについた。
しばらくして目が覚める。
「んん……ここは……」
「お目覚めになりましたか?」
目が覚めたら目の前に宰相と護衛の男3人がいた。
(っ!動けないっ!)
「あぁ、変なことをされないように二人の身体は縛っております」
その言葉通り、私の身体は手足をロープで縛られ、地面に転がっていた。
「ちなみに私たちは今、王都とワルサーム王国の境にある『刹那ダンジョン』に居ます。ここは街から遠い上にA級ダンジョンという点から不人気ダンジョンの一つです。助けを呼んでも魔物しか来ませんよ」
その言葉通り、私たちはダンジョン内にいるようで、あちこちから魔物の鳴き声が聞こえる。
そして今の私たちはダンジョン内にある安全区域にいるようだ。
「申し訳ありません、アリシア様」
隣には私と同じように手足を縛られたミネルヴァがいた。
私を逃すために服や身体中がボロボロになっており、痛々しい傷が目に入る。
口を動かすのが精一杯のようで、ここから逃走するのは難しそうだ。
「いえ、ミネルヴァはよくやってくれました。なので謝らないでください」
こうなった原因は私の判断ミスや注意不足もあるのでミネルヴァを責められない。
「では早速ですが私の話を聞いていただきますね」
そう一拍置いて宰相が話し始める。
「私は昔から国王の地位に憧れておりました。その地位を手に入れるため、今回の作戦を企てました。あとはアリシア様と婚約することで国王の地位を手に入れることができます。ここまで言えば分かりますね?」
――私の妻となりなさい。
宰相が薄気味悪い笑みを浮かべながら言う。
私と結婚したからといって王家の血を受け継いでいない宰相は国を治める国王にはなれない。
なぜなら女王陛下となった私が国を治める予定だから。
なので仮に結婚したとしても宰相という地位に加え、女王陛下の夫という地位が加わるだけだ。
(つまり夫となった後、私を殺して国王になるつもりですね。今のお母様のように)
お母様は王家の血筋を受け継いでいないが女王陛下という立場にいる。
私が女王陛下となるに値する年齢になるまでの一時的な措置で。
「なぜ黙っているのですか?アリシア様の返答は『はい』しかないと思いますが」
「………」
宰相の発言を聞き流し、沈黙する。
「そうですか。まだ私の夫になりたくないのですね。でしたら少し手荒なマネをさせていただきます」
そう言った後、宰相がミネルヴァに近づく。
「貴女の身体には以前から興味がありました」
「「っ!」」
“ビリビリっ!”と宰相がミネルヴァの服を破る。
それによりミネルヴァが身につけていた黒いブラジャーが姿を現す。
「胸が小さいのは残念ですが、普段から鍛えているおかげで中々良い身体をしています」
「なっ、何をするつもりですか!?」
「もちろん、やることは一つでしょう。そうですよね、皆さん」
そう護衛たちに問いかけると、気持ち悪い笑みを浮かべながら護衛の男3人がミネルヴァに近づく。
「待ってくだ……」
「大丈夫です、アリシア様」
私の言葉をミネルヴァが遮る。
「私はどんなことをされても大丈夫です。なのでアリシア様は国のために動いてください」
ミネルヴァは自分の身に何が起こっても宰相の要件を呑むなと言っている。
「っ!」
ここまで一緒に苦難を乗り越えてきたミネルヴァが酷い目に遭うところを見たくないが、国のことを考えると傍観するのが正解だ。
(私はどうすれば良いのでしょうか)
数秒後の未来を見て自分の行動を考える。
(……時間を稼ぐしかありませんね)
しかし良い未来を確認できず、私は時間稼ぎを選ぶ。
(おそらく盗賊に襲われた件をお母様に報告する者がいます。そしたら必ず救援が来ます)
そう思った時、なぜかアキトさんの顔が浮かぶ。
(アキトさんが助けに来てくれるなんて都合の良い未来です。先ずはミネルヴァの身を守る行動に移りましょう)
アキトさんのことを脳裏で振り払い、私は動き出した。
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