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1章 異世界へ
アリシアからのお願い
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S級冒険者である俺がアリシアと婚約した話は一夜にして街中に広まった。
「アリシア様がアキト様と婚約したらしいぞ!」
「つまりS級冒険者であるアキト様が王都に住んでくれるってことだ!王都は最強の守護者をゲットしたぜ!」
「何でも告白はアリシア様からだったらしいぞ!」
「アリシア様から告白されたのかー!くぅーっ!羨ましいぜ!」
「王女様のおかげで国は安泰よ!アリシア様、万歳!」
等々、街中で騒がれていた。
その様子を王宮のテラスから眺めながら、俺はアリシアと話をしていた。
「嘘は広まってないが……さすがに恥ずかしいな。話題になりすぎだろ」
「S級冒険者であるアキトさんと私の婚約は国にとって良いことしかありません。なので話題になるのも仕方ありませんよ」
隣にいるアリシアも若干恥ずかしいのか、頬を赤くしながら返答する。
「アキトさんとの婚約のおかげで私たち王族の株も上がりました。もちろん、そのようなことのためにアキトさんと婚約したわけではないのですが」
アリシアがほんの少し頬を膨らませ、可愛く訴える。
そんなアリシアの態度を俺は嬉しく思う。
「わかってるよ。アリシアが王族の評価を上げるために告白してないことは。だから周りの声は気にしなくていい。むしろ王族の評価を上げることができて嬉しいくらいだ」
「アキトさんがそう思っているのなら安心です。私が偽りの愛で告白したと思ってほしくありませんから」
俺の返答に安心したのだろう。
アリシアから笑顔が溢れている。
「俺はアリシアのことが好きだ。これからの人生、アリシアと一緒に過ごしたいと本気で思った。頼りないところもあるとは思うが、これからよろしくな。アリシア」
俺はもう一度想いを伝える。
すると…
「はいっ!よろしくお願いしますね!」
今まで見たことない眩しい笑顔で応えてくれた。
俺がアリシアに想いを告げた後、アリシアが俺の腕に抱きつく。
「とても幸せです」
そして嬉しそうな顔を見せるアリシア。
「私、アキトさんがお母様に『婚約の申し込みに来ました』と言った時は安堵で涙が出てしまいました。少しカッコ悪いところをお見せしましたね」
「そんなことないよ。安堵ということは俺が不安にさせてしまった証拠だから。実際、アリシアへの返答はかなり遅くなったし」
「アキトさんと婚約できないという不吉なことを考えてしまう日々でしたので」
そのような日々を送ることになったのは俺が返事を先延ばしにしたから。
「ご、ごめん。告白の返事が遅くなったのは申し訳ないと思ってる。これからは絶対にアリシアを悲しませるようなことはしないから。な、なんならお詫びにアリシアの言うことを何でも聞くぞ」
「何でもですか!?」
俺の言葉を聞き、一瞬でキラキラした目を見せるアリシア。
「あ、あぁ。待たせてしまったことへの罪悪感があるからな。もちろん俺にできることならだけど」
俺がそう返事をすると、「ちょっと待ってください!」と言って考え事を始める。
「な、何にしましょうか。アキトさんからのキスというのはとても魅力的ですが……うーん……」
俺の言葉がとても嬉しかったようで、独り言が止まらない。
その様子に笑みをこぼしつつ待つこと5分。
「き、決まりました。1つに決めるというのは難しいですね」
「そ、そうだな」
決めるまでの過程が丸聞こえだったので難しさは俺にも伝わってきた。
「で、では……こほんっ!」
アリシアが咳払いを挟み、俺にしてほしいことを伝える。
「アキトさんが私と同じくらい大切だと思った方や私と同じくらい好きになった方がいらっしゃれば、遠慮なく婚約してください」
「……どういうことだ?」
「そのままの意味です」
独り言を聞いていたため、お願いされる内容は知っていたが、アリシアの言葉を理解できない。
「アキトさんを私だけの夫にするのは難しいということです。もちろん、アキトさんを独占したいという気持ちはありますが」
俺はS級冒険者なのでアリシア以外に嫁を貰うことは可能だ。
しかし俺にはアリシア以外の誰かを養う甲斐性はない。
それ以前に俺を好きになってくれる人がアリシア以外に現れることが考えられない。
「アリシア。俺はアリシア以外の誰かを嫁にすることはないと思うぞ?だって俺のことを好きになってくれる人がアリシア以外に現れるとは思わないからな」
俺は自分の思っていることを伝えるが「ふふっ」と笑われる。
「そう思っているのはアキトさんだけです。私はアキトさんのことを特別視している方を4名ほど知ってますから」
「そ、そんなにいるのか?」
「はい。皆さん奥手なだけです」
そう言われてもピンとこないが、アリシアが嘘を言っているようには見えない。
その様子が面白かったのか、再びアリシアが笑う。
「深くは考えなくても大丈夫です。アキトさんは私など気にせずお嫁さんを増やして良いということを理解していただければ問題ありませんから」
「わ、分かった」
アリシア以外に嫁が増える予定はないが、とりあえず頷いておく。
「今後のことを考えるとアキトさんを独り占めできる時間は少なそうです。なのでアキトさん。もうしばらく私とお話ししませんか?」
「あぁ。喜んで」
その後、王宮のテラスでアリシアと肩を寄せ合い、色んなことを語り合った。
【1章完結】
「アリシア様がアキト様と婚約したらしいぞ!」
「つまりS級冒険者であるアキト様が王都に住んでくれるってことだ!王都は最強の守護者をゲットしたぜ!」
「何でも告白はアリシア様からだったらしいぞ!」
「アリシア様から告白されたのかー!くぅーっ!羨ましいぜ!」
「王女様のおかげで国は安泰よ!アリシア様、万歳!」
等々、街中で騒がれていた。
その様子を王宮のテラスから眺めながら、俺はアリシアと話をしていた。
「嘘は広まってないが……さすがに恥ずかしいな。話題になりすぎだろ」
「S級冒険者であるアキトさんと私の婚約は国にとって良いことしかありません。なので話題になるのも仕方ありませんよ」
隣にいるアリシアも若干恥ずかしいのか、頬を赤くしながら返答する。
「アキトさんとの婚約のおかげで私たち王族の株も上がりました。もちろん、そのようなことのためにアキトさんと婚約したわけではないのですが」
アリシアがほんの少し頬を膨らませ、可愛く訴える。
そんなアリシアの態度を俺は嬉しく思う。
「わかってるよ。アリシアが王族の評価を上げるために告白してないことは。だから周りの声は気にしなくていい。むしろ王族の評価を上げることができて嬉しいくらいだ」
「アキトさんがそう思っているのなら安心です。私が偽りの愛で告白したと思ってほしくありませんから」
俺の返答に安心したのだろう。
アリシアから笑顔が溢れている。
「俺はアリシアのことが好きだ。これからの人生、アリシアと一緒に過ごしたいと本気で思った。頼りないところもあるとは思うが、これからよろしくな。アリシア」
俺はもう一度想いを伝える。
すると…
「はいっ!よろしくお願いしますね!」
今まで見たことない眩しい笑顔で応えてくれた。
俺がアリシアに想いを告げた後、アリシアが俺の腕に抱きつく。
「とても幸せです」
そして嬉しそうな顔を見せるアリシア。
「私、アキトさんがお母様に『婚約の申し込みに来ました』と言った時は安堵で涙が出てしまいました。少しカッコ悪いところをお見せしましたね」
「そんなことないよ。安堵ということは俺が不安にさせてしまった証拠だから。実際、アリシアへの返答はかなり遅くなったし」
「アキトさんと婚約できないという不吉なことを考えてしまう日々でしたので」
そのような日々を送ることになったのは俺が返事を先延ばしにしたから。
「ご、ごめん。告白の返事が遅くなったのは申し訳ないと思ってる。これからは絶対にアリシアを悲しませるようなことはしないから。な、なんならお詫びにアリシアの言うことを何でも聞くぞ」
「何でもですか!?」
俺の言葉を聞き、一瞬でキラキラした目を見せるアリシア。
「あ、あぁ。待たせてしまったことへの罪悪感があるからな。もちろん俺にできることならだけど」
俺がそう返事をすると、「ちょっと待ってください!」と言って考え事を始める。
「な、何にしましょうか。アキトさんからのキスというのはとても魅力的ですが……うーん……」
俺の言葉がとても嬉しかったようで、独り言が止まらない。
その様子に笑みをこぼしつつ待つこと5分。
「き、決まりました。1つに決めるというのは難しいですね」
「そ、そうだな」
決めるまでの過程が丸聞こえだったので難しさは俺にも伝わってきた。
「で、では……こほんっ!」
アリシアが咳払いを挟み、俺にしてほしいことを伝える。
「アキトさんが私と同じくらい大切だと思った方や私と同じくらい好きになった方がいらっしゃれば、遠慮なく婚約してください」
「……どういうことだ?」
「そのままの意味です」
独り言を聞いていたため、お願いされる内容は知っていたが、アリシアの言葉を理解できない。
「アキトさんを私だけの夫にするのは難しいということです。もちろん、アキトさんを独占したいという気持ちはありますが」
俺はS級冒険者なのでアリシア以外に嫁を貰うことは可能だ。
しかし俺にはアリシア以外の誰かを養う甲斐性はない。
それ以前に俺を好きになってくれる人がアリシア以外に現れることが考えられない。
「アリシア。俺はアリシア以外の誰かを嫁にすることはないと思うぞ?だって俺のことを好きになってくれる人がアリシア以外に現れるとは思わないからな」
俺は自分の思っていることを伝えるが「ふふっ」と笑われる。
「そう思っているのはアキトさんだけです。私はアキトさんのことを特別視している方を4名ほど知ってますから」
「そ、そんなにいるのか?」
「はい。皆さん奥手なだけです」
そう言われてもピンとこないが、アリシアが嘘を言っているようには見えない。
その様子が面白かったのか、再びアリシアが笑う。
「深くは考えなくても大丈夫です。アキトさんは私など気にせずお嫁さんを増やして良いということを理解していただければ問題ありませんから」
「わ、分かった」
アリシア以外に嫁が増える予定はないが、とりあえず頷いておく。
「今後のことを考えるとアキトさんを独り占めできる時間は少なそうです。なのでアキトさん。もうしばらく私とお話ししませんか?」
「あぁ。喜んで」
その後、王宮のテラスでアリシアと肩を寄せ合い、色んなことを語り合った。
【1章完結】
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