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6章 ドラマ撮影編
修羅場 3
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今にも腕と腕が触れそうなくらい近くにいる浜崎さんを連れて、2人のもとへ向かう。
その最中、浜崎さんとの距離が近すぎるため歩きにくい思いをするが、隣にいる浜崎さんはそう思ってないようで可愛い笑顔を浮かべながら歩いていた。
「お疲れ、2人とも」
「とても良かったよ。凛くんの演技も涼菜ちゃんの演技も」
近づいてきた俺たちへ労いや感想を述べてくれるが、2人とも目が笑ってない。
「あ、ありがとう。2人とも」
「ありがとうございます!」
そんな2人を見て顔を引き攣りながら返答する俺と、2人から発せられる異常な雰囲気を全く感じてない浜崎さんが嬉しそうに返答する。
「2人とも仲がいいね。今日出会ったばかりとは思えないほどの距離感だよ」
「そ、そうだな。色々と話してる内に仲良くなったんだ」
「ウチの尊敬する役者さんの1人ですからね!色々とアドバイスをいただきました!」
「「ふーん」」
2人の声が被る。
そして俺にジト目を向ける。
「な、なんだよ?」
「ううん。可愛い女の子と仲良くなるのが上手だねって思っただけだよ」
「さすが子供の頃に神童と呼ばれた男ね。可愛い娘との距離を縮めることに関しては神がかってるわ」
「………」
褒められてるはずなのにトゲを感じる。
「は、浜崎さん?2人とも距離が近過ぎるって言ってるみたいだぞ?」
「そうですか?これくらい普通だと思いますけど……」
そう言ってさらに俺の方へ身体を寄せ、ついに俺の腕と浜崎さんの腕が“ピトっ”と触れ合った。
その瞬間、2人からの殺気が強まる。
「ひぃっ!えっ、えーっと……さ、最近の女子高生はこれくらいの距離感が普通らしいんだ。知らんけど……」
「「ふーん」」
『そんなわけないでしょ』と2人の目が訴えてる。
俺も絶対違うと思うが浜崎さんが離れてくれないので、話題を変えるしかない。
「そ、そういえば浜崎さんは2人に挨拶したのか?」
「はい!夏目さんへ挨拶する前にしてきました!」
「あ、そうですか……」
挨拶という名の自己紹介へと話題を変えれば解決すると思ったが、すでに挨拶をしていたようだ。
「涼菜ちゃんって可愛いからね。心の中ではこの状況に喜んでるんじゃないかな?」
「そうね。鼻の下が伸びまくってるわ。デレデレしてるのが丸わかりよ」
「そ、そんなことないぞ?」
「「ふーん」」
またしても2人からジト目をいただく。
(いやだってさ。浜崎さんからめっちゃ良い匂いするもん。俺の理性ぶっ壊しにきてるもん)
表情には出さないようにしていたが、2人には俺の心境がバレバレのようだ。
そんな俺を他所に…
「やった!夏目さんがウチにデレデレだって!」
と、嬉しそうな声をあげていた。
(浜崎さん、喜んでる場合じゃないからな。目の前にいる2人、今にも雷を落としそうな形相をしてるからな)
現状を全く理解していない浜崎さんに向けて心の中で呟く。
「で、凛くんはいつまで涼菜ちゃんとイチャイチャしてるの?今は撮影中なんだよ?」
「そうね。ここは撮影する場所よ。イチャイチャする場所じゃないんだから、はやく涼菜から離れて」
「う、うす……」
拒否権を与えない迫力を感じ、俺は逆らわずに浜崎さんの方を向く。
その際、何処かから…
「え、あの2人も撮影現場でイチャイチャしてるよな?」
「しーっ!今、修羅場だから関わったらダメよ!」
という言葉が聞こえてきた。
(見てるなら助けろや!)
「え、えーっと……浜崎さん?やっぱり距離が近いらしいよ?」
「ウチはそんなこと思わないのですが、夏目さんが困ってるようなので今日はこの辺りにします」
そう言って俺から距離を取る浜崎さん。
そのタイミングで…
「愛甲さん、立花さん。撮影始めるぞ」
との監督の声が聞こえてくる。
「ほ、ほら監督が呼んでるぞ」
俺は監督からの助け船に便乗し、話題を変える。
「う~っ!凛くん!涼菜ちゃんにデレデレしたらダメだよ!」
「涼菜に手を出したら……後でお仕置きね」
「う、うす……」
2人からの圧に頷くことしかできなかった俺は首を勢いよく縦に振る。
その様子を見た2人が俺たちに背を向ける。
「はぁ、涼菜ちゃんも凛くんにアプローチするなんて……」
「ほんと、凛は可愛い娘を惚れさせる天才ね。あと何十人の女の子が敵になるんだろうか……」
そして何やらブツブツと言いながら監督のもとへ向かう2人。
「が、頑張れよー」
「愛甲さん、立花さん!頑張ってください!」
そんな2人に俺たちは声援を送った。
その最中、浜崎さんとの距離が近すぎるため歩きにくい思いをするが、隣にいる浜崎さんはそう思ってないようで可愛い笑顔を浮かべながら歩いていた。
「お疲れ、2人とも」
「とても良かったよ。凛くんの演技も涼菜ちゃんの演技も」
近づいてきた俺たちへ労いや感想を述べてくれるが、2人とも目が笑ってない。
「あ、ありがとう。2人とも」
「ありがとうございます!」
そんな2人を見て顔を引き攣りながら返答する俺と、2人から発せられる異常な雰囲気を全く感じてない浜崎さんが嬉しそうに返答する。
「2人とも仲がいいね。今日出会ったばかりとは思えないほどの距離感だよ」
「そ、そうだな。色々と話してる内に仲良くなったんだ」
「ウチの尊敬する役者さんの1人ですからね!色々とアドバイスをいただきました!」
「「ふーん」」
2人の声が被る。
そして俺にジト目を向ける。
「な、なんだよ?」
「ううん。可愛い女の子と仲良くなるのが上手だねって思っただけだよ」
「さすが子供の頃に神童と呼ばれた男ね。可愛い娘との距離を縮めることに関しては神がかってるわ」
「………」
褒められてるはずなのにトゲを感じる。
「は、浜崎さん?2人とも距離が近過ぎるって言ってるみたいだぞ?」
「そうですか?これくらい普通だと思いますけど……」
そう言ってさらに俺の方へ身体を寄せ、ついに俺の腕と浜崎さんの腕が“ピトっ”と触れ合った。
その瞬間、2人からの殺気が強まる。
「ひぃっ!えっ、えーっと……さ、最近の女子高生はこれくらいの距離感が普通らしいんだ。知らんけど……」
「「ふーん」」
『そんなわけないでしょ』と2人の目が訴えてる。
俺も絶対違うと思うが浜崎さんが離れてくれないので、話題を変えるしかない。
「そ、そういえば浜崎さんは2人に挨拶したのか?」
「はい!夏目さんへ挨拶する前にしてきました!」
「あ、そうですか……」
挨拶という名の自己紹介へと話題を変えれば解決すると思ったが、すでに挨拶をしていたようだ。
「涼菜ちゃんって可愛いからね。心の中ではこの状況に喜んでるんじゃないかな?」
「そうね。鼻の下が伸びまくってるわ。デレデレしてるのが丸わかりよ」
「そ、そんなことないぞ?」
「「ふーん」」
またしても2人からジト目をいただく。
(いやだってさ。浜崎さんからめっちゃ良い匂いするもん。俺の理性ぶっ壊しにきてるもん)
表情には出さないようにしていたが、2人には俺の心境がバレバレのようだ。
そんな俺を他所に…
「やった!夏目さんがウチにデレデレだって!」
と、嬉しそうな声をあげていた。
(浜崎さん、喜んでる場合じゃないからな。目の前にいる2人、今にも雷を落としそうな形相をしてるからな)
現状を全く理解していない浜崎さんに向けて心の中で呟く。
「で、凛くんはいつまで涼菜ちゃんとイチャイチャしてるの?今は撮影中なんだよ?」
「そうね。ここは撮影する場所よ。イチャイチャする場所じゃないんだから、はやく涼菜から離れて」
「う、うす……」
拒否権を与えない迫力を感じ、俺は逆らわずに浜崎さんの方を向く。
その際、何処かから…
「え、あの2人も撮影現場でイチャイチャしてるよな?」
「しーっ!今、修羅場だから関わったらダメよ!」
という言葉が聞こえてきた。
(見てるなら助けろや!)
「え、えーっと……浜崎さん?やっぱり距離が近いらしいよ?」
「ウチはそんなこと思わないのですが、夏目さんが困ってるようなので今日はこの辺りにします」
そう言って俺から距離を取る浜崎さん。
そのタイミングで…
「愛甲さん、立花さん。撮影始めるぞ」
との監督の声が聞こえてくる。
「ほ、ほら監督が呼んでるぞ」
俺は監督からの助け船に便乗し、話題を変える。
「う~っ!凛くん!涼菜ちゃんにデレデレしたらダメだよ!」
「涼菜に手を出したら……後でお仕置きね」
「う、うす……」
2人からの圧に頷くことしかできなかった俺は首を勢いよく縦に振る。
その様子を見た2人が俺たちに背を向ける。
「はぁ、涼菜ちゃんも凛くんにアプローチするなんて……」
「ほんと、凛は可愛い娘を惚れさせる天才ね。あと何十人の女の子が敵になるんだろうか……」
そして何やらブツブツと言いながら監督のもとへ向かう2人。
「が、頑張れよー」
「愛甲さん、立花さん!頑張ってください!」
そんな2人に俺たちは声援を送った。
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