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7章 凛くん争奪戦
選考会という名の修羅場 3
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「では収録内容の説明を行います」
皆んなが席につき簡単に自己紹介をした後、川端さんが資料を持ちながら話し始める。
「手元の資料にありますように、『夏目凛の初めてのおつかい』というコーナーは新企画となります」
『日本の果てまでイッテ来い』という番組は様々なコーナーが存在する。
その中の一つということで収録は月に1回程度。
放送も月に1回となっている。
「収録内容は事前に説明した通り、夏目さんが番組側から提示されたミッションをスマホを使わず、聞き込みだけで達成する内容です」
『~という地名の~の写真を撮れ』など、なかなか難しいミッションを用意しているようで、スマホを使わないと達成できないものばかり用意しているとのこと。
「難易度はかなり高めなのでヒント要員として選考会で選ばれた方、以降夏目ガールと呼びますが、選ばれた夏目ガールが撮影に同行します」
その他、細かい注意点等の説明を行う。
「何か質問等はありますか?」
「選考会で選ばれた人は凛くんの隣にいるだけですか?」
「はい。基本的に夏目さんの隣で夏目さんの話し相手をするだけです。一言で言えば夏目さんと日本全国をデートしてもらうだけですね」
“バチバチっ!”
その言葉を聞いた瞬間、女性陣の雰囲気が変わる。
「つまり選ばれた人は夏目様の話し相手となり、困った時は夏目様を助けるといった役割があるのですね」
「はい。夏目ガールに見せ場はあまりないので注目を集めて自分の知名度を上げることは難しいと思います。なので出演するメリットは夏目さんとスキャンダルを気にせずデートできることですね」
“バチバチバチっ!”
またしても女性陣の雰囲気が変わる。
(な、なんか気合い入ってんなぁ。俺とのデートが嬉しい……とかはあり得ないので、単に旅行したいだけだろう。立花さんとか俺のこと嫌ってるのに気合い入ってるからな)
そう思い、みんな旅行したいだけだと結論づける。
「他に何も質問がなければ皆さん気になっているであろう選考会の内容を説明します」
そう言って川端さんが話を続ける。
「まず初めに選考会の様子は撮影し、『日本の果てまでイッテ来い!』のYouT⚪︎beチャンネルに投稿します。問題ありませんか?」
「はい。事前に聞いてますので問題ありません」
みんなを代表して桃ちゃんが答える。
「ありがとうございます。では早速説明に入ります。今回の選考会は知力、体力、そして夏目さんとの仲の3つを点数化し、3つの合計が1番良かった方を夏目ガールに任命します」
そう言って詳しく説明してくれる。
「知力は文字通り知識力です。早押しクイズを行い、順位を付けさせていただきます。もちろん、年齢の1番若い浜崎さんが分かる範囲での問題となります」
5人の中で1番若いのが高校2年生の浜崎さん。次いで高校3年生の美奈。真奈美と立花さんが俺と同じ大学1年生で、桃ちゃんが1番年上の大学2年生だ。
(そういえば5人の学力は知らないな。桃ちゃんはお嬢様だから頭は良さそうだが……)
「次に体力です。これは障害物競走をしていただきます」
事前にスタッフたちが準備したようで、障害物競走で順位付けするようだ。
「最後に夏目さんとの仲です。これに関しては当日のお楽しみということでお願いします」
時間の関係上、俺との仲を調べるのは別日となるようで、日程調整は全員のマネージャーを通して行っている。
「何か質問はありますか?」
その言葉に俺たちは首を横に振る。
「では30分後、早押しクイズを始めます。呼びに来ますので、それまでコチラで休憩してください」
そう言って川端さんが部屋から出る。
「凛くんとの仲を調べるってどーやって調べるのかな?」
「私も気になるわ。凛は何か聞いてないの?」
「いや何も聞いてないぞ」
俺自身、どーやって皆んなと俺の仲を調べるのか気になっていた。
「まぁ、それは後のお楽しみってことにしとくわ。問題は知力と体力ね」
「そうだね。香帆ちゃんは知力と体力ってどうなの?」
「私は平均的ね。普通ってところよ」
「いいなぁ。私、体力には自信なくて…」
そう言って真奈美が肩を落とす。
「他のみんなはどうなんだ?」
「そうですね。私も体力は自信ありません。体力に自信がないからモデルの仕事をしてますので」
「私は知力に自信なしです。アイドルだから身体ばっかり動かしてたので」
「ウチも知力ですね。正直、学校のテストの点数は芳しくありません」
「なるほど…」
(これは面白くなりそうだ)
そんなことを思い笑みを見せる。
「あ、そうだ!凛くんに聞きたいことがあったんだ!」
「ん?なんだ?」
「凛くんはこの5人の中で誰が勝ち残ってほしい?」
「……え?」
「あっ!私も気になります!夏目様は誰とデートしたいのですか!?」
「デ、デート!?」
「ウチも気になります!夏目さんは誰とデートしたいんですかー?」
川端さんの言葉を聞き、俺との収録をデートと思っているらしい。
「え、えーっと……」
「はやく答えなさいよ。べ、別に私は凛に選ばれても全然嬉しくないけどね!」
嬉しくないと言いつつも返答内容は気になるようで、食い気味に立花さんが聞いてくる。
「リン様は誰とデートしたいですか?」
そう言って5人がジリジリと俺に詰め寄ってくる。
いつの間にか俺がデートしたい人に質問が変わっているが、5人とも気づいてる様子はない。
「え、えーっと……あっ!そういえば寧々が収録に来るって言ってたな!迎え行ってくる!」
「あっ、凛くん!」
質問に答えられなかった俺は寧々の名を使って逃げ出した。
皆んなが席につき簡単に自己紹介をした後、川端さんが資料を持ちながら話し始める。
「手元の資料にありますように、『夏目凛の初めてのおつかい』というコーナーは新企画となります」
『日本の果てまでイッテ来い』という番組は様々なコーナーが存在する。
その中の一つということで収録は月に1回程度。
放送も月に1回となっている。
「収録内容は事前に説明した通り、夏目さんが番組側から提示されたミッションをスマホを使わず、聞き込みだけで達成する内容です」
『~という地名の~の写真を撮れ』など、なかなか難しいミッションを用意しているようで、スマホを使わないと達成できないものばかり用意しているとのこと。
「難易度はかなり高めなのでヒント要員として選考会で選ばれた方、以降夏目ガールと呼びますが、選ばれた夏目ガールが撮影に同行します」
その他、細かい注意点等の説明を行う。
「何か質問等はありますか?」
「選考会で選ばれた人は凛くんの隣にいるだけですか?」
「はい。基本的に夏目さんの隣で夏目さんの話し相手をするだけです。一言で言えば夏目さんと日本全国をデートしてもらうだけですね」
“バチバチっ!”
その言葉を聞いた瞬間、女性陣の雰囲気が変わる。
「つまり選ばれた人は夏目様の話し相手となり、困った時は夏目様を助けるといった役割があるのですね」
「はい。夏目ガールに見せ場はあまりないので注目を集めて自分の知名度を上げることは難しいと思います。なので出演するメリットは夏目さんとスキャンダルを気にせずデートできることですね」
“バチバチバチっ!”
またしても女性陣の雰囲気が変わる。
(な、なんか気合い入ってんなぁ。俺とのデートが嬉しい……とかはあり得ないので、単に旅行したいだけだろう。立花さんとか俺のこと嫌ってるのに気合い入ってるからな)
そう思い、みんな旅行したいだけだと結論づける。
「他に何も質問がなければ皆さん気になっているであろう選考会の内容を説明します」
そう言って川端さんが話を続ける。
「まず初めに選考会の様子は撮影し、『日本の果てまでイッテ来い!』のYouT⚪︎beチャンネルに投稿します。問題ありませんか?」
「はい。事前に聞いてますので問題ありません」
みんなを代表して桃ちゃんが答える。
「ありがとうございます。では早速説明に入ります。今回の選考会は知力、体力、そして夏目さんとの仲の3つを点数化し、3つの合計が1番良かった方を夏目ガールに任命します」
そう言って詳しく説明してくれる。
「知力は文字通り知識力です。早押しクイズを行い、順位を付けさせていただきます。もちろん、年齢の1番若い浜崎さんが分かる範囲での問題となります」
5人の中で1番若いのが高校2年生の浜崎さん。次いで高校3年生の美奈。真奈美と立花さんが俺と同じ大学1年生で、桃ちゃんが1番年上の大学2年生だ。
(そういえば5人の学力は知らないな。桃ちゃんはお嬢様だから頭は良さそうだが……)
「次に体力です。これは障害物競走をしていただきます」
事前にスタッフたちが準備したようで、障害物競走で順位付けするようだ。
「最後に夏目さんとの仲です。これに関しては当日のお楽しみということでお願いします」
時間の関係上、俺との仲を調べるのは別日となるようで、日程調整は全員のマネージャーを通して行っている。
「何か質問はありますか?」
その言葉に俺たちは首を横に振る。
「では30分後、早押しクイズを始めます。呼びに来ますので、それまでコチラで休憩してください」
そう言って川端さんが部屋から出る。
「凛くんとの仲を調べるってどーやって調べるのかな?」
「私も気になるわ。凛は何か聞いてないの?」
「いや何も聞いてないぞ」
俺自身、どーやって皆んなと俺の仲を調べるのか気になっていた。
「まぁ、それは後のお楽しみってことにしとくわ。問題は知力と体力ね」
「そうだね。香帆ちゃんは知力と体力ってどうなの?」
「私は平均的ね。普通ってところよ」
「いいなぁ。私、体力には自信なくて…」
そう言って真奈美が肩を落とす。
「他のみんなはどうなんだ?」
「そうですね。私も体力は自信ありません。体力に自信がないからモデルの仕事をしてますので」
「私は知力に自信なしです。アイドルだから身体ばっかり動かしてたので」
「ウチも知力ですね。正直、学校のテストの点数は芳しくありません」
「なるほど…」
(これは面白くなりそうだ)
そんなことを思い笑みを見せる。
「あ、そうだ!凛くんに聞きたいことがあったんだ!」
「ん?なんだ?」
「凛くんはこの5人の中で誰が勝ち残ってほしい?」
「……え?」
「あっ!私も気になります!夏目様は誰とデートしたいのですか!?」
「デ、デート!?」
「ウチも気になります!夏目さんは誰とデートしたいんですかー?」
川端さんの言葉を聞き、俺との収録をデートと思っているらしい。
「え、えーっと……」
「はやく答えなさいよ。べ、別に私は凛に選ばれても全然嬉しくないけどね!」
嬉しくないと言いつつも返答内容は気になるようで、食い気味に立花さんが聞いてくる。
「リン様は誰とデートしたいですか?」
そう言って5人がジリジリと俺に詰め寄ってくる。
いつの間にか俺がデートしたい人に質問が変わっているが、5人とも気づいてる様子はない。
「え、えーっと……あっ!そういえば寧々が収録に来るって言ってたな!迎え行ってくる!」
「あっ、凛くん!」
質問に答えられなかった俺は寧々の名を使って逃げ出した。
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