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1章 プロローグ
間話〜出版社視点〜
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~坂口早苗視点~
時は『読者モデル』Styleの発売日である12月1日まで遡る。
私はとある出版社の社長を務めており、芸能プロダクション『ヒマワリ』で社長を務める山野明奈とは小さい頃からの幼馴染。
その縁あって以前から明奈と『読者モデル』Styleの出版に携わっていた。
そして10月31日に撮影されたStyleを12月1日に販売した。
すると…
『クロ様、カッコ良すぎ!』
『私、クロ様に一目惚れしちゃった!一目見ただけでファンになったよ!』
『クロ様イケメンすぎっ!ほんとStyle買えなかったのめっちゃ悔しいよーっ!』
『クロ様の表紙を眺め始めて3時間経ってるけど全然飽きない!それくらいのイケメンだよ!』
等々、様々な発言がSNS上で飛び交っており、どれも黒羽くんの容姿を褒め称える内容だった。
「私が名付けた『クロ様』という呼び名も定着してるみたいね」
『クロくん』と表紙に書くよりも『クロ様』と書いた方が読者ウケがいいと思い、明奈と話し合って『超絶イケメン、クロ様爆誕っ!』と表紙に書いた。
するとめちゃくちゃウケが良く、黒羽くんファンの間で『クロ様』呼びが定着した。
「撮られた写真を見て売れるとは思ったけど……これは凄すぎるね」
黒羽くんが表紙を飾ったおかげで売り切れ続出となっており、販売を開始して12時間で売ってる店を探す方が難しい状況となる。
中には発売から1時間も経たず、完売した店まであるらしい。
そのため、普段はほとんど鳴らない電話がずーっと鳴り続けている。
内容は増刷依頼や購入できなかった者たちの悲痛な叫びばかりだ。
「今の状況はどうなってるの?」
「はい。12時現在の状況を報告させていただきます」
社員の1人が私に報告してくれる。
「0時から発売しているコンビニでは入手不可能。10時から開店するTSU⚪︎AYAなどの本屋でも完売続出となっており、おそらく全ての店で完売したと思われます」
その報告に嬉しさを感じると同時に『もう少し増刷しとけば良かった』と後悔もする。
「発売前の注目度は皆無でしたが売り切れ続出となりました。その要因は……」
「黒羽くんのルックスよね」
「はい。実際、SNSでも『イケメンすぎて死ねる』といったコメントをたくさん見ました」
「ウチの社員も黒羽くんの写真にメロメロだからね」
そのおかげで女性社員全員が黒羽くんのファンとなり、全員が写真集を1部以上は購入している。
「引き続き売り上げ状況の確認をお願い」
「分かりました!」
一礼したのち、報告してくれた社員が持ち場に戻る。
「これは売り上げが楽しみね」
そう呟きながら、私は明奈にメッセージを送る。
『今日発売したStyleは増刷することになったから。それと黒羽くんって本当に芸能界で活動してないの?』
『あぁ。調べた限りだとしてないな。それに活動してれば絶対アタシらが気づいてる。しかも撮影時は「事務所を通してから~」等の発言もなかったらしい。だから99%所属してない』
『なら明奈のやる事は1つだね』
『あぁ。絶対、我が事務所に所属してもらう。そのため他の事務所に盗られないよう、黒羽くんの自宅まで神里を派遣する予定だ』
『お願いね。黒羽くんはウチの出版社も手放したくないから』
明奈も黒羽くんを事務所に所属させることのメリットを理解しているようで、早速行動に移ってくれた。
「これで黒羽くん関係の写真集は毎回私の出版社から出版できるかな。明奈がここ以外の出版社に依頼をしなければだけど。これは明奈に手厚いサービスをした方が良いかもしれないね」
そんなことを思いながら仕事に戻った。
時は『読者モデル』Styleの発売日である12月1日まで遡る。
私はとある出版社の社長を務めており、芸能プロダクション『ヒマワリ』で社長を務める山野明奈とは小さい頃からの幼馴染。
その縁あって以前から明奈と『読者モデル』Styleの出版に携わっていた。
そして10月31日に撮影されたStyleを12月1日に販売した。
すると…
『クロ様、カッコ良すぎ!』
『私、クロ様に一目惚れしちゃった!一目見ただけでファンになったよ!』
『クロ様イケメンすぎっ!ほんとStyle買えなかったのめっちゃ悔しいよーっ!』
『クロ様の表紙を眺め始めて3時間経ってるけど全然飽きない!それくらいのイケメンだよ!』
等々、様々な発言がSNS上で飛び交っており、どれも黒羽くんの容姿を褒め称える内容だった。
「私が名付けた『クロ様』という呼び名も定着してるみたいね」
『クロくん』と表紙に書くよりも『クロ様』と書いた方が読者ウケがいいと思い、明奈と話し合って『超絶イケメン、クロ様爆誕っ!』と表紙に書いた。
するとめちゃくちゃウケが良く、黒羽くんファンの間で『クロ様』呼びが定着した。
「撮られた写真を見て売れるとは思ったけど……これは凄すぎるね」
黒羽くんが表紙を飾ったおかげで売り切れ続出となっており、販売を開始して12時間で売ってる店を探す方が難しい状況となる。
中には発売から1時間も経たず、完売した店まであるらしい。
そのため、普段はほとんど鳴らない電話がずーっと鳴り続けている。
内容は増刷依頼や購入できなかった者たちの悲痛な叫びばかりだ。
「今の状況はどうなってるの?」
「はい。12時現在の状況を報告させていただきます」
社員の1人が私に報告してくれる。
「0時から発売しているコンビニでは入手不可能。10時から開店するTSU⚪︎AYAなどの本屋でも完売続出となっており、おそらく全ての店で完売したと思われます」
その報告に嬉しさを感じると同時に『もう少し増刷しとけば良かった』と後悔もする。
「発売前の注目度は皆無でしたが売り切れ続出となりました。その要因は……」
「黒羽くんのルックスよね」
「はい。実際、SNSでも『イケメンすぎて死ねる』といったコメントをたくさん見ました」
「ウチの社員も黒羽くんの写真にメロメロだからね」
そのおかげで女性社員全員が黒羽くんのファンとなり、全員が写真集を1部以上は購入している。
「引き続き売り上げ状況の確認をお願い」
「分かりました!」
一礼したのち、報告してくれた社員が持ち場に戻る。
「これは売り上げが楽しみね」
そう呟きながら、私は明奈にメッセージを送る。
『今日発売したStyleは増刷することになったから。それと黒羽くんって本当に芸能界で活動してないの?』
『あぁ。調べた限りだとしてないな。それに活動してれば絶対アタシらが気づいてる。しかも撮影時は「事務所を通してから~」等の発言もなかったらしい。だから99%所属してない』
『なら明奈のやる事は1つだね』
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『お願いね。黒羽くんはウチの出版社も手放したくないから』
明奈も黒羽くんを事務所に所属させることのメリットを理解しているようで、早速行動に移ってくれた。
「これで黒羽くん関係の写真集は毎回私の出版社から出版できるかな。明奈がここ以外の出版社に依頼をしなければだけど。これは明奈に手厚いサービスをした方が良いかもしれないね」
そんなことを思いながら仕事に戻った。
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