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38話 リナの元パーティーメンバーが追放されました
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報告を終えたあと、ギルド長の部屋へむかうとハンセンを含めたパーティーメンバーたちが、何故か正座で並んでいた。
オレとリナは話のすり合わせのために呼ばれたようだ。
「討伐お疲れ様だったね。悪いけど、少し話を聞かせてもらえるかな」
ギルド長はそういうと、オレたちをソファーへ座るようにうながした。目の前には、いれたての紅茶も出されている。
「それで、まずはリナをパーティーから外した時のことを聞かせてほしい。魔法を暴発させたリナがそのまま森の奥へ走って行って追いかけられなかったと、ハンセンは話しているんだけど事実かな?」
「え……違います。暴発したのは本当ですけど、森の中でパーティーから外されて、そのまま置いていかれました」
「ギルド長、オレもその辺は聞いてました。それで魔物がウヨウヨいる森だから、出口まで送っていこうと声をかけたんです」
「ふむ……なるほど」
「でも……それは仕方ないと思ってます。迷惑をかけていたのは事実ですから」
諦めたような顔で、リナは何でもないように話していた。そんなリナを見てると胸がチクチクと痛む。
「では、先程の受付前の騒ぎはどういう経緯だったか聞かせてほしい」
「あれはハンセンさんのパーティーに戻って来いっていわれて、断ったら腕を掴まれそうになったんです。それをカイトが止めてくれただけです」
ギルド長がセシルさんに視線をむけて、「事実か?」と確認をとる。
「間違いありません。付け加えるなら自分の思い通りにするために、リナを無理矢理襲うつもりだったと、自白してました」
この言葉にハンセンはビクッと肩を震わせた。そして彫刻のように動かない。
「ほぅ……それでカイトのあの殺気か。それは、わからなくもない」
「すみません……やり過ぎました」
オレは素直に頭を下げた。周りの人たちひとたちを巻き込んで、加減するのを忘れてしまったんだ。
「よし、わかった。それでは処分をいいわたす」
ギルド長はいつもの穏やかな表情ではなく、為政者としての顔で毅然と告げた。
「ハンセンパーティーはメンバー全員、プロキオンより追放とする。今後この街に立ち入ることは、僕が許さない。カイトは場所をわきまえず力を使い過ぎたため、3日間の謹慎とする」
「わかりました」
オレは当然だと処分を受け入れた。リュカオンの力はそんな風に使っちゃいけないんだ。自分の感情が抑えられないのは、自分の問題だ。
「そ、そんな……!」
「私の家族はプロキオンにいるのに、追放なんて!!」
「なんでですか!? ハンセンはわかるけど、なんで私たちまで!!」
「何故……? 一度は信頼して仲間にしたハンターを、魔物が多数潜んでいる森に、置き去りにしてくるようなヤツらを、僕がハンターだと認めると思っているのか?」
「「「…………」」」
静かだが反論を許さない強い口調に、誰もいい返せなかった。他の3人も俯いてジッとしていた。
さらにギルド長の言葉がつづく。
「いいか、家族を、街を、国を、大切なものを守りたいから、ハンターになるんだ! ランクや能力なんて関係ない。何かのために誰かのために自らの体を張るから、ハンターは尊敬され愛されるんだ! それができないなら、ハンターと名乗るな!!」
ギルド長の熱い想いが言葉とともに心に染み込んでくる。オレはこの街で、このギルド長の街でハンターになれてよかったと思ったんだ。
オレとリナは話のすり合わせのために呼ばれたようだ。
「討伐お疲れ様だったね。悪いけど、少し話を聞かせてもらえるかな」
ギルド長はそういうと、オレたちをソファーへ座るようにうながした。目の前には、いれたての紅茶も出されている。
「それで、まずはリナをパーティーから外した時のことを聞かせてほしい。魔法を暴発させたリナがそのまま森の奥へ走って行って追いかけられなかったと、ハンセンは話しているんだけど事実かな?」
「え……違います。暴発したのは本当ですけど、森の中でパーティーから外されて、そのまま置いていかれました」
「ギルド長、オレもその辺は聞いてました。それで魔物がウヨウヨいる森だから、出口まで送っていこうと声をかけたんです」
「ふむ……なるほど」
「でも……それは仕方ないと思ってます。迷惑をかけていたのは事実ですから」
諦めたような顔で、リナは何でもないように話していた。そんなリナを見てると胸がチクチクと痛む。
「では、先程の受付前の騒ぎはどういう経緯だったか聞かせてほしい」
「あれはハンセンさんのパーティーに戻って来いっていわれて、断ったら腕を掴まれそうになったんです。それをカイトが止めてくれただけです」
ギルド長がセシルさんに視線をむけて、「事実か?」と確認をとる。
「間違いありません。付け加えるなら自分の思い通りにするために、リナを無理矢理襲うつもりだったと、自白してました」
この言葉にハンセンはビクッと肩を震わせた。そして彫刻のように動かない。
「ほぅ……それでカイトのあの殺気か。それは、わからなくもない」
「すみません……やり過ぎました」
オレは素直に頭を下げた。周りの人たちひとたちを巻き込んで、加減するのを忘れてしまったんだ。
「よし、わかった。それでは処分をいいわたす」
ギルド長はいつもの穏やかな表情ではなく、為政者としての顔で毅然と告げた。
「ハンセンパーティーはメンバー全員、プロキオンより追放とする。今後この街に立ち入ることは、僕が許さない。カイトは場所をわきまえず力を使い過ぎたため、3日間の謹慎とする」
「わかりました」
オレは当然だと処分を受け入れた。リュカオンの力はそんな風に使っちゃいけないんだ。自分の感情が抑えられないのは、自分の問題だ。
「そ、そんな……!」
「私の家族はプロキオンにいるのに、追放なんて!!」
「なんでですか!? ハンセンはわかるけど、なんで私たちまで!!」
「何故……? 一度は信頼して仲間にしたハンターを、魔物が多数潜んでいる森に、置き去りにしてくるようなヤツらを、僕がハンターだと認めると思っているのか?」
「「「…………」」」
静かだが反論を許さない強い口調に、誰もいい返せなかった。他の3人も俯いてジッとしていた。
さらにギルド長の言葉がつづく。
「いいか、家族を、街を、国を、大切なものを守りたいから、ハンターになるんだ! ランクや能力なんて関係ない。何かのために誰かのために自らの体を張るから、ハンターは尊敬され愛されるんだ! それができないなら、ハンターと名乗るな!!」
ギルド長の熱い想いが言葉とともに心に染み込んでくる。オレはこの街で、このギルド長の街でハンターになれてよかったと思ったんだ。
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