夫のつとめ

藤谷 郁

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二人は仲良し?

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 手伝いを申し出たのは壮二だった。
 彼は利希のデスクに近づき、スマートフォンと一緒に放り出された資料を見下ろす。情報システム部ネットワーク管理課が作成した資料だ。

「ネットワーク管理課……セキュリティ専門の部署ですね。以前、営業部にシステムの説明に来られたので、大まかなことは分かります」
「本当か!」

 利希が勢いよく椅子を回し、彼に見向く。

「それならそうと早く言わないか。大まかでいいから、分かりやすく説明しろ」

 偉そうだが前向きな様子に、希美は文句を引っ込め、壮二に任せることにした。

「悪いわね」
「いえ、僕で良ければ喜んで。あ、スケジュール入力は終わりました。データ保存はまだですので、確認をお願いします」
「えっ、もう終わったの?」

 壮二はパソコンに慣れているのだろうか。それにしても仕事が早いので希美は感心する。

「何やってるんだ、南村。早く早く」
「はい、社長」

 壮二は椅子を運び、利希の隣にちょこんと座った。

「それでは、ご説明させていただきます」
「時間も無いことだし、大まかにな」
「承知いたしました」

 壮二は資料を手に取り、ぱらぱらとめくる。しかしぱたんと閉じると、デスクの上に戻した。

「ではまは、ノルテフーズのネットセキュリティについて……」

 いきなり話し始めた。これには利希も希美も面食らう。

「資料はいらんのか」
「ええ、すみません。今見たら専門用語が多くて、私ではうまく解説できないので」

 資料を横目で見やり、恥ずかしそうに笑った。

(専門用語……?)

 希美はハッとするが、何も言わず、二人のそばを離れた。
 パソコンの前に座り画面を確かめると、スケジュール入力は完璧で、しかも誤字が訂正してあった。
 壮二の穏やかな声が聞こえてくる。

「ノルテフーズは当初、ネットセキュリティを外部に委託しました。しかし経費がかかる上、情報管理面のリスクが高いということで、内部に専門部署を置くことになったのです。技術的な防衛はもちろん、web情報に関しても24時間監視しています」
「うむ。その辺は一応知ってるぞ。問題は、どうやって監視してるのかってことだな」

 利希の声も穏やかになった。希美はパソコンを操作しつつ、二人のやり取りに聞き耳を立てる。
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