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三通の招待状
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「希美さん、お久しぶりですね。急ぎの用件ではないのですが、あなたにお会いしたくて車を飛ばしてきました」
「それはどうも……」
甘ったるい顔立ちと、ひょろっとした体型。気障なセリフ。
ナルシストを絵に描いたようなこの男は、女はすべて自分の虜だと思っているのだろう。そうでなければ、これほど偉そうな態度は取れない。
はっきり言って、最も嫌いなタイプだ。
「ちなみにあれは、先月購入したばかりの新車です。なかなか洒落てるでしょう?」
幸一は自慢げに、門扉を塞ぐように路駐した車を指差す。
「はあ。とても先進的なデザインですね」
あの車も希美の趣味ではない。とりあえず褒めたのは社交辞令だ。
「ふふ……あなたを乗せてドライブに出かけたいのですが、レディを誘うには遅い時間だ。今夜はあきらめてください」
「へっ? あ、はあ……それは、残念なことで……」
(何なのこの人。どうして私があきらめる体になってるわけ?)
麗子から聞かされた、細野友光の若い頃にそっくりだと思った。親子揃って、とんでもない己惚れ屋である。
「ところで、北城社長にお伝えしていただく用件ですが、実はあなたにも関係があるのです」
「えっ?」
意味ありげな目つきで、幸一が見つめてくる。後ずさりしそうになるが、なんとかふんばった。
壮二がそばにいなければ、逃げ出しただろう。
「私に関係があるとは、どういうことでしょう」
「これです」
幸一がスーツの内ポケットから封筒を取り出した。全部で三通ある。
「一通はあなたに。どうぞ、ご覧になってください」
希美はいぶかりながらも、幸一に促されて封を開けた。壮二は後ろに控え、黙って様子を見ている。
「海山商事株式会社代表取締役社長、細野友光誕生記念パーティー……これは、招待状?」
「そう。海山商事では毎年、山梨の別荘で父の誕生パーティーを開いています。身内の他、取引先の重役も招待しているのですが、今年は北城家の皆さんもぜひお招きしたいと父が申しまして、こうしてお知らせに参ったわけです」
「それはわざわざ、ありがとうございます」
取引先社長の誕生パーティーとは、何とも気乗りしない話である。
希美は礼を言いながら断る口実を探すが、すぐには見つからない。せめて郵送ならば、考える余裕が持てたのに。
「あとの二通は、北城社長と奥様への招待状です」
差し出された封筒を、仕方なく受け取った。
「希美さん。出席してくださいますよね」
「え、ええ……」
「それはどうも……」
甘ったるい顔立ちと、ひょろっとした体型。気障なセリフ。
ナルシストを絵に描いたようなこの男は、女はすべて自分の虜だと思っているのだろう。そうでなければ、これほど偉そうな態度は取れない。
はっきり言って、最も嫌いなタイプだ。
「ちなみにあれは、先月購入したばかりの新車です。なかなか洒落てるでしょう?」
幸一は自慢げに、門扉を塞ぐように路駐した車を指差す。
「はあ。とても先進的なデザインですね」
あの車も希美の趣味ではない。とりあえず褒めたのは社交辞令だ。
「ふふ……あなたを乗せてドライブに出かけたいのですが、レディを誘うには遅い時間だ。今夜はあきらめてください」
「へっ? あ、はあ……それは、残念なことで……」
(何なのこの人。どうして私があきらめる体になってるわけ?)
麗子から聞かされた、細野友光の若い頃にそっくりだと思った。親子揃って、とんでもない己惚れ屋である。
「ところで、北城社長にお伝えしていただく用件ですが、実はあなたにも関係があるのです」
「えっ?」
意味ありげな目つきで、幸一が見つめてくる。後ずさりしそうになるが、なんとかふんばった。
壮二がそばにいなければ、逃げ出しただろう。
「私に関係があるとは、どういうことでしょう」
「これです」
幸一がスーツの内ポケットから封筒を取り出した。全部で三通ある。
「一通はあなたに。どうぞ、ご覧になってください」
希美はいぶかりながらも、幸一に促されて封を開けた。壮二は後ろに控え、黙って様子を見ている。
「海山商事株式会社代表取締役社長、細野友光誕生記念パーティー……これは、招待状?」
「そう。海山商事では毎年、山梨の別荘で父の誕生パーティーを開いています。身内の他、取引先の重役も招待しているのですが、今年は北城家の皆さんもぜひお招きしたいと父が申しまして、こうしてお知らせに参ったわけです」
「それはわざわざ、ありがとうございます」
取引先社長の誕生パーティーとは、何とも気乗りしない話である。
希美は礼を言いながら断る口実を探すが、すぐには見つからない。せめて郵送ならば、考える余裕が持てたのに。
「あとの二通は、北城社長と奥様への招待状です」
差し出された封筒を、仕方なく受け取った。
「希美さん。出席してくださいますよね」
「え、ええ……」
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