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幼なじみ襲来!
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「愛ゆえに……それはまことか。天地神明に誓えるのか、織人殿」
「もちろん誓えるとも。俺は奈々子を愛している。愛するがゆえに全力で策略を練り、絶対に逃げられないよう囲い込んだ。見合いから結婚まで、強引にね」
(お、織人さん?)
そんな風に言ったら、私を騙して罠にはめたみたい……ていうか、表現が悪すぎる。
策略も囲い込みも事実だけれど、かどわかしとは違う。
それに、最終的に結婚を決めたのは私だ。あらゆる無茶ぶりを受け入れられたのは、相手が織人さんだから。
(そうだよ、花ちゃん。織人さんだから……)
彼という人間に私は救われた。めちゃくちゃで、わがままで、だけど私を肯定してくれる。強引だからこそ、過去にとらわれたままの私が前に進むことができたのだ。
とにかく、このままではいけない。間に入って補足しなければ。織人さんがどんな人なのか、本当の意味で理解してもらうように。
「え……?」
花ちゃんが微笑んでいる。
なぜか嬉しそうに、目元を和ませて。
「ふん、バカ正直な男じゃ。のう、奈々子」
「花ちゃん?」
ぽかんとする私に、彼女はうなずいた。わかっておる、と言うように。
「ストレートな男は好感が持てる。だが、まだ格好をつけておるな。奈々子の親友であるわしの前で遠慮は無用ぞ」
花ちゃんがスマホを取り出し、ささっと操作する。そして、ある画面を表示させて、テーブルの上に置いた。
どういうことか分からず、織人さんと一緒に覗き込んでみるとーー
「これはお主であろう。正体を表すが良いわ、この化け猿が!」
「えええっ!?」
二人同時に叫んだ。
花ちゃんが見せた画面。それは、見覚えのありすぎる動画。
猿のマスクに黒のタイツ。筋骨隆々の身体。飛び散る汗。
雪の中で鍛錬する「キング」だった。
「奈々子、俺のチャンネルを教えたのか!?」
「いいえ、教えていません!」
それだけは花ちゃんにも言ってない。キングのチャンネルは三保コンフォートのトップシークレットなのだ。
「それなら、なんでバレてるんだ……まさか、知らぬ間に情報が漏れていたとか?」
花ちゃんが立ち上がり、珍しく狼狽する織人さんを悠然と見下ろす。
「お主、奈々子と初めて出会った日、猿のマスクに素っ裸だったそうだな。それがヒントになったわ」
あっと思った。
私は花ちゃんに、雪の中で遭遇した変質者が、実は織人さんだったことを話した。
だけど、ウーチューバとは言ってない。
それなのになぜ、織人さんがキングであると特定できたのだろうか。
「……」
しばし考え、織人さんと顔を見合わせた。
できるかも……しれない?
「猿のマスク、裸、妖怪、そしてマッチョ! 奈々子から聞いた話をハッシュタグにして検索したらコレが出てきた。ウーチューブに誘導されて見てみれば、マスクにタイツの化け猿が、雪の降りしきる湖のほとりで狂ったように暴れまくっておる。ここは、奈々子が旅した信州の高原であろう」
「そう……です」
花ちゃんは興奮し早口でまくしたて、私と言えば、もはや頷くことしかできない。
「今日、本人を目の当たりにして確信した。この体格、この身のこなし。織人殿がキングに相違ないとな」
「体格で確信? 俺は服を着るとスリムに見えるんだがな」
確かにそのとおり。織人さんはいわゆる『脱いだらすごい』タイプで、一見スラリとして見える。
首を傾げる私たちに、花ちゃんが理由を聞かせた。
「剣術家としての研ぎ澄まされた眼は、防具の下まで見透かし、相手の実力をはかることが可能なのじゃ。そこらの素人と一緒にするでないわ!」
「えぇ……?」
そんな能力があったとは……初めて知る親友の特技だった。
「もちろん誓えるとも。俺は奈々子を愛している。愛するがゆえに全力で策略を練り、絶対に逃げられないよう囲い込んだ。見合いから結婚まで、強引にね」
(お、織人さん?)
そんな風に言ったら、私を騙して罠にはめたみたい……ていうか、表現が悪すぎる。
策略も囲い込みも事実だけれど、かどわかしとは違う。
それに、最終的に結婚を決めたのは私だ。あらゆる無茶ぶりを受け入れられたのは、相手が織人さんだから。
(そうだよ、花ちゃん。織人さんだから……)
彼という人間に私は救われた。めちゃくちゃで、わがままで、だけど私を肯定してくれる。強引だからこそ、過去にとらわれたままの私が前に進むことができたのだ。
とにかく、このままではいけない。間に入って補足しなければ。織人さんがどんな人なのか、本当の意味で理解してもらうように。
「え……?」
花ちゃんが微笑んでいる。
なぜか嬉しそうに、目元を和ませて。
「ふん、バカ正直な男じゃ。のう、奈々子」
「花ちゃん?」
ぽかんとする私に、彼女はうなずいた。わかっておる、と言うように。
「ストレートな男は好感が持てる。だが、まだ格好をつけておるな。奈々子の親友であるわしの前で遠慮は無用ぞ」
花ちゃんがスマホを取り出し、ささっと操作する。そして、ある画面を表示させて、テーブルの上に置いた。
どういうことか分からず、織人さんと一緒に覗き込んでみるとーー
「これはお主であろう。正体を表すが良いわ、この化け猿が!」
「えええっ!?」
二人同時に叫んだ。
花ちゃんが見せた画面。それは、見覚えのありすぎる動画。
猿のマスクに黒のタイツ。筋骨隆々の身体。飛び散る汗。
雪の中で鍛錬する「キング」だった。
「奈々子、俺のチャンネルを教えたのか!?」
「いいえ、教えていません!」
それだけは花ちゃんにも言ってない。キングのチャンネルは三保コンフォートのトップシークレットなのだ。
「それなら、なんでバレてるんだ……まさか、知らぬ間に情報が漏れていたとか?」
花ちゃんが立ち上がり、珍しく狼狽する織人さんを悠然と見下ろす。
「お主、奈々子と初めて出会った日、猿のマスクに素っ裸だったそうだな。それがヒントになったわ」
あっと思った。
私は花ちゃんに、雪の中で遭遇した変質者が、実は織人さんだったことを話した。
だけど、ウーチューバとは言ってない。
それなのになぜ、織人さんがキングであると特定できたのだろうか。
「……」
しばし考え、織人さんと顔を見合わせた。
できるかも……しれない?
「猿のマスク、裸、妖怪、そしてマッチョ! 奈々子から聞いた話をハッシュタグにして検索したらコレが出てきた。ウーチューブに誘導されて見てみれば、マスクにタイツの化け猿が、雪の降りしきる湖のほとりで狂ったように暴れまくっておる。ここは、奈々子が旅した信州の高原であろう」
「そう……です」
花ちゃんは興奮し早口でまくしたて、私と言えば、もはや頷くことしかできない。
「今日、本人を目の当たりにして確信した。この体格、この身のこなし。織人殿がキングに相違ないとな」
「体格で確信? 俺は服を着るとスリムに見えるんだがな」
確かにそのとおり。織人さんはいわゆる『脱いだらすごい』タイプで、一見スラリとして見える。
首を傾げる私たちに、花ちゃんが理由を聞かせた。
「剣術家としての研ぎ澄まされた眼は、防具の下まで見透かし、相手の実力をはかることが可能なのじゃ。そこらの素人と一緒にするでないわ!」
「えぇ……?」
そんな能力があったとは……初めて知る親友の特技だった。
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