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幼なじみ襲来!(続)
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しおりを挟む「な、何ということじゃ。今頃になって、しかも、たまたま訪れた横浜であの女と遭遇するとは……というより、腐った性根がまったく直っておらん。再会するやいなや虐めをおっ始めただと?」
話を聞き終えた花ちゃんは、膝に置いた拳を震わせ、歯をギリギリと鳴らした。
ものすごく怒っている。
「西野綾華は相変わらず、息を吐くように嘘をつき、ピラニアのように毒々しく奈々子に食いついたのさ。ガキの頃と変わらない、クソ女のままだ」
合いの手を入れる織人さんに、花ちゃんが深くうなずく。
「それで、あやつが再び奈々子に執着し、接触してくると言うのだな」
夏樹が訪ねて来たことや、実家周りをうろつく怪しい男についても花ちゃんに話した。
心配させたくなかったけれど、織人さんに促されて。また、花ちゃんもすべて知りたがったのだ。
「俺が思うに、あの女ならやりかねん。いずれにしろ、用心するに越したことはないだろ」
「うむ、そのとおりじゃ。しかし、織人殿」
花ちゃんがあらたまった様子で、彼と向き合う。
「西野と遭遇した日、お主がいてくれて本当に良かった。奈々子がパニックから立ち直れたのは、お主がしっかりと支えてくれたからじゃ。親友として、心から礼を申し上げる」
「よしてくれ。パートナーとして当然のことをしたまでだよ」
「いや、それだけではない。怪しい男についても、妻を守るためにすぐさま警備体制を整えるとは、さすがの行動力。そこまで動ける者はそうそうおらん」
「それも当然のことだ。俺は愛する妻を全力で守る。いつ、どんな時でも」
織人さんは力強く言い、私を熱く見つめてくる。花ちゃんの前なのに、あまりにも真剣な眼差しすぎて、かなり恥ずかしい。
だけど花ちゃんは、そんな彼に感動したようだ。
「その意気や良し! わしも今度こそ奈々子を守ってみせるぞ。力を合わせて、クソ女をやっつけようではないか!!」
「おう。花ちゃんと俺で奈々子をクソ女から守り抜く。やってやるぜ!!」
二人が立ち上がり、がっしりと手を組む。どちらも綾華と闘う気マンマンである。
「奈々子。そなた、まことに良い漢と結ばれたのう。織人殿がそばにいると思えば、わしも安心じゃ」
「う、うん。でもあの、花ちゃん。綾華が何がしてくるっていうのは、まだ推測の段階だし、心配しすぎないでね」
そう、まだ確定ではない。限りなく可能性が高いというだけで。
「いいや、織人殿が申されたとおり、あの女ならやりかねん。用心するに越したことはないゆえ、そなたも重々気をつけるのだぞ。よいな?」
織人さんに負けず劣らず、花ちゃんも熱血漢だ。こうなったら承知する他なく、素直に守られることにする。
それで安心できるのは、確かだから。
「よっしゃ! 奈々子を守るための心強い同志を得たぞ。花ちゃん、あらためてよろしくな」
「うむ。こちらこそよろしく頼むぞ、織人殿!」
二人が豪快に笑い合ったその時、スマホの着信音が鳴った。
織人さんのスマホである。
「こんなタイミングで、誰だ一体……ん?」
発信者の表示を見て、目をぱちくりとさせた。
その珍しい表情を、花ちゃんも笑いを収めて一緒に見守る。
「もしもし、どうした翼。何かあったのか」
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