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2 マクレナン侯爵の思惑
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今年二十五歳になるノアには愛人が二人いる。一人は子爵家出身のアナベル。もう一人は男爵家出身のナタリア。二人とはレイチェルと結婚する前からの仲だ。
ノアの父である現当主の侯爵は二人の存在を知るや否や、間違ってもどちらとの間にも子を作るなと釘を刺した。結婚など以ての外だと。
侯爵にとって、身分が低すぎる男爵家や子爵家の娘を嫁として家に迎え入れることなどあってはならないことだったのだ。しかも少し両家を調べると、直ぐにつまらない家だと判明した。
世間的には可もなく不可もないように見えるが、踏み込んだところまで探れば両家とも資金繰りは厳しい。領地運営も上手くいっていなければ、特筆するような商才もないということだ。そんな両家では先が見えている。今後突如両家が化けることなどあり得ない。
侯爵はノアに次期当主となるべく幼少の頃から多くの教育を与えた。どの家庭教師からもお墨付きもらう程優秀で、九歳で入学した男子貴族用の寄宿学校でも常に成績上位を保っていた。それなのに、選りに選ってつまらない家の女に引っかかってしまったのだ。
資産と歴史がある侯爵家の息子に近づく下級貴族の娘の魂胆など誰にでも分かりそうなものなのに。勉強は出来るというのに、ノアは全く分かっていなかったようだ。
二人は是が非でもノアの子を身篭ろうとするだろう。庶子だとしても男児が産まれれば、その後の流れによっては彼女達の立場は変わってくるのだから。そんなことは、侯爵からしたら面倒事以外の何物でもない。
最終的に、侯爵は二人をお手当程度でノアに囲わせた。反対しすぎて、ノアに反発心から隠れて子でも作られたら堪らないと思ったのだ。近くで囲わせておけば、監視もしやすい。万が一胎が膨れた時もこっそり逸早く対応出来るだろう。
二人の愛人を容認している体をとりながら、侯爵はノアの婚約者探しを本格的に始め出した。
そして、デビューしたばかりのレイチェルに目を付けたのだった。
伯爵家以上で領地運営がまあまあ上手くいっている家をいくつか見繕った時からレイチェルの存在は知っていたが、実物は実家で疎んじられているとは思えない程美しかった。これなら、アナベルやナタリアに現を抜かしているノアもレイチェルへ切り替えるのではないかと思える程。
侯爵はすぐにレイチェルとノアとの婚約を結びたいと伯爵家へ手紙を送った。しかも、持参金等不要な上、共同事業を行いたいという好条件を提示して。
侯爵のシナリオはレイチェルを条件で侯爵家に縛り付け、先に若さを失うアナベルとナタリアにノアが愛想を尽かすのを待つというものだった。
ノアは分かっていない、房事がそれなりに出来るようになっているということはそれだけ男を知っているということに。初なレイチェルの味を知ったら、それはそれで楽しめるであろうことを。それどころか新雪に踏み入るように、自分好みに仕立て上げることがどれだけ楽しいか。
ノアの父である現当主の侯爵は二人の存在を知るや否や、間違ってもどちらとの間にも子を作るなと釘を刺した。結婚など以ての外だと。
侯爵にとって、身分が低すぎる男爵家や子爵家の娘を嫁として家に迎え入れることなどあってはならないことだったのだ。しかも少し両家を調べると、直ぐにつまらない家だと判明した。
世間的には可もなく不可もないように見えるが、踏み込んだところまで探れば両家とも資金繰りは厳しい。領地運営も上手くいっていなければ、特筆するような商才もないということだ。そんな両家では先が見えている。今後突如両家が化けることなどあり得ない。
侯爵はノアに次期当主となるべく幼少の頃から多くの教育を与えた。どの家庭教師からもお墨付きもらう程優秀で、九歳で入学した男子貴族用の寄宿学校でも常に成績上位を保っていた。それなのに、選りに選ってつまらない家の女に引っかかってしまったのだ。
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最終的に、侯爵は二人をお手当程度でノアに囲わせた。反対しすぎて、ノアに反発心から隠れて子でも作られたら堪らないと思ったのだ。近くで囲わせておけば、監視もしやすい。万が一胎が膨れた時もこっそり逸早く対応出来るだろう。
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