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2-18 悪辣な悪役令嬢はお金が大好き? ②
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ぼくも、周りの人間も、口をあんぐり開けてしまって。
ただ、後ろにいるアルフレドは、なにやら笑いをこらえている気配がするが。
空気を読まない公女の口は、止まる気配がなかった。
「陛下も、悪辣悪役令嬢が危険をかえりみず、孤島からの脱出を手助けしてくれたから、金銭目当ての打算が透けて見えていても、仕方なく、婚約者にしなければならなかったのだろうけど。そんな人への愛情なんか、きっと一切ないわ」
グサッ。公女の言葉に人知れず傷つく、ぼく。
ええぇ? ぼくが手助けしたから、恩義で仕方なく婚約したのですか? 陛下ッ。
「陛下は、魔法を制御するのに、彼女の力が必要だから、悪辣悪役令嬢との婚約話を、受け入れるしかなかったのだわ」
グサッ。確かに、陛下の炎魔法を鎮火できるのは、公爵家の魔法ですけど。
それを盾にして、婚約を迫ったわけではありません。
でも、陛下は脅されたと感じたのでしょうか? 陛下ッッ。
「それに、その令嬢。見た目はパッとしない容姿だって、噂じゃない? きっと、顔に悪辣がにじみ出ているのね?」
グサグサッ。そんなっ、本当のことを、さらりと話に混ぜないでくださいっ。
モブがパッとしないのは、当たり前じゃないですか。
否定できません。陛下ぁ(泣)。
「だから私が、王妃様が前国王にされたように。今の陛下をお支えし、愛にあふれる生活が、どのようなものか。温かい幸せとは、どのようなものか。教えて差し上げたいの。きっと、陛下は愛のない婚約に、心が冷え切っているはずなのよ。そんなの、悲しいじゃない? クロウ様は、陛下とお親しいのでしょう? お友達なら、陛下の幸せを願っていただけるわよね? どうか、陛下のために。私の恋路のお手伝いをしてくださいな?」
「心が、冷え切って? 陛下…そ、そうなのですか?」
「「「そんなわけないでしょ」」」
あえぐようにつぶやいたぼくに、なんか、この話を聞いていた、多くの皆様が、一斉にツッコんだ。
ひえっ、な、なにごとですか?
「貴方の目は節穴ですか? 陛下が貴方を見る目が、見ているこちらは、砂糖を吐きそうなくらい、甘く蕩けているというのに、見えていないんですかっ?」
と、ベルナルドが言い。
いえ、見えてはいるのです。
まさか、ぼくへ向けられているとは、思いませんが。こちらを見ている、デロデロ甘々な、愛しげな海色の眼差し。
「陛下の愛を信じられないのなら、とっとと破談にいたしますよ、兄上」
と、シオンに怒られ。
いえ、陛下を信じていないわけではなく。
ぼくは、ぼくがどうにも自信がないだけなのです。
「どんだけ自信がないんですか? クロウ様。陰キャにも、ほどがありますっ」
と、いつの間にかそばに来ていた、アイリスにも責められた。
い、陰キャは、いいじゃないですかっ。治せるものでもありませんし。
でも…す、すみませぇん。
「つか、黙って聞いていれば。貴方、クロウ様を直接攻撃するなんて、ひどい仕打ちじゃないの?」
アイリスは、怒って吊り上げている目を、ぼくからリーリアに移した。
リーリアは、なんで私を怒るの? と、わかっていない様子で、首を傾げる。
「私、攻撃なんてしていないわ? 私はクロウ様とお友達になって、陛下を紹介してもらおうと思って…」
「クロウ様こそが、陛下の婚約者なの。貴方が言うところの、悪辣悪役令嬢よ。クロウ様は、全然悪辣なんかじゃないけどね。クロウ様が陛下の想い人だと知らない人なんか。王都にはいないのよ!」
オレンジの髪を揺らして、アイリスが言い切る。
いやいやぁ? みんな知っているっていうのは、ちょっと言い過ぎじゃない? っと思ったけれど。
食堂の中にいる生徒はみんな、うなずいていた。
そうなの?
まぁ、ここにいる貴族子女は、陛下の生還おめでとうパーティーに、大半は出席していただろう。
ぼくは陛下と、夜会でファーストダンスを踊ったから。
知っている人は、知っているかな?
「ええ? なにをおっしゃっているの? クロウ様が陛下の婚約者? クロウ様は男性じゃないの。王族が同性の結婚相手なんか、選ぶはずはないじゃない?」
リーリアは、この人馬鹿なの? と言うかのような見下げた感じで、アイリスを見た。
うぅ。また、同性の結婚相手を選ぶはずない、というキラーワードに。ぼくは、密かにぐっさり刺された。
「カザレニアでは、同性の結婚が認められているわ。貴方、なにもご存じないのね? クロウ様は陛下の、凍てついた心を、その温かい心根でときほぐして、陛下に生きる希望を示したのよ? 国王、ひいてはカザレニア国の大恩人なの。それに、アイキンのヘビーユーザーなら、クロウフィーバーを知らないわけない。もしかして、にわか、なのかしらぁ?」
アイリスが、リーリアを転生者と決めつけて、キモなことを言っちゃったよ?
でも、リーリアは首を傾げる。
「クロウフィーバー? ってなんですか?」
あぁ、それを知らないなら。もしかしたら転生者じゃないのかもね?
でも、ぼくと同じ、にわか、かもしれないのか。
うーん。この反応では判断つかないな。
あれ? でもこの人、悪役令嬢って言っちゃってたな。やっぱ転生者だな。
すると、アイリスが。この紋所が目に入らぬか、な勢いで。机に新聞を広げた。
その新聞には、一面に、ぼくと陛下の肖像画が書かれていて。
えぇ? なんですか、これ?
なんか、仲睦まじく、寄り添っているのですが。これはいつのときですか?
つか、ぼくの顔、こんなに綺麗じゃないですぅ。これはかなり盛られていますぅ。嘘記事になっちゃいますよっ。
それはともかく。
八月一日に、大聖堂にて結婚式が行われることが正式に決まりましたぁ。って、書いてあるよ?
そうなの? 本人が知らないって、どういうことですか?
「号外の記事が出たって、王宮の方が、持ってきてくださって。それを車止めまで取りに行っていたら、ランチタイムに遅れちゃったのよ。でも、食堂でこんな騒ぎになっているとか。びっくりしたわ。とにかく、この号外、差し上げますから。陛下と仕立て屋クロウ・エイデンの、身分違いのラブストーリー…からのぉ? クロウ・エイデンは、実は公爵子息だったぁ。国王と対の者。誰もが納得のハッピーウェディング…って、全部書いてあるから。読み込んでから、出直していらっしゃぁぁい?」
リーリアは、アイリスに押しつけられた号外を握り締めて。プルプル震えると。席を立って、食堂を出て行った。
おおぉ、アイリスが、主人公ちゃんⅡを撃退してくれた。
ありがとう、女神様。いや、聖女様。良かったぁ。
ぼくが、ホッと息をつくと。
背後でアルフレドが、お腹を抱えて笑い出した。
「ク、クロウが、悪辣悪役令嬢? この、頭に花を咲かせた、のほほんさんが? 悪辣? 一周回って笑えるんだが?」
かかか、という変な笑い声に、食堂の中の緊迫した空気もやわらぎ。
シャーロットとアイリスが食事の席について。いつものランチタイムが、ようやく始まった。
「っていうか、兄上。なぜ、話を聞くとか、言っちゃうんですか? ぼくは陛下に、あの女を兄上に近づけるなって、厳命を受けているんですけど?」
「そうだったのか? ごめん。なんか、アルフレドがキレてたから。外交問題、待ったなしだと思って…」
シオンに答えたら、笑いのツボから立ち直ったアルフレドが、給仕をしながら言い訳した。
「あんまりウゼェから、キレたけど。外交問題になるようなヘマはしねぇよ。騎士が学内に入れない代わりに、俺が影ながら陛下の警護についているんだからな。陛下の手をわずらわせることは、俺はしないから。安心しろよな? クロウ」
そう言って、皿に山盛りのビーフストロガノフを盛る。
もう。そんなに食べられないよっ。
「でも、アイリス。せっかくもらってきた号外、渡しちゃって。良かったのか?」
「大丈夫よ、予備にいっぱい貰ってきているの」
ビラッと、十枚ほど見せると。机に座る男子勢が、みんな手を出した。
「その、肖像画。兄上の顔立ちがとても緻密に書かれていて、すごいです。ぜひ分けてください」
特に、シオンがぐいぐい来る。
いや、似ていないと思うけど。ま、記念に取っておきなさい。ブラコンの弟よ。
アイリスから号外をもらった面々は、みんなホクホクしていた。
そんなに? 確かに、陛下の麗しいお姿が、見事に描かれていますけど。
隣のぼくが、誇大広告寸前だからなぁ?
「っていうか、クロウ様。見て見て。なにか、気づかない?」
気づく? 号外を見て? なにか載っているの?
ぼくが首をひねっていると。
「これ、畑野こやし先生のタッチよ。絶対、そうよ。ヘビーユーザーの私が保証するわ。先生もきっと、この世界のどこかに転生しているのよっ」
ギョギョッ、と思って。よく見てみる。
確かに、アイキンのパッケージの陛下と、この記事の陛下が、よく似ている。
いや、陛下は。肖像画のまんま、というか。ぼくと、この肖像画は、似ていないような気がするけど?
「んじゃ、もしかして。クロウフィーバーのクロウは、この顔なの?」
「? そうよ」
アイリスが、若干きょとん顔で、うなずく。
あぁ、なるほど。
畑野こやし先生が、この世界にいるとして。
ぼくを見ていなくて。
クロウフィーバーになったなら、こんな感じって。絵を描いたんだな?
クロウフィーバーのクロウは、モブ顔じゃないようだし。
なら、綺麗すぎるぼくの絵も、納得です。
きっと、ぼくがモブ顔なのを、先生は知らないのでしょうね? うん。
それにしても、悪辣悪役令嬢の話から、ひょんなことで畑野こやし先生の話になって。話のふり幅広くてびっくりしちゃうね。
とにかく、主人公ちゃんの攻撃を穏便に回避できて、良かった良かった。
ただ、後ろにいるアルフレドは、なにやら笑いをこらえている気配がするが。
空気を読まない公女の口は、止まる気配がなかった。
「陛下も、悪辣悪役令嬢が危険をかえりみず、孤島からの脱出を手助けしてくれたから、金銭目当ての打算が透けて見えていても、仕方なく、婚約者にしなければならなかったのだろうけど。そんな人への愛情なんか、きっと一切ないわ」
グサッ。公女の言葉に人知れず傷つく、ぼく。
ええぇ? ぼくが手助けしたから、恩義で仕方なく婚約したのですか? 陛下ッ。
「陛下は、魔法を制御するのに、彼女の力が必要だから、悪辣悪役令嬢との婚約話を、受け入れるしかなかったのだわ」
グサッ。確かに、陛下の炎魔法を鎮火できるのは、公爵家の魔法ですけど。
それを盾にして、婚約を迫ったわけではありません。
でも、陛下は脅されたと感じたのでしょうか? 陛下ッッ。
「それに、その令嬢。見た目はパッとしない容姿だって、噂じゃない? きっと、顔に悪辣がにじみ出ているのね?」
グサグサッ。そんなっ、本当のことを、さらりと話に混ぜないでくださいっ。
モブがパッとしないのは、当たり前じゃないですか。
否定できません。陛下ぁ(泣)。
「だから私が、王妃様が前国王にされたように。今の陛下をお支えし、愛にあふれる生活が、どのようなものか。温かい幸せとは、どのようなものか。教えて差し上げたいの。きっと、陛下は愛のない婚約に、心が冷え切っているはずなのよ。そんなの、悲しいじゃない? クロウ様は、陛下とお親しいのでしょう? お友達なら、陛下の幸せを願っていただけるわよね? どうか、陛下のために。私の恋路のお手伝いをしてくださいな?」
「心が、冷え切って? 陛下…そ、そうなのですか?」
「「「そんなわけないでしょ」」」
あえぐようにつぶやいたぼくに、なんか、この話を聞いていた、多くの皆様が、一斉にツッコんだ。
ひえっ、な、なにごとですか?
「貴方の目は節穴ですか? 陛下が貴方を見る目が、見ているこちらは、砂糖を吐きそうなくらい、甘く蕩けているというのに、見えていないんですかっ?」
と、ベルナルドが言い。
いえ、見えてはいるのです。
まさか、ぼくへ向けられているとは、思いませんが。こちらを見ている、デロデロ甘々な、愛しげな海色の眼差し。
「陛下の愛を信じられないのなら、とっとと破談にいたしますよ、兄上」
と、シオンに怒られ。
いえ、陛下を信じていないわけではなく。
ぼくは、ぼくがどうにも自信がないだけなのです。
「どんだけ自信がないんですか? クロウ様。陰キャにも、ほどがありますっ」
と、いつの間にかそばに来ていた、アイリスにも責められた。
い、陰キャは、いいじゃないですかっ。治せるものでもありませんし。
でも…す、すみませぇん。
「つか、黙って聞いていれば。貴方、クロウ様を直接攻撃するなんて、ひどい仕打ちじゃないの?」
アイリスは、怒って吊り上げている目を、ぼくからリーリアに移した。
リーリアは、なんで私を怒るの? と、わかっていない様子で、首を傾げる。
「私、攻撃なんてしていないわ? 私はクロウ様とお友達になって、陛下を紹介してもらおうと思って…」
「クロウ様こそが、陛下の婚約者なの。貴方が言うところの、悪辣悪役令嬢よ。クロウ様は、全然悪辣なんかじゃないけどね。クロウ様が陛下の想い人だと知らない人なんか。王都にはいないのよ!」
オレンジの髪を揺らして、アイリスが言い切る。
いやいやぁ? みんな知っているっていうのは、ちょっと言い過ぎじゃない? っと思ったけれど。
食堂の中にいる生徒はみんな、うなずいていた。
そうなの?
まぁ、ここにいる貴族子女は、陛下の生還おめでとうパーティーに、大半は出席していただろう。
ぼくは陛下と、夜会でファーストダンスを踊ったから。
知っている人は、知っているかな?
「ええ? なにをおっしゃっているの? クロウ様が陛下の婚約者? クロウ様は男性じゃないの。王族が同性の結婚相手なんか、選ぶはずはないじゃない?」
リーリアは、この人馬鹿なの? と言うかのような見下げた感じで、アイリスを見た。
うぅ。また、同性の結婚相手を選ぶはずない、というキラーワードに。ぼくは、密かにぐっさり刺された。
「カザレニアでは、同性の結婚が認められているわ。貴方、なにもご存じないのね? クロウ様は陛下の、凍てついた心を、その温かい心根でときほぐして、陛下に生きる希望を示したのよ? 国王、ひいてはカザレニア国の大恩人なの。それに、アイキンのヘビーユーザーなら、クロウフィーバーを知らないわけない。もしかして、にわか、なのかしらぁ?」
アイリスが、リーリアを転生者と決めつけて、キモなことを言っちゃったよ?
でも、リーリアは首を傾げる。
「クロウフィーバー? ってなんですか?」
あぁ、それを知らないなら。もしかしたら転生者じゃないのかもね?
でも、ぼくと同じ、にわか、かもしれないのか。
うーん。この反応では判断つかないな。
あれ? でもこの人、悪役令嬢って言っちゃってたな。やっぱ転生者だな。
すると、アイリスが。この紋所が目に入らぬか、な勢いで。机に新聞を広げた。
その新聞には、一面に、ぼくと陛下の肖像画が書かれていて。
えぇ? なんですか、これ?
なんか、仲睦まじく、寄り添っているのですが。これはいつのときですか?
つか、ぼくの顔、こんなに綺麗じゃないですぅ。これはかなり盛られていますぅ。嘘記事になっちゃいますよっ。
それはともかく。
八月一日に、大聖堂にて結婚式が行われることが正式に決まりましたぁ。って、書いてあるよ?
そうなの? 本人が知らないって、どういうことですか?
「号外の記事が出たって、王宮の方が、持ってきてくださって。それを車止めまで取りに行っていたら、ランチタイムに遅れちゃったのよ。でも、食堂でこんな騒ぎになっているとか。びっくりしたわ。とにかく、この号外、差し上げますから。陛下と仕立て屋クロウ・エイデンの、身分違いのラブストーリー…からのぉ? クロウ・エイデンは、実は公爵子息だったぁ。国王と対の者。誰もが納得のハッピーウェディング…って、全部書いてあるから。読み込んでから、出直していらっしゃぁぁい?」
リーリアは、アイリスに押しつけられた号外を握り締めて。プルプル震えると。席を立って、食堂を出て行った。
おおぉ、アイリスが、主人公ちゃんⅡを撃退してくれた。
ありがとう、女神様。いや、聖女様。良かったぁ。
ぼくが、ホッと息をつくと。
背後でアルフレドが、お腹を抱えて笑い出した。
「ク、クロウが、悪辣悪役令嬢? この、頭に花を咲かせた、のほほんさんが? 悪辣? 一周回って笑えるんだが?」
かかか、という変な笑い声に、食堂の中の緊迫した空気もやわらぎ。
シャーロットとアイリスが食事の席について。いつものランチタイムが、ようやく始まった。
「っていうか、兄上。なぜ、話を聞くとか、言っちゃうんですか? ぼくは陛下に、あの女を兄上に近づけるなって、厳命を受けているんですけど?」
「そうだったのか? ごめん。なんか、アルフレドがキレてたから。外交問題、待ったなしだと思って…」
シオンに答えたら、笑いのツボから立ち直ったアルフレドが、給仕をしながら言い訳した。
「あんまりウゼェから、キレたけど。外交問題になるようなヘマはしねぇよ。騎士が学内に入れない代わりに、俺が影ながら陛下の警護についているんだからな。陛下の手をわずらわせることは、俺はしないから。安心しろよな? クロウ」
そう言って、皿に山盛りのビーフストロガノフを盛る。
もう。そんなに食べられないよっ。
「でも、アイリス。せっかくもらってきた号外、渡しちゃって。良かったのか?」
「大丈夫よ、予備にいっぱい貰ってきているの」
ビラッと、十枚ほど見せると。机に座る男子勢が、みんな手を出した。
「その、肖像画。兄上の顔立ちがとても緻密に書かれていて、すごいです。ぜひ分けてください」
特に、シオンがぐいぐい来る。
いや、似ていないと思うけど。ま、記念に取っておきなさい。ブラコンの弟よ。
アイリスから号外をもらった面々は、みんなホクホクしていた。
そんなに? 確かに、陛下の麗しいお姿が、見事に描かれていますけど。
隣のぼくが、誇大広告寸前だからなぁ?
「っていうか、クロウ様。見て見て。なにか、気づかない?」
気づく? 号外を見て? なにか載っているの?
ぼくが首をひねっていると。
「これ、畑野こやし先生のタッチよ。絶対、そうよ。ヘビーユーザーの私が保証するわ。先生もきっと、この世界のどこかに転生しているのよっ」
ギョギョッ、と思って。よく見てみる。
確かに、アイキンのパッケージの陛下と、この記事の陛下が、よく似ている。
いや、陛下は。肖像画のまんま、というか。ぼくと、この肖像画は、似ていないような気がするけど?
「んじゃ、もしかして。クロウフィーバーのクロウは、この顔なの?」
「? そうよ」
アイリスが、若干きょとん顔で、うなずく。
あぁ、なるほど。
畑野こやし先生が、この世界にいるとして。
ぼくを見ていなくて。
クロウフィーバーになったなら、こんな感じって。絵を描いたんだな?
クロウフィーバーのクロウは、モブ顔じゃないようだし。
なら、綺麗すぎるぼくの絵も、納得です。
きっと、ぼくがモブ顔なのを、先生は知らないのでしょうね? うん。
それにしても、悪辣悪役令嬢の話から、ひょんなことで畑野こやし先生の話になって。話のふり幅広くてびっくりしちゃうね。
とにかく、主人公ちゃんの攻撃を穏便に回避できて、良かった良かった。
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