145 / 176
番外 モブから略奪? リーリア・ブランの野望 ⑤
しおりを挟む
◆モブから略奪? リーリア・ブランの野望 ⑤
本当に、信じられないわ。これはどういう展開なのかしら?
っていうか、モブが陛下と結婚とか、同性結婚以上にあり得なくない?
モブよ? 考えられないわ。
アイリスに、正面から怒られてしまって。私は、悔しさにワナワナ震えて。食堂を出て行くしかなかった。
信じられないくらいの敗北感よ。
…つか、なんでアイリスは、前作の主人公なのに。アイキンⅡの主人公である、私の味方をしてくれないのかしら?
なんか、いろいろ言っていたけれど。
アイキンのヘビーユーザー、なんて言葉を出してくるのだから、アイリスも転生者なんでしょ? 協力してよっ。
だけど、もしかして。攻略対象にアルフレドが入っていたから、アイリスは手助けしてくれないのかもしれないわね。
っていうか、なんで、前作でアイリスに攻略済みのアルフレドが、陛下の影、第五の攻略対象者なのよ?
普通、アイキンⅡになったら、キャラ総入れ替えになるはずでしょ?
アイキンⅠのキャラが、アイキンⅡのシークレットキャラになるとか、知らんがな。
がえんじないって言われたとき、ブモブモ音が鳴ったから。
たぶん、絶対、攻略対象なのよね?
私がゲームでやったときは。第五の攻略対象は。
一回目は、教師の中に紛れていて。二回目は、学園の庭を整える庭師だった。
学園の敷地の奥の方には、森があって。そこで、陛下とプチ遭難イベントがあるのだけど。
そこにシークレットキャラが、助けに来るのよ。
君が陛下を守ってくれたのかい? ありがとうって。私に感謝するのだけど。
陛下と森に行く前に、がえんじない、喰らっちゃったわ。
たかがゲームで、そんなにバリエーションがあるわけないと思って。
教師か庭師に、狙いを定めていたのよぅ。
アルフレドは、完全に想定外だったわ?
あぁ、もう駄目。逆ハーは。
それどころか。攻略対象が、もう陛下と、カッツェしか、残っていないわ。どうしたらいいの?
とほほ、と。食堂の扉を出ると。出入り口付近に座っていた生徒の声が、漏れ聞こえてくる。
「あの人、クロウ様のこと、知らないの? 毎日のように、新聞に、クロウ様と陛下のなれそめ記事とか出てるのに」
「ほら、留学生だから。カザレニアの新聞は読まないのよ」
「仕立て屋クロウと、陛下の、身分違いの恋。の記事が。私、好きなのよねぇ? 男性であるクロウ様を、伴侶だと、全国民に知らせた、陛下の男らしさ。たまらないわぁ。王都に響き渡った、陛下のお声。今思い出しても、胸が震えるの」
「私は、幽閉状態にあって、死を覚悟した陛下が。クロウ様の支えによって、生きる希望を見出した、っていう記事が好きよ。クロウ様がいなかったら、陛下は失意の中、本土に渡る気になれなかったかもしれないのだもの。まさに、カザレニアの民をも救った、英雄よね?」
なによ、それ。陛下のお心を支えるのは、陛下に愛を教えるのは、私の役目のはずなのに。
なんでモブが、もう陛下を救っちゃっているの?
私は唇をかみしめ、教室へ向かうと。そこで号外を読み込んだ。
そこには、陛下とクロウの、孤島でのラブストーリーが、まるで見てきたかのように、記事に書かれていた。
仕立て屋のクロウが、献身的な愛で陛下を支えた…という話も書いてある。
えっ? 元仕立て屋って、今の王妃様の話じゃないの?
私が勘違いしていたってこと?
それって、陛下とクロウのことを、知らぬ間に私、憧れていたってことになるじゃん。
っ違いますから。憧れていませんから。ノーカウントでお願いします。
あと、新聞には。守銭奴の悪辣侯爵令嬢のことは、全く書かれていなかった。
私がアイキンⅡをやったときは。そういうあらすじだったわよぉ?
侯爵令嬢によって、島から救い出されたものの。
令嬢は、散財がひどくて。
恩義に従い、婚約はしたけれど。彼女に愛情を感じたことは、一度もない。って、陛下が主人公に愚痴るの。
あああぁっ、ここじゃない?
だって、クロウが陛下を助け出したかもしれないけれど。男同士だもの。愛情なんか、湧くわけないって。
ここは、乙女ゲームの世界なんだから。
男でモブの仕立て屋が、まかり間違って悪役侯爵令嬢の地位にいる。それこそが、バグじゃない?
そうに決まっているわ。
それに、陛下はカザレニア国王だし。王族は、御世継ぎを生み育てることこそが、責務じゃない?
そうよ。八月の結婚式までに、陛下と仲良くなれれば。本当の愛情を、陛下に知ってもらえたら。
そうしたら、八月、結婚式を挙げるのは、クロウじゃなくて、私。
陛下と私の結婚式になるじゃない?
やった。やれる。まだ、変えられるわ。
ってか、もう勝ったも同然じゃね?
男のクロウと、公女の私の差し替えなんて、簡単でしょう?
今は、この記事を読むと、陛下はクロウに寄り添って、仲睦まじく見えるけど。
肖像画は、ただの創作の絵だし。
新聞記事も、上からの依頼で誇張して書くこともできるでしょ? 本当かウソかわからないわよ。
それに、これは確実なことだけど。クロウに御世継ぎは産めないじゃない。
陛下だって、私が目の前に現れれば、世継ぎを産めないクロウなんかさっさと捨てて、私を好きになってくれるはずよ。
家格も最高、魔力も潤沢、なにより女性。
なんていったって、アイキンの主人公だし。選ばない理由がないわ。
それに、きっと、ゲームの強制力だって、あるはずよ。
いいわ。逆ハーは、ちょっと欲張りだったかもね?
これからは、陛下の攻略を集中して行うわ。
アイキンの公式だって、いつまでもモブをのさばらせておく気はないはずよ。
早く、強制力ってやつで。私を、陛下の婚約者に据えてみせてちょうだい?
さぁ、張り切っていきましょう。次、次ぃ。
本当に、信じられないわ。これはどういう展開なのかしら?
っていうか、モブが陛下と結婚とか、同性結婚以上にあり得なくない?
モブよ? 考えられないわ。
アイリスに、正面から怒られてしまって。私は、悔しさにワナワナ震えて。食堂を出て行くしかなかった。
信じられないくらいの敗北感よ。
…つか、なんでアイリスは、前作の主人公なのに。アイキンⅡの主人公である、私の味方をしてくれないのかしら?
なんか、いろいろ言っていたけれど。
アイキンのヘビーユーザー、なんて言葉を出してくるのだから、アイリスも転生者なんでしょ? 協力してよっ。
だけど、もしかして。攻略対象にアルフレドが入っていたから、アイリスは手助けしてくれないのかもしれないわね。
っていうか、なんで、前作でアイリスに攻略済みのアルフレドが、陛下の影、第五の攻略対象者なのよ?
普通、アイキンⅡになったら、キャラ総入れ替えになるはずでしょ?
アイキンⅠのキャラが、アイキンⅡのシークレットキャラになるとか、知らんがな。
がえんじないって言われたとき、ブモブモ音が鳴ったから。
たぶん、絶対、攻略対象なのよね?
私がゲームでやったときは。第五の攻略対象は。
一回目は、教師の中に紛れていて。二回目は、学園の庭を整える庭師だった。
学園の敷地の奥の方には、森があって。そこで、陛下とプチ遭難イベントがあるのだけど。
そこにシークレットキャラが、助けに来るのよ。
君が陛下を守ってくれたのかい? ありがとうって。私に感謝するのだけど。
陛下と森に行く前に、がえんじない、喰らっちゃったわ。
たかがゲームで、そんなにバリエーションがあるわけないと思って。
教師か庭師に、狙いを定めていたのよぅ。
アルフレドは、完全に想定外だったわ?
あぁ、もう駄目。逆ハーは。
それどころか。攻略対象が、もう陛下と、カッツェしか、残っていないわ。どうしたらいいの?
とほほ、と。食堂の扉を出ると。出入り口付近に座っていた生徒の声が、漏れ聞こえてくる。
「あの人、クロウ様のこと、知らないの? 毎日のように、新聞に、クロウ様と陛下のなれそめ記事とか出てるのに」
「ほら、留学生だから。カザレニアの新聞は読まないのよ」
「仕立て屋クロウと、陛下の、身分違いの恋。の記事が。私、好きなのよねぇ? 男性であるクロウ様を、伴侶だと、全国民に知らせた、陛下の男らしさ。たまらないわぁ。王都に響き渡った、陛下のお声。今思い出しても、胸が震えるの」
「私は、幽閉状態にあって、死を覚悟した陛下が。クロウ様の支えによって、生きる希望を見出した、っていう記事が好きよ。クロウ様がいなかったら、陛下は失意の中、本土に渡る気になれなかったかもしれないのだもの。まさに、カザレニアの民をも救った、英雄よね?」
なによ、それ。陛下のお心を支えるのは、陛下に愛を教えるのは、私の役目のはずなのに。
なんでモブが、もう陛下を救っちゃっているの?
私は唇をかみしめ、教室へ向かうと。そこで号外を読み込んだ。
そこには、陛下とクロウの、孤島でのラブストーリーが、まるで見てきたかのように、記事に書かれていた。
仕立て屋のクロウが、献身的な愛で陛下を支えた…という話も書いてある。
えっ? 元仕立て屋って、今の王妃様の話じゃないの?
私が勘違いしていたってこと?
それって、陛下とクロウのことを、知らぬ間に私、憧れていたってことになるじゃん。
っ違いますから。憧れていませんから。ノーカウントでお願いします。
あと、新聞には。守銭奴の悪辣侯爵令嬢のことは、全く書かれていなかった。
私がアイキンⅡをやったときは。そういうあらすじだったわよぉ?
侯爵令嬢によって、島から救い出されたものの。
令嬢は、散財がひどくて。
恩義に従い、婚約はしたけれど。彼女に愛情を感じたことは、一度もない。って、陛下が主人公に愚痴るの。
あああぁっ、ここじゃない?
だって、クロウが陛下を助け出したかもしれないけれど。男同士だもの。愛情なんか、湧くわけないって。
ここは、乙女ゲームの世界なんだから。
男でモブの仕立て屋が、まかり間違って悪役侯爵令嬢の地位にいる。それこそが、バグじゃない?
そうに決まっているわ。
それに、陛下はカザレニア国王だし。王族は、御世継ぎを生み育てることこそが、責務じゃない?
そうよ。八月の結婚式までに、陛下と仲良くなれれば。本当の愛情を、陛下に知ってもらえたら。
そうしたら、八月、結婚式を挙げるのは、クロウじゃなくて、私。
陛下と私の結婚式になるじゃない?
やった。やれる。まだ、変えられるわ。
ってか、もう勝ったも同然じゃね?
男のクロウと、公女の私の差し替えなんて、簡単でしょう?
今は、この記事を読むと、陛下はクロウに寄り添って、仲睦まじく見えるけど。
肖像画は、ただの創作の絵だし。
新聞記事も、上からの依頼で誇張して書くこともできるでしょ? 本当かウソかわからないわよ。
それに、これは確実なことだけど。クロウに御世継ぎは産めないじゃない。
陛下だって、私が目の前に現れれば、世継ぎを産めないクロウなんかさっさと捨てて、私を好きになってくれるはずよ。
家格も最高、魔力も潤沢、なにより女性。
なんていったって、アイキンの主人公だし。選ばない理由がないわ。
それに、きっと、ゲームの強制力だって、あるはずよ。
いいわ。逆ハーは、ちょっと欲張りだったかもね?
これからは、陛下の攻略を集中して行うわ。
アイキンの公式だって、いつまでもモブをのさばらせておく気はないはずよ。
早く、強制力ってやつで。私を、陛下の婚約者に据えてみせてちょうだい?
さぁ、張り切っていきましょう。次、次ぃ。
131
あなたにおすすめの小説
悪役側のモブになっても推しを拝みたい。【完結】
瑳来
BL
大学生でホストでオタクの如月杏樹はホストの仕事をした帰り道、自分のお客に刺されてしまう。
そして、気がついたら自分の夢中になっていたBLゲームのモブキャラになっていた!
……ま、推しを拝めるからいっか! てな感じで、ほのぼのと生きていこうと心に決めたのであった。
ウィル様のおまけにて完結致しました。
長い間お付き合い頂きありがとうございました!
俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード
中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。
目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。
しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。
転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。
だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。
そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。
弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。
そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。
颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。
「お前といると、楽だ」
次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。
「お前、俺から逃げるな」
颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。
転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。
これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。
続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』
かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、
転生した高校時代を経て、無事に大学生になった――
恋人である藤崎颯斗と共に。
だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。
「付き合ってるけど、誰にも言っていない」
その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。
モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、
そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。
甘えたくても甘えられない――
そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。
過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの
じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。
今度こそ、言葉にする。
「好きだよ」って、ちゃんと。
BLゲームの世界でモブになったが、主人公とキャラのイベントがおきないバグに見舞われている
青緑三月
BL
主人公は、BLが好きな腐男子
ただ自分は、関わらずに見ているのが好きなだけ
そんな主人公が、BLゲームの世界で
モブになり主人公とキャラのイベントが起こるのを
楽しみにしていた。
だが攻略キャラはいるのに、かんじんの主人公があらわれない……
そんな中、主人公があらわれるのを、まちながら日々を送っているはなし
BL要素は、軽めです。
裏乙女ゲー?モブですよね? いいえ主人公です。
みーやん
BL
何日の時をこのソファーと過ごしただろう。
愛してやまない我が妹に頼まれた乙女ゲーの攻略は終わりを迎えようとしていた。
「私の青春学園生活⭐︎星蒼山学園」というこのタイトルの通り、女の子の主人公が学園生活を送りながら攻略対象に擦り寄り青春という名の恋愛を繰り広げるゲームだ。ちなみに女子生徒は全校生徒約900人のうち主人公1人というハーレム設定である。
あと1ヶ月後に30歳の誕生日を迎える俺には厳しすぎるゲームではあるが可愛い妹の為、精神と睡眠を削りながらやっとの思いで最後の攻略対象を攻略し見事クリアした。
最後のエンドロールまで見た後に
「裏乙女ゲームを開始しますか?」
という文字が出てきたと思ったら目の視界がだんだんと狭まってくる感覚に襲われた。
あ。俺3日寝てなかったんだ…
そんなことにふと気がついた時には視界は完全に奪われていた。
次に目が覚めると目の前には見覚えのあるゲームならではのウィンドウ。
「星蒼山学園へようこそ!攻略対象を攻略し青春を掴み取ろう!」
何度見たかわからないほど見たこの文字。そして気づく現実味のある体感。そこは3日徹夜してクリアしたゲームの世界でした。
え?意味わかんないけどとりあえず俺はもちろんモブだよね?
これはモブだと勘違いしている男が実は主人公だと気付かないまま学園生活を送る話です。
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。
【完結】薄幸文官志望は嘘をつく
七咲陸
BL
サシャ=ジルヴァールは伯爵家の長男として産まれるが、紫の瞳のせいで両親に疎まれ、弟からも蔑まれる日々を送っていた。
忌々しい紫眼と言う両親に幼い頃からサシャに魔道具の眼鏡を強要する。認識阻害がかかったメガネをかけている間は、サシャの顔や瞳、髪色までまるで別人だった。
学園に入学しても、サシャはあらぬ噂をされてどこにも居場所がない毎日。そんな中でもサシャのことを好きだと言ってくれたクラークと言う茶色の瞳を持つ騎士学生に惹かれ、お付き合いをする事に。
しかし、クラークにキスをせがまれ恥ずかしくて逃げ出したサシャは、アーヴィン=イブリックという翠眼を持つ騎士学生にぶつかってしまい、メガネが外れてしまったーーー…
認識阻害魔道具メガネのせいで2人の騎士の間で別人を演じることになった文官学生の恋の話。
全17話
2/28 番外編を更新しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる