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2-25 剣術大会っ! ②
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剣術大会が行われる、屋外の剣闘技場は。前世的に言うと、自然公園なんかに併設されている球場、くらいの大きさだ。
ドーム球場とか、オリンピックで使われる陸上競技場とか、そういうものを見知っているぼくとしては、ちょっと小さめに感じるが。
一学園にある施設としては、大きい方なのだろうな?
だから、前列にいれば、舞台中央で戦う選手は、それなりに大きく見えるし。声や息遣いも、耳をすませば、聞こえる。それぐらいの距離感です。
剣術大会は、トーナメント制。
右の山には、陛下がいて。
左の山には、シオンとカッツェがいる。
シオンとカッツェは、勝ち上がっていったら、準決勝で当たるみたい。
わぁ、どうなっちゃうんだろうなぁ?
トーナメント表を見て、ウキウキしていたら。
どこからか、視線を感じて。
顔を上げると、ちょっと離れた場所にいた公女様が、ぼくを睨んでいた。
なんか、鼻で笑われたような?
せっかくの愛らしい主人公顔なのに、そんなに嫌な感じに歪ませたら、もったいないですよ?
公女の目つきに、シヴァーディが気づいたようで。
視線を遮るように、ぼくの横に座ってくれた。
「陛下のご婚約者様は、命に代えても、私がお守りしますよ」
銀髪キラキラのシヴァーディに、騎士のストイックな表情で言われてしまったら。ぼくのハートがどっきゅんします。
いえ、陛下。これは浮気ではありません。
人間なら当然の、誰もが起こりうる、どっきゅんなので、仕方がないのです。
「はわわ、からかわないでください、シヴァーディ様。大袈裟ですよ。でも、ありがとうございます」
警護のお礼を言うと、フと笑みを見せてくれるから。ぼくも彼に笑いかけた。
しかししかし。今度は違う方から、なにやら刺さる視線を感じて。反対側に顔を向けると。
アイリスとマリーが、こちらをガン見していた。
「やだっ、シヴァ×クロは考えたことがなかったけど。これもなかなか、いいわね?」
「でも、マリー。シヴァ×クロは、もはや百合。アイキンではない展開ですわ?」
「それがいいのよ、アイリス。頭の中の妄想は、私たちだけの楽しみ。どのようにも膨らませて良いの。そしてそれが、表現の幅をより深めるのよぉ?」
「さすが、先生。勉強になります」
いや…アイリス。今、なんの勉強をしているんだい? つか、百合じゃないしぃ。
そうしているうちに、試合が始まり。大歓声の中、さっそく陛下が登場した。
生徒のみなさんは、騎士服に似たデザインのものながら、ベージュ色で質素な制服を身に着けているが。
陛下は紺色の、騎士団長の服に似せたものを、着用している。
ぼくが仕立てたのです。うふふ。
陛下は人前では、上質な夜会服や、盛装を着ることが多い。
普段は、白シャツ黒ズボンだけど。
だからぁ、ここは。コスプレ製作者の本領発揮というかぁ?
国王である陛下が、騎士服を着たら? なんて。そんな美味しいイベントを、スルーできないわけですよ。
まぁ、いろいろ? ぼくの花嫁衣装の刺繍や、一学期末のダンスパーティー用の正装や、作らなければならないものは目白押しですけど。
ここは頑張りましたよっ。
今、着ている、セドリック騎士団長の騎士服は。本土に渡ったあと、新調したものだ。
一般の騎士服は、生徒たちが着るクリーム色に近いベージュより、もうちょっと濃いめの、薄茶なのだが。
セドリックは王城でも、騎士団長仕様の、えんじ色で。装飾も見事なものを着用していた。
新調した騎士服は、王城にいたときよりも色鮮やかで、パリッとしている。
それと色違いのものを、ぼくは陛下にお作りしたわけ。
白い衣装も、陛下はお似合いですが。
やはり、色目を暗くおさえると、燃える黄金の髪がより美しく輝いて見えるので。素敵です。
ちなみに、横に座る副長のシヴァーディも、えんじ色を着用している。
えんじ色は、セドリック直属の騎士が着用できる、誉れ高い色なんだってさ。
なので、機会はないとは思いますが。
ぼくは…シヴァーディの銀髪には、思い切って、黒のシックな騎士服とか、似合うと思うんですけどねぇ?
なんて、考えているうちに。陛下と、生徒との試合が始まりましたっ。
が。たったの一振りで。陛下は、相手の剣を弾き飛ばしてしまって。
結局、十秒も舞台に立っていなかった。
えぇ? もう終わりですか? もっと陛下の雄姿が見たかったです。
まぁ、そんな感じで。陛下は、生徒たちをバッタバッタと倒し。あっという間に、決勝進出を決めたのだった。
さすがです、陛下ッ。
そして、シオンとカッツェも、順当に勝ち上がっていき。
いよいよ、ふたりの準決勝戦です。
でもさ、ぼくは。空気を読んでしまうわけですよ。
学園側としては、騎士科の首席であるカッツェと、陛下の、決勝対決を期待していたんだと思うんだよね?
それで、トーナメントの山を分けたんだと思うんだよね?
空気を読んでっ、シオン。
でも、シオンは。わざと負けるとか、できない子だからなぁ?
真っすぐに育ててしまったからな。
なにやら、対戦しながら、肖像画、とか。資格なし、とか言って。剣を振っているけど。
結局、シオンの、スピード力のある剣筋を見切ることが出来なくて。カッツェは場外に落されてしまった。
剣術大会主催者さん、うちの弟が、すみませんんん。
勝ち名乗りをあげたシオン。
そこに、陛下が出てきて。舞台を見上げる。
「陛下。兄上の前で、コテンパンにやっつけて差し上げます」
「我を見下ろすとは、不敬なやつめ。我こそ、おまえの鼻っ柱を、ポッキリと折ってやる。生意気な弟に手を焼く、クロウのお達しだ」
そう言って、陛下は舞台に上がり、シオンと睨み合った。
そうだっ。陛下っ、シオンなんか、けちょんけちょんにしてっ、ぼくの兄の威厳を取り返してください!
バチバチに鋭く、熱い視線をかわすふたりを目にし。
観客は。今日一番の歓声を上げる。
剣術大会は、クライマックスに向かって盛り上がっていった。
ドーム球場とか、オリンピックで使われる陸上競技場とか、そういうものを見知っているぼくとしては、ちょっと小さめに感じるが。
一学園にある施設としては、大きい方なのだろうな?
だから、前列にいれば、舞台中央で戦う選手は、それなりに大きく見えるし。声や息遣いも、耳をすませば、聞こえる。それぐらいの距離感です。
剣術大会は、トーナメント制。
右の山には、陛下がいて。
左の山には、シオンとカッツェがいる。
シオンとカッツェは、勝ち上がっていったら、準決勝で当たるみたい。
わぁ、どうなっちゃうんだろうなぁ?
トーナメント表を見て、ウキウキしていたら。
どこからか、視線を感じて。
顔を上げると、ちょっと離れた場所にいた公女様が、ぼくを睨んでいた。
なんか、鼻で笑われたような?
せっかくの愛らしい主人公顔なのに、そんなに嫌な感じに歪ませたら、もったいないですよ?
公女の目つきに、シヴァーディが気づいたようで。
視線を遮るように、ぼくの横に座ってくれた。
「陛下のご婚約者様は、命に代えても、私がお守りしますよ」
銀髪キラキラのシヴァーディに、騎士のストイックな表情で言われてしまったら。ぼくのハートがどっきゅんします。
いえ、陛下。これは浮気ではありません。
人間なら当然の、誰もが起こりうる、どっきゅんなので、仕方がないのです。
「はわわ、からかわないでください、シヴァーディ様。大袈裟ですよ。でも、ありがとうございます」
警護のお礼を言うと、フと笑みを見せてくれるから。ぼくも彼に笑いかけた。
しかししかし。今度は違う方から、なにやら刺さる視線を感じて。反対側に顔を向けると。
アイリスとマリーが、こちらをガン見していた。
「やだっ、シヴァ×クロは考えたことがなかったけど。これもなかなか、いいわね?」
「でも、マリー。シヴァ×クロは、もはや百合。アイキンではない展開ですわ?」
「それがいいのよ、アイリス。頭の中の妄想は、私たちだけの楽しみ。どのようにも膨らませて良いの。そしてそれが、表現の幅をより深めるのよぉ?」
「さすが、先生。勉強になります」
いや…アイリス。今、なんの勉強をしているんだい? つか、百合じゃないしぃ。
そうしているうちに、試合が始まり。大歓声の中、さっそく陛下が登場した。
生徒のみなさんは、騎士服に似たデザインのものながら、ベージュ色で質素な制服を身に着けているが。
陛下は紺色の、騎士団長の服に似せたものを、着用している。
ぼくが仕立てたのです。うふふ。
陛下は人前では、上質な夜会服や、盛装を着ることが多い。
普段は、白シャツ黒ズボンだけど。
だからぁ、ここは。コスプレ製作者の本領発揮というかぁ?
国王である陛下が、騎士服を着たら? なんて。そんな美味しいイベントを、スルーできないわけですよ。
まぁ、いろいろ? ぼくの花嫁衣装の刺繍や、一学期末のダンスパーティー用の正装や、作らなければならないものは目白押しですけど。
ここは頑張りましたよっ。
今、着ている、セドリック騎士団長の騎士服は。本土に渡ったあと、新調したものだ。
一般の騎士服は、生徒たちが着るクリーム色に近いベージュより、もうちょっと濃いめの、薄茶なのだが。
セドリックは王城でも、騎士団長仕様の、えんじ色で。装飾も見事なものを着用していた。
新調した騎士服は、王城にいたときよりも色鮮やかで、パリッとしている。
それと色違いのものを、ぼくは陛下にお作りしたわけ。
白い衣装も、陛下はお似合いですが。
やはり、色目を暗くおさえると、燃える黄金の髪がより美しく輝いて見えるので。素敵です。
ちなみに、横に座る副長のシヴァーディも、えんじ色を着用している。
えんじ色は、セドリック直属の騎士が着用できる、誉れ高い色なんだってさ。
なので、機会はないとは思いますが。
ぼくは…シヴァーディの銀髪には、思い切って、黒のシックな騎士服とか、似合うと思うんですけどねぇ?
なんて、考えているうちに。陛下と、生徒との試合が始まりましたっ。
が。たったの一振りで。陛下は、相手の剣を弾き飛ばしてしまって。
結局、十秒も舞台に立っていなかった。
えぇ? もう終わりですか? もっと陛下の雄姿が見たかったです。
まぁ、そんな感じで。陛下は、生徒たちをバッタバッタと倒し。あっという間に、決勝進出を決めたのだった。
さすがです、陛下ッ。
そして、シオンとカッツェも、順当に勝ち上がっていき。
いよいよ、ふたりの準決勝戦です。
でもさ、ぼくは。空気を読んでしまうわけですよ。
学園側としては、騎士科の首席であるカッツェと、陛下の、決勝対決を期待していたんだと思うんだよね?
それで、トーナメントの山を分けたんだと思うんだよね?
空気を読んでっ、シオン。
でも、シオンは。わざと負けるとか、できない子だからなぁ?
真っすぐに育ててしまったからな。
なにやら、対戦しながら、肖像画、とか。資格なし、とか言って。剣を振っているけど。
結局、シオンの、スピード力のある剣筋を見切ることが出来なくて。カッツェは場外に落されてしまった。
剣術大会主催者さん、うちの弟が、すみませんんん。
勝ち名乗りをあげたシオン。
そこに、陛下が出てきて。舞台を見上げる。
「陛下。兄上の前で、コテンパンにやっつけて差し上げます」
「我を見下ろすとは、不敬なやつめ。我こそ、おまえの鼻っ柱を、ポッキリと折ってやる。生意気な弟に手を焼く、クロウのお達しだ」
そう言って、陛下は舞台に上がり、シオンと睨み合った。
そうだっ。陛下っ、シオンなんか、けちょんけちょんにしてっ、ぼくの兄の威厳を取り返してください!
バチバチに鋭く、熱い視線をかわすふたりを目にし。
観客は。今日一番の歓声を上げる。
剣術大会は、クライマックスに向かって盛り上がっていった。
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