わがままで口の悪い主人様はいつまでも子供

千崎

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第一章

−シエル様の年齢−

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「お前のことが知りたい。この時間お前との仲を深めたい。」

こちらを向いて口にするシエル様は堂々としている。

は?何を言ってるんだ。
俺を知りたい?仲を深めたい?

「何をおっしゃってるんですか?私を知ったところで特に利益はありませんよ。」

「利益とか関係ない。ただ知りたいから話そうと言ってるんだ。」

「…」

「お前は何が好きなんだ。趣味はあるのか?」

この子供は本当に俺を知りたいらしい。
なぜかわからないが話す程度ならいいか。

「私はフォンテーヌ家が一番好きです。特にソレイユ様には恩を感じています。私を拾って育てて下さった恩人であり、一生を捧げたい人です。」

「…そうか。父様はお前を拾って育てたのか、なるほど。なら感謝だな」

「はい。とても感謝しています。では、次はシエル様の番です。」

「は?俺か?」

「当たり前です。あなたに仕える身でありながら何も知らない方が違和感ですよ。」

驚くシエル様を見つめながらニコニコ笑う。
すると何故か目を逸らされてしまった。

「…わかった。俺はまだ13の子供だが、いつかお前よりもでかくなってお前に振り向いてもらう男になる。」

13歳という衝撃よりも後半の訳のわからない目標に頭にハテナが浮かぶ。

「ほとんど何を言ってるか分かりませんでしたけど、13歳なんですね。意外に大きくてびっくりです。」

「はぁ!?俺そんなに小さく見えてたのか?」

「ええ10歳程度だと…」

「な訳ねぇだろ!そんなお前は何歳なんだよ!」

怒ってしまったシエル様に子供だなと思いながら、今日で15ですと返す。

「15…そんなに変わらないな!」

「そうですね。だから余計に驚きましたよ。13歳だとは思いませんでしたね。」

その言葉が余計に怒りを加速させたのか、大きな声で叫ぶように放たれた言葉にびっくりする。

「てめぇ、まじでこれ以上バカにしたらぶん殴るからな、従者だかなんだか知らねぇが、2歳しか違わねぇんだ。お前なんか余裕で殺せるってこと覚えとけよ。」

「え、はい。それよりとてもお口が悪いです。あとあんまり大声を出すのはよろしくないかと。」

「そんなことどうでもいいわ。お前が調子乗ってるから気に食わねぇって話をしてんーー」

「何を大声で話している、シエル。」

そこにソレイユ様が部屋に入ってきたため、言いかけていた言葉は中断された。

「ルクス、お前もシエルに何をした?」

「いえ、何も。13歳と聞きましたので、驚いたと言っただけです。」

「そうか。シエル、その程度で大声を出すな。フォンテーヌ家次期当主としてのあり方を考えろ」

「も、申し訳ありません。これからは気をつけます。」

さすがソレイユ様だ。
俺を拾うくらい優しいお方だが、しっかりと威厳を持ち合わせている。
本当に尊敬できるお方だな。

「夕食の時間だ。シエル、ルクス。2人とも来い。」

俺とシエル様はそれに頷き、部屋を出た。
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