どうも、卵から生まれた魔人です。

べす

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3、【魔の国にて】

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「はぁ~俺の可愛いレヴィたん!今日もいい子で寝んねしてまちたかー?」

そう言って真っ黒な髪と灰色の肌を持つ下半身が蛇の男は、腕に抱いた真珠色の卵に何度もキスをした。

卵は同じ母親が生んだものではあったが、魔人や魔獣に血縁だと言う認識は皆無。
しかし魔の国で生まれた特別な一対の卵は、先に孵化した第一王子であるガーガリアムによって己の半身として大事に大事に温められていた。

「殿下、いくら大切な弟君様とは言え、こうも卵を行く先々に持って歩くのはいかがなものかと思いますぞ。」

そう言ってガーガリアムを嗜めるのは先代の時代から相談役としてその身を城に置く、首から下が人で顔がカメレオンのエンベだ。

「エンベ、レヴィたんはただの弟ではない。私の大切な半身で、伴侶でもあるのだ。そんなレヴィたんが孵化した時、俺が側に居なくてどうする!心細くて泣いてしまうかもしれないではないか!」

ギュッと卵を抱き頬擦りしながら話すガーガリアムに、エンベはうんざりした様に首を横に振った。

「殿下…何度も申し上げておりますが、殿下のお相手も、まだ見ぬ弟君様のお相手も雌でなければならないとあれほど…」

「黙れ!お前こそ何度言えば分かるのだ!相手は弟以外要らぬ!俺は半身である弟にしか愛情が沸かないのだ、それはきっと弟も同じ。強い種を残せと言うなら、母上と父上に直接頼め。」

無茶なガーガリアムの提案にエンベは溜め息を吐くと、頭を下げてその場を辞した。

「…はぁ。レヴィたん…お前はいつになったら出てきてくれるのだ?俺は寂しい…こんな事なら、もっと卵の中にいればよかった。」

エンベが居なくなり再び卵にキスしていたガーガリアムだったが、ふとパリパリと音が聞こえてハッとする。
慌てて卵を見れば少しずつ亀裂が大きくなっていて、もう割れるまであと少しという所だった。

「わ、割れる!卵が割れるぞ!レヴィたん、頑張れ!俺はもう外でレヴィたんを待っているぞ!レヴィたんが出て来たらすぐに抱き締めてやるからな!」

満面の笑みで卵が割れる様子を見詰めていたガーガリアムだったが、卵が完全に割れ中が見えた瞬間的、浮かべていた笑みが消える。

「…は?レヴィたん?あれ、おい、レヴィたんが居ない…中身が空だ。…どういう事だ!!??」

物凄い怒声で叫んだからかさっき辞した筈のエンベが再び戻ってきて、割れた卵とその中身に驚愕した。

「エンベ!これはどういう事だ!?割れる前までは確かにレヴィたんの気配があったのだ!それが、卵が割れた瞬間消失した!」

怒りの余り尻尾で周りの置物や壁を次々破壊するガーガリアムを、エンベは何とか宥めながら考え込む。

「…これは、どこかに転送されてしまったようですな…。」

「転送…バカな!それは人間どもが魔獣相手にする召喚とやらだろう!?レヴィたんは魔人だぞ!人間ごときが召喚出来るわけがない!」

「えぇ、分かっております。しかし、弟君様は生まれて間もない状態でございました。それに、殿下をお助けする為今は殆ど力を失った状態…その様な状態の魔人であれば、あるいは…。」

「ふざけるな!レヴィたんは俺のものだ!」

ガーガリアムは怒りに任せて魔力を暴走させ、周りに集まってきていた使用人達を吹っ飛ばした。

「殿下、お気を確かに!まだ人間に召喚されたと決まった訳では…」

「ではどうだと言うのだ!現にレヴィたんはここには居ない。これが怒らずいられるか!俺は人間どもを皆殺しにしてもレヴィたんを取り戻す!」

こうしてレヴィウスの知らぬ間に兄であるガーガリアムは人間に憎悪を募らせ、弟への想いを更に拗らせていくのだった。
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