幼なじみの恋を応援していたらいつの間にかに二股をかけていたんですけど!?

彩世ひより

文字の大きさ
33 / 46

文芸部の皆様「……! ……! ……!」

しおりを挟む
「申し訳ありません。ひとまず粗茶でございます」

 悠ちゃんVS月島柊の対決は決まり手「腰くだけ」で終了しましたが、一日一番の取組と違って、敗北後にもまた私には仕事があります。
 
 部室には皆々様で持ち寄った物品が鎮座しておりますが、村雲さん改めて蓮ちゃんに振る舞われているお紅茶はその一部です。

 冷蔵庫があれば口に含むモノも常備できるかと思いますが、それですと部室に居着いてしまいますからね、あくまでこの部活は、部活に入るのが絶対の我が校においての避難所みたいなモノなので……。

「ええ、頂きます」

 口に含んでからしばらく、表情が明るく変化したのでおいしいと感じてくださったのでしょう。
 少なくともカップを床に叩きつけて、こんなの飲めたモノじゃ無い、私が本当の紅茶を淹れてさし上げます……との反応でなくて良かった、思わず胸をなで下ろしてしまいます。

「提案:蓮もまた悠さんのマッサージを受ければいいかと存じます」

 一度挙手をしてから、真剣な提案であると言わんばかりのいつもより硬い口調で、話がややこしくなりそうな方向へ行きそうな言葉を吐きますが。
 私への誤解なんて幾多あるうちの一つで、今すぐに是正しなければならないものではありません。

 数多ある誤解はすべからく自身の都合の良いように捉えられるべき、と思想の自由に真っ向から反発するほど思い上がってもいませんので、

「いえ……その、変な声を上げてしまう私にも非がありますので」

 万一、人の支えがないと立ち上がれないほど、腰をいわした御老体のようになってしまっては、我が部活の活動内容に疑問を呈されてしまいます。
 私の現在の足の不安定さは、生まれたばかりのひよこレベルですので、お行儀悪く机に手を付いているくらいですわおほほ。

「ま、柊がいつばん面白いから、わだすはどっちでもいいべ」

 なまりと早口で何言っているか分からない感じになっていますから、本心ではきっとやりたくはないのでしょう。
 会話の流れ的に全否定をしてしまっては、愛ちゃんの顔に泥を塗ることに繋がりかねないですから、そこにはちゃんと配慮をする……ここで蓮ちゃんがどのように動くかによって、数十分後の空気が決まっていくでしょう。

「少し前に言ったとおり、柊さんに99%似ているのが私です」

 何度か聞いていると、ここまで自信満々に仰るのだからそうなのかもな、という気がしてしまいます。
 この世の真理を語るような曇り無きまなこと、ハキハキとした口調で断言するのですから、それだけの論理が備わっているのです。

 すごく疑わしいと言わんばかりの悠ちゃんも、わざわざ口を開いて「どこら辺が?」と指摘をしたりはしません。
 凝視するような行動は「疑念」と思われて差し支えない気もしますが……蓮ちゃんにはまるで通じていないご様子。

「つまりは、性的なマッサージによって淫らに喘がされる可能性が大いにあると言うことです」
「喘いでなんかいません!」
「性的なマッサージでもなかんべ!」

 もちろん衆人環視の中で先ほどまでの行為を行えと言われれば、あのー、そのー、と嘘をつくために必死になっている犯人のようにもなります。
 悠ちゃんの行っているのは、大変気持ちのいいマッサージです。性的などと語頭につけられてしまっては校内での活動に大きな障害になります。

 もっとも隣の文芸部の皆様からは、24時間やって欲しいと言われていますが! 部室等の壁が年齢経過で薄くなってみんなの声が貫通しちゃうのは……まあ、仕方ないですよね!

「嘘つきなさい! 柊さんの腰の具合を見るに後ろから激しく突かれたとしか思えません!」
「何を言っているんですかいきなり!?」

 他の皆様ともそういうお話をする機会も……まあ、今後とも無かろうと思うのでアレですが、少なくとも私は清らかな身ですよ、未来永劫そうなのではないかという疑惑があって泣きそうですが!

「蓮、悠さんには生憎と柊さんの中身に適合しうる竿が付いておりませんのでそれは不可能かと」
「名称がさすがに具体的じゃねえべか!?」
「いえ、具体的に言うならばちん」
「愛ちゃん! 真っ昼間ですよ!」

 清らかな身ではありますが、発言の内容が不純すぎて困ります――愛ちゃんも「昼間からする話ではありませんね」と納得してくれたことだけが救いです。

「そうです愛、具体的にするにしても最初におを付けなければ下品でしょう」
「蓮ちゃん!!!!!」

 この話はこれ以上掘り下げないことをみんなで誓いつつ、新入部員を迎えて良かったねでこの話はしめようかと思います。

 ……ただ、一年間部活に入らなければならないのを逃げ続けていた件は、豪胆で見習う要素があるのではないかと思いました。
 これだけで月島柊とはまるで違う人間だと言える気がするのですが……
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

落ち込んでいたら綺麗なお姉さんにナンパされてお持ち帰りされた話

水無瀬雨音
恋愛
実家の花屋で働く璃子。落ち込んでいたら綺麗なお姉さんに花束をプレゼントされ……? 恋の始まりの話。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

小さくなって寝ている先輩にキスをしようとしたら、バレて逆にキスをされてしまった話

穂鈴 えい
恋愛
ある日の放課後、部室に入ったわたしは、普段しっかりとした先輩が無防備な姿で眠っているのに気がついた。ひっそりと片思いを抱いている先輩にキスがしたくて縮小薬を飲んで100分の1サイズで近づくのだが、途中で気づかれてしまったわたしは、逆に先輩に弄ばれてしまい……。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

義姉妹百合恋愛

沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。 「再婚するから」 そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。 次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。 それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。 ※他サイトにも掲載しております

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...