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悪役令嬢、2人の婚約を知る
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「アンセルの婚約が決ったのよ。これでや
っとあなた達の結婚も進められるわね。」
王妃様の私室に呼び出されたカイン殿下と
私は、部屋に入った瞬間告げられた。
「そうなんですね!おめでとうございます
王妃様!」
アンセル殿下の婚約相手にいい人がいると
以前王妃様から聞かされていたけど、その
話がまとまったということか。
「それで母上、相手は誰なんですか?」
すかさずカイン殿下が質問した。
「聖女アイリスよ。」
「ええ!?」
予想外の相手の名前が出たことに、私は思
わず声を上げてしまった。
「確かセセリアはアイリスとは親しかった
のよね?」
「…はい。でもそんなことになっているな
んて全然知りませんでした。」
いや待てよ。
この間学園で会った時、なにか計画してい
るって言ってたけど、これだったのか!
「正式に発表できるようになるまで、口外
しないようにとアイリスに堅く口止めされ
ていたのよ。」
ああ、それで王妃様は私に話したくてうず
うずしていたんですね。
「薄々気づいてはいたけど、そういうこと
か。」
カイン殿下は大きくため息をついた。
「殿下はこの婚約に反対なんですか?」
「いや、反対ではないよ。君との結婚が進
められるのは嬉しいことだからね。ただ、
アイリスが家族になるのはちょっと面倒だ
な、って。」
そうか、アイリスがアンセル殿下と結婚す
るということは、私の義理の姉になるって
ことなんだ。
「あら、アイリスが家族になるとなにが面
倒なの?」
2人の微妙な関係を知らない王妃様が不思
議に思うのも当然だ。
「アイリスはセセリアと親しくしすぎるん
ですよ。」
少し不貞腐れたように言った殿下を見て、
王妃様がクスクス笑った。
「カインがこんなにヤキモチ妬きだなんて
知らなかったわ。セセリアも大変ねぇ。」
「…恐れ入ります。」
私は苦笑いしながら答えた。
「でも兄上がそう決めたのなら、僕は祝福
しますよ。兄上にも僕達のようにちゃんと
幸せになって頂きたいですから。」
「そう、よかったわ。それじゃぁ早速婚約
発表の準備をしなければ!ああ、忙しくな
るわね!」
そう言いながらも、王妃様はとても嬉しそ
うだ。
「そういえば、アリーナが突然帰国したん
だけど、どうしたのかしら。どうせなら、
婚約発表のパーティーにも出席して欲しか
ったのに…。」
王妃様の言葉に、私と殿下を顔を見合わせ
て笑った。
*******************
王妃様の私室を出た私と殿下は、手を繋ぎ
ながら廊下を歩いていた。
「セセリアは2人の婚約のこと、聞いてい
なかったの?」
「はい。何か計画してるとは聞いてました
けど、まさか婚約だったとは。だって、ア
イリスの好きな人はアンセル殿下じゃない
って聞いていたから…。そういえば、アン
セル殿下は好きな人がいるけど片想いだっ
て言ってましたよね?それがアイリスだっ
たんですか?」
「違うよ。兄上の片想いの相手はアイリス
じゃない。」
「じゃぁなんで…?」
「多分2人の利害が一致したんだよ。」
「利害…ですか?」
「セセリアはみんなに愛されているってこ
とだよ」
その言葉の意味がわからないでいる私に、
殿下は優しく微笑んだ。
っとあなた達の結婚も進められるわね。」
王妃様の私室に呼び出されたカイン殿下と
私は、部屋に入った瞬間告げられた。
「そうなんですね!おめでとうございます
王妃様!」
アンセル殿下の婚約相手にいい人がいると
以前王妃様から聞かされていたけど、その
話がまとまったということか。
「それで母上、相手は誰なんですか?」
すかさずカイン殿下が質問した。
「聖女アイリスよ。」
「ええ!?」
予想外の相手の名前が出たことに、私は思
わず声を上げてしまった。
「確かセセリアはアイリスとは親しかった
のよね?」
「…はい。でもそんなことになっているな
んて全然知りませんでした。」
いや待てよ。
この間学園で会った時、なにか計画してい
るって言ってたけど、これだったのか!
「正式に発表できるようになるまで、口外
しないようにとアイリスに堅く口止めされ
ていたのよ。」
ああ、それで王妃様は私に話したくてうず
うずしていたんですね。
「薄々気づいてはいたけど、そういうこと
か。」
カイン殿下は大きくため息をついた。
「殿下はこの婚約に反対なんですか?」
「いや、反対ではないよ。君との結婚が進
められるのは嬉しいことだからね。ただ、
アイリスが家族になるのはちょっと面倒だ
な、って。」
そうか、アイリスがアンセル殿下と結婚す
るということは、私の義理の姉になるって
ことなんだ。
「あら、アイリスが家族になるとなにが面
倒なの?」
2人の微妙な関係を知らない王妃様が不思
議に思うのも当然だ。
「アイリスはセセリアと親しくしすぎるん
ですよ。」
少し不貞腐れたように言った殿下を見て、
王妃様がクスクス笑った。
「カインがこんなにヤキモチ妬きだなんて
知らなかったわ。セセリアも大変ねぇ。」
「…恐れ入ります。」
私は苦笑いしながら答えた。
「でも兄上がそう決めたのなら、僕は祝福
しますよ。兄上にも僕達のようにちゃんと
幸せになって頂きたいですから。」
「そう、よかったわ。それじゃぁ早速婚約
発表の準備をしなければ!ああ、忙しくな
るわね!」
そう言いながらも、王妃様はとても嬉しそ
うだ。
「そういえば、アリーナが突然帰国したん
だけど、どうしたのかしら。どうせなら、
婚約発表のパーティーにも出席して欲しか
ったのに…。」
王妃様の言葉に、私と殿下を顔を見合わせ
て笑った。
*******************
王妃様の私室を出た私と殿下は、手を繋ぎ
ながら廊下を歩いていた。
「セセリアは2人の婚約のこと、聞いてい
なかったの?」
「はい。何か計画してるとは聞いてました
けど、まさか婚約だったとは。だって、ア
イリスの好きな人はアンセル殿下じゃない
って聞いていたから…。そういえば、アン
セル殿下は好きな人がいるけど片想いだっ
て言ってましたよね?それがアイリスだっ
たんですか?」
「違うよ。兄上の片想いの相手はアイリス
じゃない。」
「じゃぁなんで…?」
「多分2人の利害が一致したんだよ。」
「利害…ですか?」
「セセリアはみんなに愛されているってこ
とだよ」
その言葉の意味がわからないでいる私に、
殿下は優しく微笑んだ。
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