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悪役令嬢、ドキドキさせられる
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カイン殿下と一緒に作り直したアップル
パイは、完璧な焼き上がりで、無事国王
夫妻の舌を唸らせることが出来た。
お菓子作りが得意だという、私の面目も
保ことが出来た。
でも、私の緊張は継続したままだった。
学院へ向かう馬車の中で、隣に座っている
殿下は、当たり前のように私の手を握って
いる。
どんなに考えないようにしても、昨日の
キスの感触を思い出さずにはいられない。
「…あの、殿下、昨日のあれ、どうしまし
た?」
なにか話さなければと、グルグル考えて
思いついたのが、昨日の焼きすぎアップル
パイだった。
「あれって?」
「焼きすぎた方のアップルパイですよ。」
「もちろん食べたよ。今朝も朝食代わりに
1切れ食べたし。」
「え!?今朝も!?でも昨日、1ホールの
半分くらい食べてましたよね?」
「ずっと食べたかったセセリアのアップル
パイだからね。朝昼晩食べたって飽きない
よ。」
そう言ってもらえるのは嬉しいけど、流石
に1ホール1人で消化するのは体に悪いの
では…?
「殿下、無理しないでください。また太っ
ちゃいますよ?」
「無理なんてしてないから大丈夫だよ。そ
れに、食べた分はちゃんと運動で消化して
るから心配しないで。」
「そう…なんですか…。」
「また太ってセセリアから引き離されたら
大変だからね。」
それだけは避けたいとばかりに、殿下は
苦笑いをした。
「私はぽっちゃりした殿下も好きだったん
ですけどね…。」
「本当?」
「本当です。ぽっちゃりした殿下が、私の
作ったお菓子を美味しそうに食べる姿に
いつも癒されてましたよ。」
クマのぬいぐるみのような殿下が、クッキー
を頬張る姿を思い出し、ほっこりした気持ち
になった。
そう、王妃様が何も言わなければ、あのまま
の殿下でも私は全然OKだったのに…。
「じゃぁ、今の僕と前の僕、どっちが好き
?」
「え!?」
究極の選択キター!!
これはどう答えるべきなのか…。
「ええと…。ぽっちゃりの殿下は癒し系で
見てて幸せな気持ちになったんですが…。
今の殿下は…」
「今の僕は?」
「カッコよすぎて…ドキドキします…。」
そう言って目を反らした私の肩を、殿下は
力強く引き寄せた。
私は殿下の膝の上に仰向けに倒れ込んで
しまった。
顔!近い!!
「セセリア、もっとドキドキして。」
耳元で甘く囁かれ、私の心臓は跳ね上が
った。
これ以上ドキドキしたら死ぬんじゃないか
というくらい、私の心臓は激しく鼓動を
打っていた。
「セセリア…。」
殿下の暖かい手が、私の頬を撫でた。
え!?またキスされるの!?
そう身構えた瞬間、馬車が止まった。
「ああ。目的地に着いたみたいだ。」
殿下は、少し残念そうに私を抱き起すと
ウインクしながら言った。
「続きはまた今度。ね。」
パイは、完璧な焼き上がりで、無事国王
夫妻の舌を唸らせることが出来た。
お菓子作りが得意だという、私の面目も
保ことが出来た。
でも、私の緊張は継続したままだった。
学院へ向かう馬車の中で、隣に座っている
殿下は、当たり前のように私の手を握って
いる。
どんなに考えないようにしても、昨日の
キスの感触を思い出さずにはいられない。
「…あの、殿下、昨日のあれ、どうしまし
た?」
なにか話さなければと、グルグル考えて
思いついたのが、昨日の焼きすぎアップル
パイだった。
「あれって?」
「焼きすぎた方のアップルパイですよ。」
「もちろん食べたよ。今朝も朝食代わりに
1切れ食べたし。」
「え!?今朝も!?でも昨日、1ホールの
半分くらい食べてましたよね?」
「ずっと食べたかったセセリアのアップル
パイだからね。朝昼晩食べたって飽きない
よ。」
そう言ってもらえるのは嬉しいけど、流石
に1ホール1人で消化するのは体に悪いの
では…?
「殿下、無理しないでください。また太っ
ちゃいますよ?」
「無理なんてしてないから大丈夫だよ。そ
れに、食べた分はちゃんと運動で消化して
るから心配しないで。」
「そう…なんですか…。」
「また太ってセセリアから引き離されたら
大変だからね。」
それだけは避けたいとばかりに、殿下は
苦笑いをした。
「私はぽっちゃりした殿下も好きだったん
ですけどね…。」
「本当?」
「本当です。ぽっちゃりした殿下が、私の
作ったお菓子を美味しそうに食べる姿に
いつも癒されてましたよ。」
クマのぬいぐるみのような殿下が、クッキー
を頬張る姿を思い出し、ほっこりした気持ち
になった。
そう、王妃様が何も言わなければ、あのまま
の殿下でも私は全然OKだったのに…。
「じゃぁ、今の僕と前の僕、どっちが好き
?」
「え!?」
究極の選択キター!!
これはどう答えるべきなのか…。
「ええと…。ぽっちゃりの殿下は癒し系で
見てて幸せな気持ちになったんですが…。
今の殿下は…」
「今の僕は?」
「カッコよすぎて…ドキドキします…。」
そう言って目を反らした私の肩を、殿下は
力強く引き寄せた。
私は殿下の膝の上に仰向けに倒れ込んで
しまった。
顔!近い!!
「セセリア、もっとドキドキして。」
耳元で甘く囁かれ、私の心臓は跳ね上が
った。
これ以上ドキドキしたら死ぬんじゃないか
というくらい、私の心臓は激しく鼓動を
打っていた。
「セセリア…。」
殿下の暖かい手が、私の頬を撫でた。
え!?またキスされるの!?
そう身構えた瞬間、馬車が止まった。
「ああ。目的地に着いたみたいだ。」
殿下は、少し残念そうに私を抱き起すと
ウインクしながら言った。
「続きはまた今度。ね。」
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