国外追放されたくないので第二王子の胃袋を掴んだら溺愛されました!

和栗かのこ

文字の大きさ
23 / 40

悪役令嬢、再会する

しおりを挟む
「留学しなければ、僕もセセリアと一緒に
ここで勉強できたのにな。」

学院長の案内で、応接室に向かいながら
カイン殿下が呟いた。

「…すみません。私が殿下を太らせてしま
ったばかりに…。」

「え?セセリアのせいじゃないよ。太った
のは自分のせいだから。セセリアが責任を
感じる必要はないよ。まぁ、一緒に学院
生活を送れなかったのは残念だけど、留学
したおかげで僕は成長できたからね。」

成長というか、別人になって帰ってきまし
たよね…。

ゲームの中では草食系キャラだったカイン
殿下に、こんなにドキドキさせられるとは
思ってませんでしたよ。

「セセリアは?学院生活は楽しかった?」

「あ~…まぁ…そこそこに…。」

アンセル殿下とアイリスをくっつけること
に必死だったから、学院生活を楽しむ余裕
はなかったなぁ…。

「そういえば、アンセル殿下が毎日ランチ
に誘ってくださいましたけど、あれは殿下
がアンセル殿下に頼んでくださったんで
すか?」

「ああ、うん。兄上が傍にいたら悪い虫は
寄り付かないだろうからね。本当は兄上に
も頼みたくなかったんだけど、僕が守って
あげられない時は仕方ない。」

アイリスの言った通りだったんだ。

カイン殿下は独占欲が強いから気をつけろ
と言われたけど、なにをどう気をつければ
いいのか全くわからない。

そうこうしている間に、私達は応接室に
たどり着いた。

「こちらでお待ちください。」

そう言うと、学院長は出て行った。

ああ、また密室にカイン殿下と二人きりに
なってしまった…。

全身に緊張が走る。

まさか、学院の中で迫ったりなんかしない
よね!?

殿下の顔をチラリと見ると、私の視線に気
づいた殿下が、にっこりと微笑みながら
手を伸ばした。

顔に触れられる!!

そう思い身構えた瞬間、誰かがドアをノッ
クした。

「失礼します。」

「アイリス!?」

入って来たのはアイリスだ。

「セセリア様、会えてよかった。」

アイリスは声を弾ませながら駆け寄ると、
私の手を握った。

カイン殿下の表情は一瞬にしてスン顔に
なった。

「セセリア様が学院を辞めてしまわれる
というのは本当ですか!?」

「そうだよ。」

私の代わりにカイン殿下が答えた。

「セセリアは王宮で、僕の妃になるための
勉強をするんだ。」

私の返事が聞きたかったアイリスは、不満
に満ちた表情でカイン殿下を見た。

「殿下、申し訳ないのですが、セセリア様
と二人にして頂けませんか?」

さすが聖女様。

第二王子が相手でも、遠慮はない。

「セセリアはどうしたいの?」

カイン殿下はアイリスではなく、私に問い
かけた。

「…私も、アイリスと話がしたいです。」

「そう、わかった。セセリアがそう言う
なら仕方ない。15分だけ時間をあげる
よ。」

たった15分…。

でも贅沢は言えない。

「ありがとうございます殿下。」

殿下は、感謝を述べた私の手を取り、口
づけをすると言った。

「じゃあね、セセリア。また後で。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした

星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎ ギルドで働くおっとり回復役リィナは、 自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。 ……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!? 「転ばないで」 「可愛いって言うのは僕の役目」 「固定回復役だから。僕の」 優しいのに過保護。 仲間のはずなのに距離が近い。 しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。 鈍感で頑張り屋なリィナと、 策を捨てるほど恋に負けていくカイの、 コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕! 「遅いままでいい――置いていかないから。」

兄みたいな騎士団長の愛が実は重すぎでした

鳥花風星
恋愛
代々騎士団寮の寮母を務める家に生まれたレティシアは、若くして騎士団の一つである「群青の騎士団」の寮母になり、 幼少の頃から仲の良い騎士団長のアスールは、そんなレティシアを陰からずっと見守っていた。レティシアにとってアスールは兄のような存在だが、次第に兄としてだけではない思いを持ちはじめてしまう。 アスールにとってもレティシアは妹のような存在というだけではないようで……。兄としてしか思われていないと思っているアスールはレティシアへの思いを拗らせながらどんどん膨らませていく。 すれ違う恋心、アスールとライバルの心理戦。拗らせ溺愛が激しい、じれじれだけどハッピーエンドです。 ☆他投稿サイトにも掲載しています。 ☆番外編はアスールの同僚ノアールがメインの話になっています。

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

【完結】溺愛?執着?転生悪役令嬢は皇太子から逃げ出したい~絶世の美女の悪役令嬢はオカメを被るが、独占しやすくて皇太子にとって好都合な模様~

うり北 うりこ@ざまされ2巻発売中
恋愛
 平安のお姫様が悪役令嬢イザベルへと転生した。平安の記憶を思い出したとき、彼女は絶望することになる。  絶世の美女と言われた切れ長の細い目、ふっくらとした頬、豊かな黒髪……いわゆるオカメ顔ではなくなり、目鼻立ちがハッキリとし、ふくよかな頬はなくなり、金の髪がうねるというオニのような見た目(西洋美女)になっていたからだ。  今世での絶世の美女でも、美意識は平安。どうにか、この顔を見られない方法をイザベルは考え……、それは『オカメ』を装備することだった。  オカメ狂の悪役令嬢イザベルと、  婚約解消をしたくない溺愛・執着・イザベル至上主義の皇太子ルイスのオカメラブコメディー。 ※執着溺愛皇太子と平安乙女のオカメな悪役令嬢とのラブコメです。 ※主人公のイザベルの思考と話す言葉の口調が違います。分かりにくかったら、すみません。 ※途中からダブルヒロインになります。 イラストはMasquer様に描いて頂きました。

婚約者は冷酷宰相様。地味令嬢の私が政略結婚で嫁いだら、なぜか激甘溺愛が待っていました

春夜夢
恋愛
私はずっと「誰にも注目されない地味令嬢」だった。 名門とはいえ没落しかけの伯爵家の次女。 姉は美貌と才覚に恵まれ、私はただの飾り物のような存在。 ――そんな私に突然、王宮から「婚約命令」が下った。 相手は、王の右腕にして恐れられる冷酷宰相・ルシアス=ディエンツ公爵。 40を目前にしながら独身を貫き、感情を一切表に出さない男。 (……なぜ私が?) けれど、その婚約は国を揺るがす「ある計画」の始まりだった。

氷の騎士と陽だまりの薬師令嬢 ~呪われた最強騎士様を、没落貴族の私がこっそり全力で癒します!~

放浪人
恋愛
薬師として細々と暮らす没落貴族の令嬢リリア。ある夜、彼女は森で深手を負い倒れていた騎士団副団長アレクシスを偶然助ける。彼は「氷の騎士」と噂されるほど冷徹で近寄りがたい男だったが、リリアの作る薬とささやかな治癒魔法だけが、彼を蝕む古傷の痛みを和らげることができた。 「……お前の薬だけが、頼りだ」 秘密の治療を続けるうち、リリアはアレクシスの不器用な優しさや孤独に触れ、次第に惹かれていく。しかし、彼の立場を狙う政敵や、リリアの才能を妬む者の妨害が二人を襲う。身分違いの恋、迫りくる危機。リリアは愛する人を守るため、薬師としての知識と勇気を武器に立ち向かうことを決意する。

獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。

真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。 狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。 私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。 なんとか生きてる。 でも、この世界で、私は最低辺の弱者。

完 独身貴族を謳歌したい男爵令嬢は、女嫌い公爵さまと結婚する。

水鳥楓椛
恋愛
 男爵令嬢オードリー・アイリーンはある日父が負った借金により、大好きな宝石だけでは食べていけなくなってしまった。そんな時、オードリーの前に現れたのは女嫌いと有名な公爵エドワード・アーデルハイトだった。愛する家族を借金苦から逃すため、オードリーは悪魔に嫁ぐ。結婚の先に待ち受けるのは不幸か幸せか。少なくとも、オードリーは自己中心的なエドワードが大嫌いだった………。  イラストは友人のしーなさんに描いていただきました!!

処理中です...