国外追放されたくないので第二王子の胃袋を掴んだら溺愛されました!

和栗かのこ

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悪役令嬢、密談する

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応接室を出て行ったカイン殿下の足音が
聞こえなくなるのを待って、アイリスが
口を開いた。

「セセリア様が王宮に呼ばれた時、嫌な
予感がしたんです。」

私も、まさか夕食に招待されたまま学院に
戻れなくなるなんて、夢にも思いませんで
したよ。

「で、誰なんですか?学院を辞めてお妃
修行しろなんて言い出したのは。」

言い出した犯人は目星がついているはず
なのに、アイリスは敢えて私に聞いた。

「…カイン殿下だけど…。」

予想通りの答えに、大きくため息をつくと
怒りを滲ませながらアイリスは言った。

「いずれ王宮の籠の鳥になるセセリア様の
自由を今から奪うなんて、酷すぎます!」

「まぁ、私も王宮に入るのはちょっと早い
かな…とは思ったけど。」

「ちょっとどころじゃありませんわ!殿下
は器が小さすぎます!二人で話せる時間
だって、たった15分しかくれないし。」

器が小さいかどうかは別として、アイリス
絡みになると殿下の防御壁が高くなるのは
確かだ。

「今日だって、学院長に無理を言ってここ
に入れてもらったんですよ。セセリア様に
会えるチャンスを危うく逃すところでした
わ。」

「そうだったのね。私もアイリスに直接
ちゃんとお別れを言いたかったから、会え
てよかったわ。もし会えなかったら、誰か
に託そうと思って手紙も用意してきたけど、
必要なかったみたいね。」

私は手紙の入った封筒をスカートのポケッ
トから取り出りだした。

「…!?私のためにお手紙を!?」

アイリスは瞳を潤ませながらその手紙を受
け取ると、胸に抱きしめた。

「セセリア様、安心して下さい。セセリア
様が王宮入りしても、会える方法を思いつ
いたんです。」

「アイリスは聖女だから、王宮に来ること
もあるでしょ。」

「いいえ、もっとずっと、毎日だって会え
る方法です。」

私と過ごす日々を想像しながら、アイリス
は恍惚の表情を浮かべた。

「毎日でも会えるって、それは一体どんな
方法なの?」

「ごめんなさい。今はまだ言えません。」

えええ!?

いい方法があるなんて言っておいて、肝心
なとこを教えてくれないって、どういうこ
と!?焦らしプレイなの!?

「この計画をカイン殿下に知られでもした
ら、邪魔されるに決まってますからね。
それより、ちょっと気になったんですが。」

「なに?」

計画について教えてもらえなかった私は
お預けをくらった子犬のように拗ねた表情
で言った。

「カイン殿下とセセリア様の距離が以前
より近くなってる気がするんですが。殿下
になにかされませんでしたか?」

「!?」

この子、するどいわ…。

「き、気のせいじゃない?別になにもない
わよ。」

昨日の出来事を話すわけにもいかず、私は
しらばっくれた。

「………。」

アイリスは私の目をじっと見つめていたが
納得したように言った。

「そうですか。ならよかった。カイン殿下
は独占欲だけじゃなくて、別の欲も強そう
なので、お気をつけくださいね。」

アイリスはそう言うと、動揺する私の心を
見透かすように微笑んだ。
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