月城副社長うっかり結婚する 〜仮面夫婦は背中で泣く〜

白亜凛

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◆真実への一歩 * 弥衣

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 そして迎えた日曜日。
 昼食を済ませてから尊さんのお祖母様のお見舞いに行く。

 今日は運転手つきの車でお出かけだ。

 ワンピースは昨日買ったもらった、ボウタイのシフォンのワンピース。かわいすぎない落ち着いたベージュが上品だ。

「アレキサンドライトの指輪、忘れていない?」
「はい」

 母が残した指輪が本当に月城家に代々受け継がれている指輪かどうかは、お祖母様だけが実物を知っているらしい。
 だからどうしても、今日ばかりは指輪を見せてあげてほしいと言われている。

 強引に奪われる心配がないとは言い切れないが、真偽のほどを確かめるためとなれば、仕方ないと納得した。

 指輪の内側には確かに刻印はあった。
 でも、尊さんが探している指輪だという保証はない。

 アレキサンドライトの指輪は今、左手の中指にしているが、
 この指輪が月城家の指輪でなかったら、どうなってしまうんだろう。

 今更のように不安になる。

 月城の指輪がこの指輪じゃなかったら、彼を騙したことになってしまう?
 ううん。そんなことはないはず。違っていても私のせいじゃないんだから。

 だけどその場合は、私、早速離婚になるのかな。
 そうなのかな……。

 気持ちがズンと重たくなる。

 どうせ仮面夫婦。離婚が嫌だなんておかしいのに。

 多分、昨日一日が楽しすぎたせいだ。

 スペアリブも成功したし、パエリアもいい感じに焦げもできておいしくできた。
 気分もよくて勧められるまま、またしてもついワインを飲み過ぎた。

 ダイニングからリビングに移動して、また飲んで。

 ダウンライトとスタンドライトの明かりだけのリビング。
 オレンジ色の淡い灯りはそれだけでムーディで、テレビはバラエティを選んでいたはずがいつしかラブストーリーのドラマになり。

 いい雰囲気になったのはそんな条件が重なったから。
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