29 / 71
二週目
27話 スーパーへ買い物
しおりを挟む
起きたら夕方だった。お昼寝は最高だけど、意識を失ってる間に休日の数時間が消えるのは虚しい。薄暗くなっている外を見て私は絶望に打ちひしがれていた。
「ああ…土曜が終わる…無理…なんで…」
「大丈夫!あと7時間残ってるよ。だから今日のうちに買い物に行こう、花雫!」
「残されたたった7時間を外出で潰せと!?」
「じゃあ明日行く?」
「いや!日曜日は絶対に外に出ない」
「でしょ?じゃあ今日だよ」
「…コンビニで…」
「だめだよ!スーパーに行くの!」
「うぅぅぅ…」
いつのまにか元の姿に戻っていた綾目が私を布団から引きずり出す。外出が億劫すぎて、無駄に煙草を3本くらい吸う。吸ってる間に見てた実況動画が面白くなってきて、それが終わってから買い物に行こうと思ってたけど、一本見終わったら続きが気になりやめられない。我慢強く待ってくれてた綾目も最終的にはスマホを取り上げて、私を着替えさせて玄関まで引きずっていった。
「い”や”ぁ”ぁ”ぁ”…」
「買い物行ってからまた観たらいいから!」
「う”ぁ”ぁ”ぁ”…」
「観念なさい花雫。私もついていきますから」
「うぅぅ…」
薄雪と綾目に手を引かれ、なんとか玄関を出た。外へ出た途端冷たい風が私の頬を殴りつける。
「さっむ!!!むり!!」
「むりじゃないの!!」
「早く行きましょう」
風が寒すぎて、薄雪を風よけにして歩く。背中にへばりつかれて壁として扱われてるのに、なぜか薄雪はどことなく嬉しそうだった。
スーパーに到着するとちょっとテンションが上がる。外出はきらいだけど買い物はけっこう好き。今回も適当に食材をかごに放り込んだ。お菓子もつまみもばっちりだ。ビールも一箱買ったし、日本酒も10本買った。これだとさすがの薄雪でも一週間もつでしょ。
私が猫用のおやつ売り場で立ち止まっていると綾目に叱られた。
「もう!それは猫用にしてはおいしいけど、花雫と同じもの食べたいから!花雫、僕アレ食べたい!ポテトチップス!!」
「ああ。ミルちゃんのとき、私がポテトチップス食べてたらやたらと鳴いてたもんね。前なんて袋の中に頭突っ込んでたし」
「だってすっごく良い匂いするんだもん!なのに花雫、一口も食べさせてくれなかった!」
「猫だと思ってたんだもん」
「今日は買ってくれる!?」
「いいよ」
「僕だけが食べていいやつ!?」
「いいよいいよ。じゃあ、1000円分好きなお菓子買っていいよ。一週間分ね」
「やったぁーー!!」
綾目が大声で叫びながら店内を走り出したからヒヤヒヤしたけど、他の人にはやっぱり綾目の姿は見えていない。不思議だなあ…。
「花雫」
「はい」
夢中でお菓子を選んでいる綾目を眺めていると、うしろから薄雪の声がした。
「食パンを買ってください」
「あっ、そうですね。3人だとすぐなくなっちゃいますね。一日3枚で、7日分…21枚?6枚切りを4袋買いましょうか」
「あと、マーガリンとジャムも」
「買いましょう」
パン売り場に行き、薄雪とどの食パンにしようか選んだ。どれもおいしそうだったから全部違う種類のものにした。ひとつはちょっと高いやつ。今まで一番安いものだったり、半額になってる食パンを買ってただけだったから、こうしていろんな種類の食パンを買うことが新鮮で楽しかった。
今日もカゴふたつ分の買い物をした。買ったものは、ひとけがなくなったところまで行くと薄雪と綾目が持ってくれた。薄雪は早く食パンの食べ比べをしたいようで、晩食は食パンがいいなんて言い出したから却下した。今晩は久しぶりに、レシピサイトを見ながら私ががんばってつくるんだから。
「ああ…土曜が終わる…無理…なんで…」
「大丈夫!あと7時間残ってるよ。だから今日のうちに買い物に行こう、花雫!」
「残されたたった7時間を外出で潰せと!?」
「じゃあ明日行く?」
「いや!日曜日は絶対に外に出ない」
「でしょ?じゃあ今日だよ」
「…コンビニで…」
「だめだよ!スーパーに行くの!」
「うぅぅぅ…」
いつのまにか元の姿に戻っていた綾目が私を布団から引きずり出す。外出が億劫すぎて、無駄に煙草を3本くらい吸う。吸ってる間に見てた実況動画が面白くなってきて、それが終わってから買い物に行こうと思ってたけど、一本見終わったら続きが気になりやめられない。我慢強く待ってくれてた綾目も最終的にはスマホを取り上げて、私を着替えさせて玄関まで引きずっていった。
「い”や”ぁ”ぁ”ぁ”…」
「買い物行ってからまた観たらいいから!」
「う”ぁ”ぁ”ぁ”…」
「観念なさい花雫。私もついていきますから」
「うぅぅ…」
薄雪と綾目に手を引かれ、なんとか玄関を出た。外へ出た途端冷たい風が私の頬を殴りつける。
「さっむ!!!むり!!」
「むりじゃないの!!」
「早く行きましょう」
風が寒すぎて、薄雪を風よけにして歩く。背中にへばりつかれて壁として扱われてるのに、なぜか薄雪はどことなく嬉しそうだった。
スーパーに到着するとちょっとテンションが上がる。外出はきらいだけど買い物はけっこう好き。今回も適当に食材をかごに放り込んだ。お菓子もつまみもばっちりだ。ビールも一箱買ったし、日本酒も10本買った。これだとさすがの薄雪でも一週間もつでしょ。
私が猫用のおやつ売り場で立ち止まっていると綾目に叱られた。
「もう!それは猫用にしてはおいしいけど、花雫と同じもの食べたいから!花雫、僕アレ食べたい!ポテトチップス!!」
「ああ。ミルちゃんのとき、私がポテトチップス食べてたらやたらと鳴いてたもんね。前なんて袋の中に頭突っ込んでたし」
「だってすっごく良い匂いするんだもん!なのに花雫、一口も食べさせてくれなかった!」
「猫だと思ってたんだもん」
「今日は買ってくれる!?」
「いいよ」
「僕だけが食べていいやつ!?」
「いいよいいよ。じゃあ、1000円分好きなお菓子買っていいよ。一週間分ね」
「やったぁーー!!」
綾目が大声で叫びながら店内を走り出したからヒヤヒヤしたけど、他の人にはやっぱり綾目の姿は見えていない。不思議だなあ…。
「花雫」
「はい」
夢中でお菓子を選んでいる綾目を眺めていると、うしろから薄雪の声がした。
「食パンを買ってください」
「あっ、そうですね。3人だとすぐなくなっちゃいますね。一日3枚で、7日分…21枚?6枚切りを4袋買いましょうか」
「あと、マーガリンとジャムも」
「買いましょう」
パン売り場に行き、薄雪とどの食パンにしようか選んだ。どれもおいしそうだったから全部違う種類のものにした。ひとつはちょっと高いやつ。今まで一番安いものだったり、半額になってる食パンを買ってただけだったから、こうしていろんな種類の食パンを買うことが新鮮で楽しかった。
今日もカゴふたつ分の買い物をした。買ったものは、ひとけがなくなったところまで行くと薄雪と綾目が持ってくれた。薄雪は早く食パンの食べ比べをしたいようで、晩食は食パンがいいなんて言い出したから却下した。今晩は久しぶりに、レシピサイトを見ながら私ががんばってつくるんだから。
0
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
後宮の手かざし皇后〜盲目のお飾り皇后が持つ波動の力〜
二位関りをん
キャラ文芸
龍の国の若き皇帝・浩明に5大名家の娘である美華が皇后として嫁いできた。しかし美華は病により目が見えなくなっていた。
そんな美華を冷たくあしらう浩明。婚儀の夜、美華の目の前で彼女付きの女官が心臓発作に倒れてしまう。
その時。美華は慌てること無く駆け寄り、女官に手をかざすと女官は元気になる。
どうも美華には不思議な力があるようで…?
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
『後宮薬師は名を持たない』
由香
キャラ文芸
後宮で怪異を診る薬師・玉玲は、母が禁薬により処刑された過去を持つ。
帝と皇子に迫る“鬼”の気配、母の遺した禁薬、鬼神の青年・玄曜との出会い。
救いと犠牲の狭間で、玉玲は母が選ばなかった選択を重ねていく。
後宮が燃え、名を失ってもなお――
彼女は薬師として、人として、生きる道を選ぶ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる