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学院編:オヴェルニー学院
【117話】ダンスの授業
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その日の午後はダンスの授業が待っていた。14歳と15歳のリリー寮、ローズ寮生徒30人が運動着を着てダンスホールに集まった。チャドやノア、グレンダ、ダフなどもいる。始業のベルが鳴るとスタイルの良い先生がダンスホールに入って来て生徒に声をかけた。
「今日も麗しいわね少年少女。では早速ペアを組んでくださる?」
生徒は各々男女でペアを組んだ。アーサーはもちろんモニカと組む。妹の手を握りながらニコッと笑った。モニカもそれに笑い返す。二人とも早く踊りたくて仕方がない様子だ。
「ダンスをするのは久しぶりだね、モニカ」
「うん!今日は鬼カトリナもいないし楽しんでダンスできるわ」
「あはは。あとでカトリナに伝書インコ飛ばしとこ」
「やだ!絶対言わないでよ!?」
ペアを組み準備体操をしたあと、先生がワルツの音楽を流した。ぎこちなく踊る生徒たちに指導をしている。ダフは剣技は得意だが踊りはイマイチのようだ。彼と組んだ女子生徒は手を強く握られすぎて悲鳴をあげていた。
「ちょっとダフ!!手が潰れちゃうじゃないの!!このバカぢから!!」
「すっ、すまない!!緊張してしまってつい強く握ってしまった。…このくらいだったら大丈夫か?」
「いたたたたた!!!」
「こっ…これでも痛いのか?!なんということだ!」
「ダフ…、握るのではなく添えるだけですよ」
ダンス以前の問題に先生は額に手を当ててため息をついている。ダフに呆れて他の生徒を見回すとあるワンペアが目に入った。
アーサーは左手を差し出しモニカの手を握った。姿勢を正し、お互いの体に反対の手を添える。立っているだけでもフォームの美しさに生徒たちが見惚れた。カトリナに厳しく癖付けされた微笑みを浮かべ、音楽に合わせて踊りだした。
「あら…」
先生までもがうっとりと双子を見つめている。モニカの髪が揺れるたび、着ていないはずのドレスがなびいているように見える。先生とモニカの目が合った。14歳とは思えない官能的な微笑みに、思わず先生の顔が赤らんだ。(カトリナには数種類の微笑み方を教育された。しっとりとした曲では官能的に笑え、軽快な曲ではあどけない笑顔をしろ、などだ。何度も言うが完璧主義であるカトリナのダンスレッスンはモニカが血反吐を吐くほど厳しかった)。双子が一曲踊り終えるとホール中から拍手が巻き起こった。
「す…素晴らしいわ!!モニカ、あなたのダンスはどなたに教えてもらったの?!これほどまでに踊れる生徒は見たことがなくてよ」
「オーヴェルニュ家の方に教えていただきました」
「なんとまあ!あのオーヴェルニュ家に?!上手なわけだわ。アーサーも素晴らしかったわ!モニカがのびのびと踊れるのもあなたのフォローのおかげよ!」
「ありがとうございます!」
アーサーとモニカは「やったぁ!」とハイタッチした。あのスパルタレッスンは無駄じゃなかったんだと大喜びだ。特に魔法クラスで出来損ない扱いされているモニカにとって、授業で褒められたのは初めてのことだった。カトリナありがとう~と心の中で叫び、ガッツポーズをした。
「アーサーあいつ、ダンスまで一流なのか!すげえな!!」
「いたたたた!!ダフ!!私の手を離してから興奮してくれる?!」
「おお、すまんすまん!」
女子生徒がダフの頭を叩いている傍を、グレンダとチャドが踊りながら通り過ぎた。彼らも双子の踊りを見て大騒ぎしている。
「おいおい!モニカはダンスもできるのか?!見たかあれ!!あいつら社交界には出てないんじゃないのか?なんであんな上手いんだ?!」
「アーサーったら踊りまで上手じゃないの…!どこまで完璧なの?!もはや意味が分からないわ…!」
双子のダンスを見ていた生徒たちは、「モニカ、僕とも踊って!」「俺ともぜひ!」「アーサーくん!私とも踊って~!」「ずるい私が先よぉ!」とアーサーとモニカを取り合った。困ったように笑いながら、二人は一曲ずつ申し出た生徒と踊る。
可憐に踊る百合の香りを漂わせたモニカに、その日何人もの男子生徒が恋に落ちた。また、小柄なのにしっかりと支えてダンスをフォローしてくれるアーサーに、女子生徒のファンがまた増えた。
「あれ?」
一通り生徒たちとダンスを終えて休憩しているとき、アーサーは一人の生徒に気が付いた。ダンスホールの端で座り込み、憂鬱そうにしている男の子。アーサーは彼に近寄り声をかけた。
「ねえ、どうしたの?体調悪いの?」
「えっ?…あ、いや。僕、みんなに気持ち悪がられてて…僕と組んでくれる女の子いないんだ」
男の子はそう言ってしょぼんとしている。たしかに顔立ちはあまり良くなく、小太りで女子から人気は出なさそうな外見だ。おそらく寮内ではいじめられているのだろう。アーサーは少し考えてから「いいこと考えた!」と男の子の手を取った。
「な、なに…?」
「僕、女の子の方も踊れるんだ!一緒に踊ろうよ。君、名前は?」
「トンブ…」
「僕、アーサー!よろしくね」
「君のことは、知ってる…。女の子に人気のリリー寮の子だろう?」
「えっ、そうなの?リリー寮なのは合ってるけど。ほら、手を握って」
「君、本当に女の子の方も踊れるのかい?僕をからかおうとしてない?」
「からかうなんてどうして?さ、踊るよ」
「わっ!」
トンブのぎこちない踊りに合わせて、アーサーは簡単なステップを踏んだ。トンブとアーサーが躍っているのを見た生徒が大騒ぎしている。
「えっ?!豚汁トンブとアーサーくんが踊ってる!って…アーサーくん女の子の方も踊れるの?!」
「すごい…私よりも綺麗な踊り」
「アーサーくんの表情、本当に女の子みたい…」
「あちゃー…アビーちゃん出ちゃってるよアーサー…」
ノアと踊りながら、女の子の顔でダンスを踊るアーサーを見てモニカが呟いた。これじゃあ男の子までアーサーのことを好きになっちゃうじゃないと苦々し気な顔をしている。ノアは首を傾げてモニカに話しかけた。
「モニカ、アビーって誰だ?」
「あっ、ううん気にしないで!」
「お、おう。…にしてもモニカ、ダンスしてるしてるときのお前は一層きれいだな!」
「ほんと?嬉しいなぁ。ありがとう!」
「あー…やっべぇ」
モニカの屈託のない笑顔に、ノアは頭の中で(だーーー!!モニカお前かわいすぎんべ!!うおおおお!!)と咆哮した。平常を装いながら一曲踊り終えたノアは、自分を落ち着かせるためにそそくさとモニカから離れて行った。
「トンブ、踊るの楽しいね!」
ニコっと可愛らしい笑顔を向けてアーサーがトンブに言った。トンブもつられて笑い「うん!」と答える。
「わっ!」
トンブがつまずき態勢を崩す。アーサーは咄嗟にトンブを抱きかかえた。トンブの大きな体を片腕で軽々と支える。
「だ、大丈夫?!」
「ご、ごめん…。ありがとう」
「いいんだよ。まだ踊れる?」
「うん!」
アーサーはその後もトンブがバテるまで一緒に踊った。
「アーサーくん。今日はありがとう。初めてダンスの授業が楽しかったよ」
「僕も楽しかったよ!また一緒に踊ろう!」
「…ほんとに、ありがとう」
トンブと手を振って別れると、目の前に突然現れた大きな壁にぶつかった。ダフだ。
「ブッ!」
「おいアーサー!お前女性の方も踊れるのか!俺とも踊ってくれ!ペアを組んだ女子に、握力に耐えられないと言って逃げられた!頼む!」
両手を合わせて懇願するダフに、アーサーはにっこり笑って快諾した。
「もちろんいいよ!!踊ろうダフ!!」
やっと相手が見つかって嬉しかったのか、ダフはアーサーの手をぎゅーっと握った。ギシギシと骨が軋んだが、アーサーはニコニコ笑ってダフの肩に手を添えた。ダフは力加減が分からないだけで、ある程度ダンスを踊れるようだ。少し難しいステップを踏んでもいとも簡単にそれに合わせた。動きがダイナミックで映えるダンスをする。先生も驚いてダフとアーサーの踊りを見ていた。数曲ダフと踊った後、アーサーは休憩しているモニカの元へ行った。モニカはちらりと兄を見てニッと笑った。
「おかえり、アビー」
「やだな、今はアーサーだよ」
「完全にアビーの顔になってた」
「そう?ねえ、モニカ!最後に一曲踊ろうよ!」
「この体力バカ…。あんた私の倍ダンスしてたのにまだ体力あるの?」
「え?全然疲れてないけど!」
「こわぁ…。まあいいわ。踊りましょうアーサー」
「やった!楽しい曲踊りたいなあ。先生~!」
「なんですか?アーサー」
アーサーに呼ばれ先生が返事をした。
「最後にクイックステップ踊りたいです!」
「あら!あなたたちクイックステップまで踊れるの?是非見てみたいわ」
先生は蓄音機で流していた曲を止め、軽快な音楽に差し替えた。アーサーはモニカの前に手を差し出した。モニカはわくわくした顔で兄の手を取る。ダンスホールいっぱいを使って、弾んだ踊りを披露した。
「あはは!やっぱりクイックステップの方が好きだなあ!」
「わたしも!楽しい~!!」
曲の終わり、アーサーが妹の手を離す。モニカはクルクル回りながら生徒たちが見学しているところへ近づき、最後に決めポーズをとった。生徒たちは大興奮で拍手をした。先生も「素晴らしいわ!!」と誰よりも手を叩いている。
「モニカ!アーサー!最高だったわ!年度末のダンスパーティーが楽しみ!正装したあなたたちのダンスが早く見たいわ!」
先生に褒められ、双子は照れくさそうに頭をかいた。
授業が終わり生徒たちがダンスホールから出ていく。みながアーサーとモニカのダンスの話題で盛り上がっていた。
「今日も麗しいわね少年少女。では早速ペアを組んでくださる?」
生徒は各々男女でペアを組んだ。アーサーはもちろんモニカと組む。妹の手を握りながらニコッと笑った。モニカもそれに笑い返す。二人とも早く踊りたくて仕方がない様子だ。
「ダンスをするのは久しぶりだね、モニカ」
「うん!今日は鬼カトリナもいないし楽しんでダンスできるわ」
「あはは。あとでカトリナに伝書インコ飛ばしとこ」
「やだ!絶対言わないでよ!?」
ペアを組み準備体操をしたあと、先生がワルツの音楽を流した。ぎこちなく踊る生徒たちに指導をしている。ダフは剣技は得意だが踊りはイマイチのようだ。彼と組んだ女子生徒は手を強く握られすぎて悲鳴をあげていた。
「ちょっとダフ!!手が潰れちゃうじゃないの!!このバカぢから!!」
「すっ、すまない!!緊張してしまってつい強く握ってしまった。…このくらいだったら大丈夫か?」
「いたたたたた!!!」
「こっ…これでも痛いのか?!なんということだ!」
「ダフ…、握るのではなく添えるだけですよ」
ダンス以前の問題に先生は額に手を当ててため息をついている。ダフに呆れて他の生徒を見回すとあるワンペアが目に入った。
アーサーは左手を差し出しモニカの手を握った。姿勢を正し、お互いの体に反対の手を添える。立っているだけでもフォームの美しさに生徒たちが見惚れた。カトリナに厳しく癖付けされた微笑みを浮かべ、音楽に合わせて踊りだした。
「あら…」
先生までもがうっとりと双子を見つめている。モニカの髪が揺れるたび、着ていないはずのドレスがなびいているように見える。先生とモニカの目が合った。14歳とは思えない官能的な微笑みに、思わず先生の顔が赤らんだ。(カトリナには数種類の微笑み方を教育された。しっとりとした曲では官能的に笑え、軽快な曲ではあどけない笑顔をしろ、などだ。何度も言うが完璧主義であるカトリナのダンスレッスンはモニカが血反吐を吐くほど厳しかった)。双子が一曲踊り終えるとホール中から拍手が巻き起こった。
「す…素晴らしいわ!!モニカ、あなたのダンスはどなたに教えてもらったの?!これほどまでに踊れる生徒は見たことがなくてよ」
「オーヴェルニュ家の方に教えていただきました」
「なんとまあ!あのオーヴェルニュ家に?!上手なわけだわ。アーサーも素晴らしかったわ!モニカがのびのびと踊れるのもあなたのフォローのおかげよ!」
「ありがとうございます!」
アーサーとモニカは「やったぁ!」とハイタッチした。あのスパルタレッスンは無駄じゃなかったんだと大喜びだ。特に魔法クラスで出来損ない扱いされているモニカにとって、授業で褒められたのは初めてのことだった。カトリナありがとう~と心の中で叫び、ガッツポーズをした。
「アーサーあいつ、ダンスまで一流なのか!すげえな!!」
「いたたたた!!ダフ!!私の手を離してから興奮してくれる?!」
「おお、すまんすまん!」
女子生徒がダフの頭を叩いている傍を、グレンダとチャドが踊りながら通り過ぎた。彼らも双子の踊りを見て大騒ぎしている。
「おいおい!モニカはダンスもできるのか?!見たかあれ!!あいつら社交界には出てないんじゃないのか?なんであんな上手いんだ?!」
「アーサーったら踊りまで上手じゃないの…!どこまで完璧なの?!もはや意味が分からないわ…!」
双子のダンスを見ていた生徒たちは、「モニカ、僕とも踊って!」「俺ともぜひ!」「アーサーくん!私とも踊って~!」「ずるい私が先よぉ!」とアーサーとモニカを取り合った。困ったように笑いながら、二人は一曲ずつ申し出た生徒と踊る。
可憐に踊る百合の香りを漂わせたモニカに、その日何人もの男子生徒が恋に落ちた。また、小柄なのにしっかりと支えてダンスをフォローしてくれるアーサーに、女子生徒のファンがまた増えた。
「あれ?」
一通り生徒たちとダンスを終えて休憩しているとき、アーサーは一人の生徒に気が付いた。ダンスホールの端で座り込み、憂鬱そうにしている男の子。アーサーは彼に近寄り声をかけた。
「ねえ、どうしたの?体調悪いの?」
「えっ?…あ、いや。僕、みんなに気持ち悪がられてて…僕と組んでくれる女の子いないんだ」
男の子はそう言ってしょぼんとしている。たしかに顔立ちはあまり良くなく、小太りで女子から人気は出なさそうな外見だ。おそらく寮内ではいじめられているのだろう。アーサーは少し考えてから「いいこと考えた!」と男の子の手を取った。
「な、なに…?」
「僕、女の子の方も踊れるんだ!一緒に踊ろうよ。君、名前は?」
「トンブ…」
「僕、アーサー!よろしくね」
「君のことは、知ってる…。女の子に人気のリリー寮の子だろう?」
「えっ、そうなの?リリー寮なのは合ってるけど。ほら、手を握って」
「君、本当に女の子の方も踊れるのかい?僕をからかおうとしてない?」
「からかうなんてどうして?さ、踊るよ」
「わっ!」
トンブのぎこちない踊りに合わせて、アーサーは簡単なステップを踏んだ。トンブとアーサーが躍っているのを見た生徒が大騒ぎしている。
「えっ?!豚汁トンブとアーサーくんが踊ってる!って…アーサーくん女の子の方も踊れるの?!」
「すごい…私よりも綺麗な踊り」
「アーサーくんの表情、本当に女の子みたい…」
「あちゃー…アビーちゃん出ちゃってるよアーサー…」
ノアと踊りながら、女の子の顔でダンスを踊るアーサーを見てモニカが呟いた。これじゃあ男の子までアーサーのことを好きになっちゃうじゃないと苦々し気な顔をしている。ノアは首を傾げてモニカに話しかけた。
「モニカ、アビーって誰だ?」
「あっ、ううん気にしないで!」
「お、おう。…にしてもモニカ、ダンスしてるしてるときのお前は一層きれいだな!」
「ほんと?嬉しいなぁ。ありがとう!」
「あー…やっべぇ」
モニカの屈託のない笑顔に、ノアは頭の中で(だーーー!!モニカお前かわいすぎんべ!!うおおおお!!)と咆哮した。平常を装いながら一曲踊り終えたノアは、自分を落ち着かせるためにそそくさとモニカから離れて行った。
「トンブ、踊るの楽しいね!」
ニコっと可愛らしい笑顔を向けてアーサーがトンブに言った。トンブもつられて笑い「うん!」と答える。
「わっ!」
トンブがつまずき態勢を崩す。アーサーは咄嗟にトンブを抱きかかえた。トンブの大きな体を片腕で軽々と支える。
「だ、大丈夫?!」
「ご、ごめん…。ありがとう」
「いいんだよ。まだ踊れる?」
「うん!」
アーサーはその後もトンブがバテるまで一緒に踊った。
「アーサーくん。今日はありがとう。初めてダンスの授業が楽しかったよ」
「僕も楽しかったよ!また一緒に踊ろう!」
「…ほんとに、ありがとう」
トンブと手を振って別れると、目の前に突然現れた大きな壁にぶつかった。ダフだ。
「ブッ!」
「おいアーサー!お前女性の方も踊れるのか!俺とも踊ってくれ!ペアを組んだ女子に、握力に耐えられないと言って逃げられた!頼む!」
両手を合わせて懇願するダフに、アーサーはにっこり笑って快諾した。
「もちろんいいよ!!踊ろうダフ!!」
やっと相手が見つかって嬉しかったのか、ダフはアーサーの手をぎゅーっと握った。ギシギシと骨が軋んだが、アーサーはニコニコ笑ってダフの肩に手を添えた。ダフは力加減が分からないだけで、ある程度ダンスを踊れるようだ。少し難しいステップを踏んでもいとも簡単にそれに合わせた。動きがダイナミックで映えるダンスをする。先生も驚いてダフとアーサーの踊りを見ていた。数曲ダフと踊った後、アーサーは休憩しているモニカの元へ行った。モニカはちらりと兄を見てニッと笑った。
「おかえり、アビー」
「やだな、今はアーサーだよ」
「完全にアビーの顔になってた」
「そう?ねえ、モニカ!最後に一曲踊ろうよ!」
「この体力バカ…。あんた私の倍ダンスしてたのにまだ体力あるの?」
「え?全然疲れてないけど!」
「こわぁ…。まあいいわ。踊りましょうアーサー」
「やった!楽しい曲踊りたいなあ。先生~!」
「なんですか?アーサー」
アーサーに呼ばれ先生が返事をした。
「最後にクイックステップ踊りたいです!」
「あら!あなたたちクイックステップまで踊れるの?是非見てみたいわ」
先生は蓄音機で流していた曲を止め、軽快な音楽に差し替えた。アーサーはモニカの前に手を差し出した。モニカはわくわくした顔で兄の手を取る。ダンスホールいっぱいを使って、弾んだ踊りを披露した。
「あはは!やっぱりクイックステップの方が好きだなあ!」
「わたしも!楽しい~!!」
曲の終わり、アーサーが妹の手を離す。モニカはクルクル回りながら生徒たちが見学しているところへ近づき、最後に決めポーズをとった。生徒たちは大興奮で拍手をした。先生も「素晴らしいわ!!」と誰よりも手を叩いている。
「モニカ!アーサー!最高だったわ!年度末のダンスパーティーが楽しみ!正装したあなたたちのダンスが早く見たいわ!」
先生に褒められ、双子は照れくさそうに頭をかいた。
授業が終わり生徒たちがダンスホールから出ていく。みながアーサーとモニカのダンスの話題で盛り上がっていた。
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