インターネットで異世界無双!?

kryuaga

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#4

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 アルが塩の代金を持ってくるのを、ソワソワしながら俺は待っていた。



「あー、待ち遠しいぜ。億なんて単位、一生縁が無いと思っていたよ」



 実際この異世界に転生する前は、そんな大金に縁は無かった。



「やあ、待たせたね。これで塩の代金だよ」



 そう言って小さな袋を渡してくるアル。



「ん? やけに少なくないか?」



「ああ、聖銀貨で支払ったからね」



 んん? 聖銀貨? 何それ?



「聖銀貨が全部で5枚入っているはずだ。確認するといいよ」



 言われるまま、俺は袋の中から硬貨を取り出す。

 中には星のような煌きを放つ銀貨が5枚入っていた。



「……確かに5枚入ってるな」



 あれ? 金貨5万枚は……?



「じゃあ、問題ないね。これで取引完了だ」



 状況をイマイチ理解出来ていない俺に気付いた様子もなく、アルは一人で納得した表情でそう言う。



「コウヤ。また塩を手に入れたら、出来れば連絡をくれると嬉しい。今日と同じ値段で引き取らせてもらうよ」



 そう言ってアルが、俺を出口へと向かうよう促す。

 俺はその指示に従い、呆然と店の外へと歩いていく。



「今日は良い商談が出来て良かったよ。また会おう」



 別れの挨拶をそう言い残し、アルが店の中へと消えていくのをただ黙って俺は見送った。



「え、もしかして俺、騙された?」



 金貨5万枚を貰うはずが、何故か手元には銀貨が5枚だけ。

 期待が大きかった分だけ、受けたショックも大きかった。



「くそっ、なんだよ。銀貨なんかいるか!」



 半ばやけくそになった俺は、スマホを取り出し以前利用した貴金属買取サイトを開く。

 買取申込ボタンを押すと、以前と同じように宝石箱が現れた。



 その中にアルから貰った5枚の銀貨を、無造作に投げ入れ蓋を閉じる。



 当然ながら、銀は金よりも安い。

 あの量だと、精々数千円が関の山だ。

 本来なら7億5千万が俺の手元に転がり込むはずだったのだ。

 俺が受けたショックはかなりデカかった。



「へっ、銀なんか大した額にはならないだろっ」



 自暴自棄となった俺は、そんな捨て台詞を一人呟きながらも、受信したメールを開く。



 するとそこには、驚きの内容が書かれていた。



「なっ、なっ、なっ、マジかっ!!」



 そこにはデカデカとこう書かれていた。

 

 『査定額10億円』



 何かの間違いだろうと詳細を読んでいくと、



『ミスリルは地球上に存在しない金属の為、聖銀ミスリル貨1枚につき2億円にて買取させて頂きました』



 僅か銀貨5枚で、10億円という高額査定になった理由が書かれていた。

 どうやら、アルから受け取った銀貨は普通の素材では無かったらしい。



 まだ信じられなかった俺は、ネット銀行のサイトを開き自身の口座残高を確認する。



 口座残高1,000,007,500円。



 ちゃんと10億円振り込まれてる!



 ヤバい。

 もしかして俺、かなり得をした?



 金貨で貰った場合だと、7億5千万円程になる筈だった。

 だが、アルにもらったミスリルとやらで出来た貨幣の場合、10億円だ。

 交換レートはこちらの方が明らかにいい。



 ミスリルって凄い!

 俺は心の中でそう叫んだ。



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