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ただし③
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ノエリア様はめそめそと泣き出した。
「馬鹿にするのもいい加減にしないか!」
ファビアン殿下にも、私の説明は理解されなかったみたいだわ。
「馬鹿にしたつもりはありませんわ。私は、礼儀として、初めてお会いしたノエリア様にご挨拶しただけにすぎませんわ」
「初めてじゃないのに!」
涙を浮かべ悔しそうに告げるノエリア様に、私は首をかしげるしかない。
だって、本当に初めてなのに。
あ、噂のノエリア様って、こんな感じの方だったのね、って本気で思ったのに。
ああ、どうして学院の卒業パーティーは、今回に限って学院生しかいないのかしら。
例年通りなら、国内の貴族と、国王陛下も参加するはずなのに。
国王陛下がいれば、この場を一挙に解決できるはずなのに!
ファビアン殿下が学院生だけのパーティーを考えているって聞いた時、呆れてしまったけど、本当に実行してしまうなんて思ってもみなかったわ。勉強には全く向いていらっしゃらなかったけれど、一応、実行力はあるのね。学院生が集まって踊るだけなんて、ばかばかしい催しでしかないけれど。卒業パーティーは、学院生が楽しむための催しではないのに。
「婚約を破棄されたくないからと、そのようにしらを切り通すなど、本当に不快だ! ノエリアをいじめて、自分の皇太子妃の座が安泰などと思っていたことも、忌々しいのに!」
ファビアン殿下と話が通じなかった記憶は数あれど、今日が一番ひどいかもしれないわ。
それに、何も事実が伴っていないもの。悪役令嬢だから、ハッキリと言ってもいいわよね。
「お言葉ですが、ファビアン殿下。私がノエリア様にお会いしたことがないことは事実ですし、いじめたこともありませんわ。それに、婚約を破棄されたくないと願っておられるのは、国王陛下ですわ。私ではありません」
会場がざわめく。
私がファビアン殿下に微笑みかけると、ファビアン殿下は唖然として私を見る。隣のノエリア様も呆然としていたけれど、ファビアン殿下よりも先にハッと我に返って口を開いた。
「この素晴らしいファビアン殿下との婚約を望まない方なんているはずがないわ! クリスティアーヌ様は、ご自分の名誉を守るために国王陛下の名前を出しているだけよ!」
ノエリア様の言葉に、私は首をかしげた。
「この素晴らしいファビアン殿下、と言うところを、どこがどう素晴らしいのか説明して下さる? 私には理解ができないのですけれど」
会場が、今日一番にざわめいた。
……今さらざわつくことかしら?
「私がファビアン殿下に愛されているからって、妬んで意地悪を言うなんてひどいわ!」
「私は、ファビアン殿下のどこが素晴らしいのか説明してほしいと言っているのです」
ノエリア様ったら、私が嫉妬などするわけないのに、何を言っているのかしら?
「ファ、ファビアン殿下は、何もかもが素晴らしいですわ! その素晴らしさがわからない婚約者など、婚約者の意味がありませんわ!」
「ノエリア様、どこが素晴らしいのか、具体的に教えてくださる?」
私が畳み掛けると、ノエリア様はわっと泣き始めた。
「ファビアン殿下、私はこのようにクリスティアーヌ様に言われて答えられなくて、いつも惨めな気持ちになるのです」
「クリスティアーヌ嬢、ノエリアをいじめるな!」
「いじめ? 本気でわからないから、教えてほしいだけですわ」
「私のよさが理解できぬ婚約者など、婚約者ではない!」
えーっと、先ほどご自分が婚約破棄するって言ったのだから、もはや婚約者として扱ってくださらなくてもいいのだけど。
「ええ、わからないものですから、ノエリア様にファビアン殿下の良さをご教授いただきたくて」
「ファ、ファビアン殿下の良さを説明して、クリスティアーヌ様がファビアン殿下に益々執着されたら困りますわ!」
メソメソと告げるノエリア様の言葉の意味が理解できないんですけれど、どうしたらいいかしら?
「説明ができない程度、と理解すればいいのかしら?」
私が首をかしげると、ファビアン殿下は顔を真っ赤にしてノエリア様を抱き締めた。
どうやら、侮辱したのは通じたみたいですわ。通じることもたまにあるのよね。滅多にないけれど。
「ノエリア、クリスティアーヌ嬢に私の良さを言うんだ!」
ファビアン殿下に促されて、ノエリア様が視線を揺らす。
ふふふ。何を説明してくれるか、楽しみだわ。
「ファビアン様は、頭もよくて!」
ノエリア様の言葉に、ファビアン殿下が満足したように、ウンウン頷く。
……これ、本気で言ってるのかしら?
「幼い頃から学んでいる語学を習得も出来ない方が、頭がいいと言えるのかしら?」
私の指摘に、ファビアン殿下は顔を歪める。でも、本当のことだわ。
「そ、それは、たまたま殿下には語学の才能がなかっただけですわ。それに、私の言っている頭のよさは、勉強などではなく、こうやって卒業パーティーをいつもと違う催しに変更するような、企画ができるような頭の良さを言っているのですわ! ファビアン殿下は、こうやって国民の意を汲んだものごとを考えられる方ってことですわ!」
ノエリア様が言い終わってホッとした顔になる。
なるほど、ものはいいようね。
私のターン、いいかしら?
「馬鹿にするのもいい加減にしないか!」
ファビアン殿下にも、私の説明は理解されなかったみたいだわ。
「馬鹿にしたつもりはありませんわ。私は、礼儀として、初めてお会いしたノエリア様にご挨拶しただけにすぎませんわ」
「初めてじゃないのに!」
涙を浮かべ悔しそうに告げるノエリア様に、私は首をかしげるしかない。
だって、本当に初めてなのに。
あ、噂のノエリア様って、こんな感じの方だったのね、って本気で思ったのに。
ああ、どうして学院の卒業パーティーは、今回に限って学院生しかいないのかしら。
例年通りなら、国内の貴族と、国王陛下も参加するはずなのに。
国王陛下がいれば、この場を一挙に解決できるはずなのに!
ファビアン殿下が学院生だけのパーティーを考えているって聞いた時、呆れてしまったけど、本当に実行してしまうなんて思ってもみなかったわ。勉強には全く向いていらっしゃらなかったけれど、一応、実行力はあるのね。学院生が集まって踊るだけなんて、ばかばかしい催しでしかないけれど。卒業パーティーは、学院生が楽しむための催しではないのに。
「婚約を破棄されたくないからと、そのようにしらを切り通すなど、本当に不快だ! ノエリアをいじめて、自分の皇太子妃の座が安泰などと思っていたことも、忌々しいのに!」
ファビアン殿下と話が通じなかった記憶は数あれど、今日が一番ひどいかもしれないわ。
それに、何も事実が伴っていないもの。悪役令嬢だから、ハッキリと言ってもいいわよね。
「お言葉ですが、ファビアン殿下。私がノエリア様にお会いしたことがないことは事実ですし、いじめたこともありませんわ。それに、婚約を破棄されたくないと願っておられるのは、国王陛下ですわ。私ではありません」
会場がざわめく。
私がファビアン殿下に微笑みかけると、ファビアン殿下は唖然として私を見る。隣のノエリア様も呆然としていたけれど、ファビアン殿下よりも先にハッと我に返って口を開いた。
「この素晴らしいファビアン殿下との婚約を望まない方なんているはずがないわ! クリスティアーヌ様は、ご自分の名誉を守るために国王陛下の名前を出しているだけよ!」
ノエリア様の言葉に、私は首をかしげた。
「この素晴らしいファビアン殿下、と言うところを、どこがどう素晴らしいのか説明して下さる? 私には理解ができないのですけれど」
会場が、今日一番にざわめいた。
……今さらざわつくことかしら?
「私がファビアン殿下に愛されているからって、妬んで意地悪を言うなんてひどいわ!」
「私は、ファビアン殿下のどこが素晴らしいのか説明してほしいと言っているのです」
ノエリア様ったら、私が嫉妬などするわけないのに、何を言っているのかしら?
「ファ、ファビアン殿下は、何もかもが素晴らしいですわ! その素晴らしさがわからない婚約者など、婚約者の意味がありませんわ!」
「ノエリア様、どこが素晴らしいのか、具体的に教えてくださる?」
私が畳み掛けると、ノエリア様はわっと泣き始めた。
「ファビアン殿下、私はこのようにクリスティアーヌ様に言われて答えられなくて、いつも惨めな気持ちになるのです」
「クリスティアーヌ嬢、ノエリアをいじめるな!」
「いじめ? 本気でわからないから、教えてほしいだけですわ」
「私のよさが理解できぬ婚約者など、婚約者ではない!」
えーっと、先ほどご自分が婚約破棄するって言ったのだから、もはや婚約者として扱ってくださらなくてもいいのだけど。
「ええ、わからないものですから、ノエリア様にファビアン殿下の良さをご教授いただきたくて」
「ファ、ファビアン殿下の良さを説明して、クリスティアーヌ様がファビアン殿下に益々執着されたら困りますわ!」
メソメソと告げるノエリア様の言葉の意味が理解できないんですけれど、どうしたらいいかしら?
「説明ができない程度、と理解すればいいのかしら?」
私が首をかしげると、ファビアン殿下は顔を真っ赤にしてノエリア様を抱き締めた。
どうやら、侮辱したのは通じたみたいですわ。通じることもたまにあるのよね。滅多にないけれど。
「ノエリア、クリスティアーヌ嬢に私の良さを言うんだ!」
ファビアン殿下に促されて、ノエリア様が視線を揺らす。
ふふふ。何を説明してくれるか、楽しみだわ。
「ファビアン様は、頭もよくて!」
ノエリア様の言葉に、ファビアン殿下が満足したように、ウンウン頷く。
……これ、本気で言ってるのかしら?
「幼い頃から学んでいる語学を習得も出来ない方が、頭がいいと言えるのかしら?」
私の指摘に、ファビアン殿下は顔を歪める。でも、本当のことだわ。
「そ、それは、たまたま殿下には語学の才能がなかっただけですわ。それに、私の言っている頭のよさは、勉強などではなく、こうやって卒業パーティーをいつもと違う催しに変更するような、企画ができるような頭の良さを言っているのですわ! ファビアン殿下は、こうやって国民の意を汲んだものごとを考えられる方ってことですわ!」
ノエリア様が言い終わってホッとした顔になる。
なるほど、ものはいいようね。
私のターン、いいかしら?
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