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プロローグ
ーおめでたですー
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その日、医療神院で先生に診て貰うと、『おめでとう、間違いなくおめでたです』と言われた。
一応は自分の身体の事だし、そうだろうなあと思っていたので、それを確かめに行ったと言うのが正しいかもしれない。
夫は、城の近衛騎士をしている。伯爵家の次男で、ルイス・セス・ドルモアという。
とは言え、事実婚なので、籍はまだ入れていない。
それは、殆ど私の事情による都合であったので、ルイスには申し訳ないと思いつつ、待って貰っていたのだ。
でも、子供が出来たのならそろそろ結婚の申請を神殿に出さなければならないだろう。
夫が帰って来たら、子供が出来た事を教えてあげよう。そうすればきっと喜んでくれるだろう。
夫のルイスは私が働いていたレストラン、銀の小鳩亭の常連客だった。
私を目当てで通っていたらしく、猛烈に口説かれたのだ。私の名前はミリアムと言う。
断っても断っても諦めずに口説いてくるルイスは、金髪碧眼の見目麗しい男で、最初は女好きで誰彼構わず口説いて居るのだろうと思っていたのだが、他の常連客から聞いた話によると、彼は城の近衛騎士をしていて、とても真面目で良い人だとおしえられた。
それならば、ますます迷惑をかけられないので、もっとちゃんとお断りしなければと思い、彼に言った。
「私は家出娘で、事情があって身を隠しているので、貴族の貴方とお付き合いを出来るような者ではないのです」と、誰も他に居ない場所に呼び出してそう言った。
けれども彼は、自分は貴族と言っても家とはほとんど縁を切った状態でいるので親戚づきあいは必要ない。自分は次男で他に跡取りの兄がいて、その兄も結婚したので、自分が誰と結婚しても自由だと言われている、もう親の許可のいる年ではない。私は貴女と結婚を前提でお付き合いしたいと思っている。と言われた。
その後も足しげく通うルイスに根負けした形で、所謂、デートと言われるだろう逢瀬を重ねる内に、だんだんと絆されてしまった。そして、結婚の届けは君の決心の付いた時で良いので、一緒に住まないかと言われた。
小さいけれど可愛い一戸建ての借家を知り合いの伝手で見つけたと言われ、小さい庭も付いていたのでとても気に入り、結局、一年付き合った後、一緒に暮らし始めたのだ。
その家の家賃は近衛騎士の彼の給料で十分払えるものであった。近衛騎士ともなれば給料も良い。
そのうえ仕事も真面目で、いつも優しく、容姿も良い。
いつだったかルイスに、私の何処が好きなのかと聞いてみた事がある。
「全部大好きだよ、一目惚れなんだ。そうだなあ、その美しいプラチナブロンドも冬の澄んだ空の様な瞳も大好きなんだ」
と、そう言われた。そう言われて嬉しく無い訳もなく、ただただその言葉を嬉しいとしか思わなかった。
一応は自分の身体の事だし、そうだろうなあと思っていたので、それを確かめに行ったと言うのが正しいかもしれない。
夫は、城の近衛騎士をしている。伯爵家の次男で、ルイス・セス・ドルモアという。
とは言え、事実婚なので、籍はまだ入れていない。
それは、殆ど私の事情による都合であったので、ルイスには申し訳ないと思いつつ、待って貰っていたのだ。
でも、子供が出来たのならそろそろ結婚の申請を神殿に出さなければならないだろう。
夫が帰って来たら、子供が出来た事を教えてあげよう。そうすればきっと喜んでくれるだろう。
夫のルイスは私が働いていたレストラン、銀の小鳩亭の常連客だった。
私を目当てで通っていたらしく、猛烈に口説かれたのだ。私の名前はミリアムと言う。
断っても断っても諦めずに口説いてくるルイスは、金髪碧眼の見目麗しい男で、最初は女好きで誰彼構わず口説いて居るのだろうと思っていたのだが、他の常連客から聞いた話によると、彼は城の近衛騎士をしていて、とても真面目で良い人だとおしえられた。
それならば、ますます迷惑をかけられないので、もっとちゃんとお断りしなければと思い、彼に言った。
「私は家出娘で、事情があって身を隠しているので、貴族の貴方とお付き合いを出来るような者ではないのです」と、誰も他に居ない場所に呼び出してそう言った。
けれども彼は、自分は貴族と言っても家とはほとんど縁を切った状態でいるので親戚づきあいは必要ない。自分は次男で他に跡取りの兄がいて、その兄も結婚したので、自分が誰と結婚しても自由だと言われている、もう親の許可のいる年ではない。私は貴女と結婚を前提でお付き合いしたいと思っている。と言われた。
その後も足しげく通うルイスに根負けした形で、所謂、デートと言われるだろう逢瀬を重ねる内に、だんだんと絆されてしまった。そして、結婚の届けは君の決心の付いた時で良いので、一緒に住まないかと言われた。
小さいけれど可愛い一戸建ての借家を知り合いの伝手で見つけたと言われ、小さい庭も付いていたのでとても気に入り、結局、一年付き合った後、一緒に暮らし始めたのだ。
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いつだったかルイスに、私の何処が好きなのかと聞いてみた事がある。
「全部大好きだよ、一目惚れなんだ。そうだなあ、その美しいプラチナブロンドも冬の澄んだ空の様な瞳も大好きなんだ」
と、そう言われた。そう言われて嬉しく無い訳もなく、ただただその言葉を嬉しいとしか思わなかった。
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