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55 ヘインズ子爵への処罰
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王城からの使者が来た。
辺境騎士団の副団長を務めている男だった。
私はあれからベッドを出る事が出来ず、病床に伏していた。
本来なら服装を整え出迎える所が、それが出来ない。
「バンデルン侯爵から症状は聞いております。このままの状態で結構です」
使者は書状を読み上げた。
「蟄居ですか……」
「そうです。子爵の爵位はそのままですが、今後婚姻及び養子縁組は不可。領地は一旦バンデルン侯爵預かりとなります」
つまり、私が死んだら家は断絶するという事か。
「返上する事も叶わないという事ですね」
「そうなります」
返上ならば、いずれどこかの縁戚に名が与えられる事があるかも知れない。
だが、断絶なら貴族としての名が消える。
それでも、これは温情なのだろう。
当家の養子縁組していた者が城で騒ぎを起こした。
ナディオとの縁組解消は進めていたが、手続きが完了していたとは言えない。
代官であるロンバード男爵は国に虚偽申告。
隣国との関係に、亀裂が入りかねない状況を作った。
「当領地がバンデルン侯爵預かりとなった理由はご存知ですか?」
使者は内情を知らず伝えるだけの場合も多い。
だが、この使者は前回バンデルン侯爵が連れていた騎士の中にいた。
「隣国派遣の報奨として与えられたとか。いずれ侯爵家の物になるそうです」
「そうですか……」
「それに、侯爵のご令嬢がこの鉱山に詳しいとか。まだ隣国への鉱山輸出を滞らせる訳にはいかないのでしょう」
私は思わず使者を凝視した。
「クラーラ嬢の争奪戦は大変な事になりそうですよ」
つまり、バンデルン侯爵領から離れた場所にあるこの領地は、クラーラの嫁入り道具として所持させよ、との事か。
報奨は必要だが、侯爵の力をこれ以上高めない為だろう。
罪状がついた領地を押し付け、牽制したと見せかけているのか。
様々な思惑が動きそうだ。
「今回の処分、謹んでお受け致します」
使者に頭を下げ、敬意を表した。
「陛下はあの様な痴れ者達相手では、病弱な子爵には荷が重かっただろうと仰せでした」
使者は部屋を出ていく際、労うように言った。
「聞いての通りだ。クラーラに鉱山の引き継ぎを始めるがまだ若い。補助してくれそうな者はいるか?」
控えていた執事に言った。
鉱山は長い間、ロンバード男爵が仕切っていた。
人事は刷新した方がいい。
「既に声を掛け、色良い返事が貰えています」
「ほう?誰だ」
「以前、官吏をしていた者で横暴な貴族と揉め辞めたとか。クラーラ様とは既に面識があり、あの方ならと喜んで仕えるそうです。ただ条件がありまして、鉱山で怪我をした弟の面倒を見て欲しいと」
クラーラが確か病院を作りたいと言っていたな。
私はすぐその男を呼び出し話をし、鉱山を任せる事にした。
辺境騎士団の副団長を務めている男だった。
私はあれからベッドを出る事が出来ず、病床に伏していた。
本来なら服装を整え出迎える所が、それが出来ない。
「バンデルン侯爵から症状は聞いております。このままの状態で結構です」
使者は書状を読み上げた。
「蟄居ですか……」
「そうです。子爵の爵位はそのままですが、今後婚姻及び養子縁組は不可。領地は一旦バンデルン侯爵預かりとなります」
つまり、私が死んだら家は断絶するという事か。
「返上する事も叶わないという事ですね」
「そうなります」
返上ならば、いずれどこかの縁戚に名が与えられる事があるかも知れない。
だが、断絶なら貴族としての名が消える。
それでも、これは温情なのだろう。
当家の養子縁組していた者が城で騒ぎを起こした。
ナディオとの縁組解消は進めていたが、手続きが完了していたとは言えない。
代官であるロンバード男爵は国に虚偽申告。
隣国との関係に、亀裂が入りかねない状況を作った。
「当領地がバンデルン侯爵預かりとなった理由はご存知ですか?」
使者は内情を知らず伝えるだけの場合も多い。
だが、この使者は前回バンデルン侯爵が連れていた騎士の中にいた。
「隣国派遣の報奨として与えられたとか。いずれ侯爵家の物になるそうです」
「そうですか……」
「それに、侯爵のご令嬢がこの鉱山に詳しいとか。まだ隣国への鉱山輸出を滞らせる訳にはいかないのでしょう」
私は思わず使者を凝視した。
「クラーラ嬢の争奪戦は大変な事になりそうですよ」
つまり、バンデルン侯爵領から離れた場所にあるこの領地は、クラーラの嫁入り道具として所持させよ、との事か。
報奨は必要だが、侯爵の力をこれ以上高めない為だろう。
罪状がついた領地を押し付け、牽制したと見せかけているのか。
様々な思惑が動きそうだ。
「今回の処分、謹んでお受け致します」
使者に頭を下げ、敬意を表した。
「陛下はあの様な痴れ者達相手では、病弱な子爵には荷が重かっただろうと仰せでした」
使者は部屋を出ていく際、労うように言った。
「聞いての通りだ。クラーラに鉱山の引き継ぎを始めるがまだ若い。補助してくれそうな者はいるか?」
控えていた執事に言った。
鉱山は長い間、ロンバード男爵が仕切っていた。
人事は刷新した方がいい。
「既に声を掛け、色良い返事が貰えています」
「ほう?誰だ」
「以前、官吏をしていた者で横暴な貴族と揉め辞めたとか。クラーラ様とは既に面識があり、あの方ならと喜んで仕えるそうです。ただ条件がありまして、鉱山で怪我をした弟の面倒を見て欲しいと」
クラーラが確か病院を作りたいと言っていたな。
私はすぐその男を呼び出し話をし、鉱山を任せる事にした。
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