転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに

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第4章 王都 学園高等部生活編

第82話 リーナの本性

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 休憩を終えて、ダンジョン攻略を再開する。

「じゃあ一気に5階層まで降りるわよ」

 リーナがセーフティエリアから出る時に、そう言った。
 このダンジョンは元々30階層あるらしく、今日中に最下層までいくのはさすがに不可能なんだそうだ。
 ていうか私、ベル、キャサリンの3人でも4階層までしか行けてないんだけど…そんなに深いのね。

 ダンジョンを攻略する時は基本下に降りる為の階段を探す。だけど今回は、階段を見つけてもスルーする。
 無論後で戻ってはくるけど、とりあえずそれぞれの階層を虱潰しに攻略していく。
 その理由は、構造が変わってしまったので、新しいダンジョンの地図を作る為。そして、途中無事な生徒が居ないかを探す為でもある。

 それ故に…遅い。
 いや、文句を言うつもりはないよ?無理やり着いてきたようなもんだもの。
 だけどいつまでかかるんだか……

「フィリア?疲れた?」
「あ、ううん。大丈夫」

 悲壮感を感じていると、いつの間にか足が止まってしまっていたらしい。先に進んでいたマリアに走って追いつく。

「休む?」
「大丈夫だって。それより急がないと…」

 そう。こうしてモタモタしていたら、手遅れになる可能性だってある。

「でも…いえ、分かったわ。でも、無理そうなら言うのよ?」
「分かってるって」

 実はあの休憩の後から、マリアは私から離れようとしない。
 傍から見たらマリアが我が子を守っているように見えるだろうね。

 ………だけど、マリアは私を守るより、私を止める為に傍にいるのよ。勿論危険な状態になったら守ってくれるとは思うのよ?でも、何かするんじゃないかって目線が突き刺さっていてね…余計疲れるのよ。私ってそんなに信用ない?自覚は…あるけど。

『あるんだ…』

 うるさいわ!

 あ、ちなみにガルマは影に戻ってもらっている。邪魔になるかも知れないからね。

「お、また出てきたぞ」

 ドノバンさんがそう言うと、暗闇からまたしてもオーガが現れた。数は5。1階層はオーガしかいないのかな。

「ねぇねぇ。やっていい?」

 思わずマリアに尋ねてみる。
 だって、ただでさえ不安とマリアからの目線で不満が溜まりに溜まってるのよ。すこしくらい発散させてくれないかな?

「はぁ…なんでそんなにやりたいのよ」
「だって…暇なんだもん」

 そうなのよ。それが一番の理由でもある。
 不満であることに変わりはないのだけれど、暇なのよ。大体の魔物はロビンとリーナ、マリアで倒しちゃうし。たまにマルティエナさんも戦ってたけど。レビンさんは戦うというより策士だからね。
 そして私はあの軍隊ネズミと戦ってから戦ってない。決して戦闘狂とか、そういうのでは無い!

 それに勝手に着いてきた身ではあるけれど、それならば少しは手伝いたいという思いもあるのよ。

「いいんじゃないか?十分実力はわかってる訳だし」

 ドノバンさんは賛成みたい。

「はぁー…私が心配してるのはフィリアのことじゃないのよ…」

 え、そうなの?

「勿論フィリアのことは大切だけど、強いってことは重々承知しているからね。問題は…やり過ぎないかってとこよ」

 どうなのよっていう視線を向けられて、思わず目を逸らした。

「とりあえず、あちらさんは待ってはくれんぞ」

 そりゃ魔物だものね。寧ろ今まで待ってくれていたことに感謝だわ。

 オーガが雄叫びをあげながら突進してくる。それをドノバンさんが盾専用の武闘スキルで受け止める。さ、さすがです。

「ねね、いい?」

 最終手段として上目遣いでマリアを見つめる。いや、結構精神ゴリゴリ削れるからあんまりやりたくはないんだけどね。

「そんな目をしてもダメよ」

 うぅ…ロビンならいけるのに。

「……まぁ手伝ってくれるのは率直に有難いけどね」

 その言葉を聞いて私は瞳を輝かせる。やっていいってこと?

「一体だけよ」
「はーい!」

 やったね!じゃあちょっと試したい魔法があるのよね。

 イメージを固め、魔力を放出する。
 するとその魔力がある形を成していく。

「え?!ちょっとフィリア?!」

 流れ出した魔力量にマリアが驚いている。まぁホーリーランスとほぼ同じ量だしね…

「できた!行きなさい!」

 魔力によって作られたもの。それは……武器。剣や槍、ハルバードなんかが空中を舞い、私の声に合わせて一直線に一体のオーガへと向かっていった。

 グガァ?!

 いきなりの攻撃にオーガも対応することが出来ず、次々と襲い来る武器たちに串刺しにされていった。
 あー……ちょっとやりすぎた、かな?明らかにオーバーキルだよね。しかも飛び火して結局5体全部倒しちゃった。

 今回の魔法の属性は雷。電磁浮遊を利用して、武器を浮かせたのよ。
 ついでに武器は超高電圧だから、ちょっと焦げちゃった。あ、飛び火っていうのは感電ね。



 ……するといきなり、背中に悪寒が走った。
 恐る恐る後ろを見て……固まった。いや、固定された?

「言い訳があるなら聞かせて貰いましょうか?」

 私の頭をがっちりと掴み、凄みのある笑顔を至近距離で拝む。

「あ、あれぇ?」
「あれぇ?…じゃないでしょうが!!」

 その直後に振り下ろされる鉄拳制裁。

「いったぁー!!なんで私が痛いのよ!」

 そして痛がるマリア。
 いやうん。あれだね……アンクルの効果。なんか私がとんでもなく石頭みたいな目で見られてるけど、違うからね?!

「ま、まぁ全部倒せたし、いいじゃない」

 あっけらかんとそう言うリーナを涙目で睨むマリア。

「リーナは分かったでしょ!?あの魔法がとんでもない魔力がこもってたって!」

 あ、やっぱりバレてた。

「分かるわよ。それと、知っている魔法ではないことも」

 そう言うと、リーナは私のことを見つめてきた。な、なに?

「ちょーっと気になるのよね、ねぇ?フィリアちゃん?」

 …これは、ヤバいやつだ。本能がそう告げる。
 思わず逃げたくなるけど、まだマリアに頭を掴まれているから逃げれない。

「逃げられる訳ないわよ」

 ニヤリと笑顔を向けてきたマリアは心底嬉しそうだった…こわい!




 ………その後こっぴどく叱られながら魔法についても絞られましたとさ。うぅ…


「リーナの前で新しい魔法なんて使うからよ」

 なんでもリーナは賢者であったが故に、珍しい、新しい魔法にとことん執着するのだとか。

 私はその時から、リーナの前で新しい魔法を試さないようにしようと肝に銘じた。


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