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第五章 ヴァンダービルトの呪い
<8>調査開始
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翌日からさっそく屋敷の中にある書庫で呪いの本や資料を調べることにした。
朝食を終えた後にレヴィが案内してくれた書庫は驚くほど大きく、まるで図書館のようだ。
「すげえ……こんなに蔵書があるんだ」
王都の小さめの図書館ひとつ分くらいはありそうだ。
「ヴァンダービルト家は代々、読書好きなんです。小説から専門書、少し怪しげな魔導書までなんでも揃ってますよ」
「さすがだな。呪いについての文献はどこにあるんだ?」
「こちらです」
レヴィの後をついて書庫の奥へと進む。すると最奥に水色の扉が現れた。
「呪いについての文献はこの中です。この部屋は当主でないと開けることができません」
レヴィが扉の真ん中に右手をかざすと、結界が開くとき特有の空気がビリビリと震える感覚があった。
「どうぞエリス様」
扉を開き、先に室内へ進んだレヴィがエスコートしてくれる。差し出された手を取って、足を踏み入れた。
白い壁に水色の本棚が所せましと並んでいる。
「ここにあるの、全部呪いについての本なのか!?」
「はい」
「思った以上の量だな……よし! 読むぞ!!」
とりあえず、ここにある本を全部読むことは必須だろう。俺は一番左端の本棚に両手をかざす。
読むといっても普通に読書するわけではない。第一、この量では本を読み終えるだけで数ヶ月はかかってしまうだろう。
自分の愉しみのために読む場合は別だが、仕事で膨大な量の情報を収集する必要がある場合は魔力を使うことが多い。
魔力を使うと、1冊1冊手に取らなくても、書いてある知識をすべて自分の中に移管することができるのだ。
本棚にかざしていた手が熱くなる。そうしてしばらくすると、本に書かれている知識が一気に脳の中に入り込んできた。
「……っ」
面倒なのと早く読んでしまいたい一心で、部屋中のすべての本を対象として魔力を使ったのだが、少し量が多すぎたかもしれない。
足元がフラつき、体がよろけた。
「エリス様! 大丈夫ですか!?」
すかさず駆け寄ってきたレヴィが腰を抱く。
「ああ……ごめん。久しぶりだからちょっと魔力酔いしたみたいだ」
「それはいけませんね。少し休みましょう」
レヴィは俺の背中と膝裏に腕を差し込む。いわゆるお姫様抱っこの体勢でソファまで運ばれる。女の子でもないのにこの運ばれ方には少し抵抗がある。
だがエリスの体は鍛えまくっていた前世と違い、まだまだ貧弱だ。レヴィには申し訳ないが、大人しく運ばれることにした。
だがレヴィは俺を抱いたままでソファに座る。必然的に俺はレヴィの膝の上に横抱きにされた状態で座ることになった。
「え、あの……」
「はい。なんでしょう?」
「俺、さすがに一人で座れるから、おろして」
膝の上からおりようともがくが、腰に回された手がそれを許してくれない。
「ダメです。魔力酔いを甘くみてはいけません。急に意識を失ってしまうこともありますし、しばらくはこのまま大人しくしていてください」
「でも、」
「じゃないと心配で、僕の方が具合が悪くなってしまうかもしれません」
「ぐっ……わかった」
「ふふ。ありがとうございます」
レヴィは満足げに目を細めると、俺の頭を自分の胸に持たれさせる。
「いや、さすがにここまでは」
「エリス様。目を閉じて少しお休みになってください。こうして僕がお守りしていますから、安心してください……ね?」
「う、ん……」
何か術を使ったのだろうか。まだ午前中だというのにレヴィの甘く優しい声で囁かれて急に睡魔に襲われる。
瞼が重くてたまらなくなり、俺はそのまま眠りに落ちてしまった。
朝食を終えた後にレヴィが案内してくれた書庫は驚くほど大きく、まるで図書館のようだ。
「すげえ……こんなに蔵書があるんだ」
王都の小さめの図書館ひとつ分くらいはありそうだ。
「ヴァンダービルト家は代々、読書好きなんです。小説から専門書、少し怪しげな魔導書までなんでも揃ってますよ」
「さすがだな。呪いについての文献はどこにあるんだ?」
「こちらです」
レヴィの後をついて書庫の奥へと進む。すると最奥に水色の扉が現れた。
「呪いについての文献はこの中です。この部屋は当主でないと開けることができません」
レヴィが扉の真ん中に右手をかざすと、結界が開くとき特有の空気がビリビリと震える感覚があった。
「どうぞエリス様」
扉を開き、先に室内へ進んだレヴィがエスコートしてくれる。差し出された手を取って、足を踏み入れた。
白い壁に水色の本棚が所せましと並んでいる。
「ここにあるの、全部呪いについての本なのか!?」
「はい」
「思った以上の量だな……よし! 読むぞ!!」
とりあえず、ここにある本を全部読むことは必須だろう。俺は一番左端の本棚に両手をかざす。
読むといっても普通に読書するわけではない。第一、この量では本を読み終えるだけで数ヶ月はかかってしまうだろう。
自分の愉しみのために読む場合は別だが、仕事で膨大な量の情報を収集する必要がある場合は魔力を使うことが多い。
魔力を使うと、1冊1冊手に取らなくても、書いてある知識をすべて自分の中に移管することができるのだ。
本棚にかざしていた手が熱くなる。そうしてしばらくすると、本に書かれている知識が一気に脳の中に入り込んできた。
「……っ」
面倒なのと早く読んでしまいたい一心で、部屋中のすべての本を対象として魔力を使ったのだが、少し量が多すぎたかもしれない。
足元がフラつき、体がよろけた。
「エリス様! 大丈夫ですか!?」
すかさず駆け寄ってきたレヴィが腰を抱く。
「ああ……ごめん。久しぶりだからちょっと魔力酔いしたみたいだ」
「それはいけませんね。少し休みましょう」
レヴィは俺の背中と膝裏に腕を差し込む。いわゆるお姫様抱っこの体勢でソファまで運ばれる。女の子でもないのにこの運ばれ方には少し抵抗がある。
だがエリスの体は鍛えまくっていた前世と違い、まだまだ貧弱だ。レヴィには申し訳ないが、大人しく運ばれることにした。
だがレヴィは俺を抱いたままでソファに座る。必然的に俺はレヴィの膝の上に横抱きにされた状態で座ることになった。
「え、あの……」
「はい。なんでしょう?」
「俺、さすがに一人で座れるから、おろして」
膝の上からおりようともがくが、腰に回された手がそれを許してくれない。
「ダメです。魔力酔いを甘くみてはいけません。急に意識を失ってしまうこともありますし、しばらくはこのまま大人しくしていてください」
「でも、」
「じゃないと心配で、僕の方が具合が悪くなってしまうかもしれません」
「ぐっ……わかった」
「ふふ。ありがとうございます」
レヴィは満足げに目を細めると、俺の頭を自分の胸に持たれさせる。
「いや、さすがにここまでは」
「エリス様。目を閉じて少しお休みになってください。こうして僕がお守りしていますから、安心してください……ね?」
「う、ん……」
何か術を使ったのだろうか。まだ午前中だというのにレヴィの甘く優しい声で囁かれて急に睡魔に襲われる。
瞼が重くてたまらなくなり、俺はそのまま眠りに落ちてしまった。
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