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第七章 真実の愛
<3>レヴィの異変
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どれくらいそうしていただろうか、やがて狼神とアリルの体が離れる。気まずいのか恥ずかしいのか、アリルはこちらを見ようとしない。
「おまえら、ありがとな」
ぶっきらぼうな声。だが彼の気持ちを正しく受け取れないほど子どもではない。
「よかったです、本当に。なあレヴィ」
「……ええ」
言葉の少ないレヴィに違和感が拭えない。
「レヴィ? なんかさっきから様子がおかしいぞ。具合でも悪いのか?」
「僕は大丈夫ですよ。ありがとうございます」
「そっか。ならいいけど。アリルはまだここにいるみたいだし、俺たちだけで先に戻ろうか」
だがレヴィは微笑みながら首を横に振った。
「エリス様は先にお戻りください。僕は少しここに残ります」
「え? なんでだよ」
だがレヴィはそれには答えずに跪いて狼神に呼びかけた。
「狼神様。失礼を承知でお二人にお話をさせて頂けないでしょうか」
「ちょっ、何言ってんだよ!」
アリルと違って狼神には一切の甘さや緩さがない。逆鱗に触れてしまったら何をされるかわからない。
けれど狼神はおだやかな目で頷いただけだった。
「いいだろう」
「俺もまだいてもいいか? いいよな?」
「狼様さえよければ僕はどちらでも」
「なあ、いいだろ? 俺まだおまえと話したいし」
「好きにしろ」
「エリス様には先にお戻りになっていただきたいのですが、よろしいでしょうか」
「なんで俺だけ!?」
「ヴァンダービルトのことでお話があるのです。当主以外には伝えてはいけないお話なのです。申し訳ありません」
そんな話があったとは知らなかった上にこう言われてしまえば俺も抵抗できない。狼神の従臣たちに導かれ、俺は一足先に山を下りることにした。
◇◇◇
数時間後、ようやくレヴィとアリルが屋敷に戻ってきた気配を感じた。しかしなぜかレヴィは部屋に戻ってこない。
いつもなら直接この部屋に飛んできて「ただいま帰りました」と微笑んで俺を抱きしめる
のに。別にそれを待っているわけではないけれど、違和感を覚える。
「様子でも見てくるか」
二人の気配を探る。どうやら帰宅してからずっと執務室にいるみたいだ。執務室の扉の前まで一気に飛ぶ。扉に耳をつけると、中からは二人の声が聞こえた。
(よかった。何かあったわけじゃなさそうだ)
中から聞こえる二人の声は、いつもの調子で特に問題や事件があったようには思えない。少し心配していたので、ホッとして扉を開ける。
「なんだよ、帰ってきたなら声かけてくれーー」
俺は言葉を最後まで口にすることができなかった。一歩、室内に足を踏み入れた瞬間に、恐ろしいほどのプレッシャーを体中に感じる。
立っていられなくて膝をつくと、アリルが慌てて駆け寄ってきた。
「大丈夫かエリス! おいおまえ! なんでこんなことするんだよ!」
だがレヴィは答えない。
このプレッシャーは、アルファが強い警戒を感じたときに発するものだ
なぜ、どうして。。
だがレヴィはさっきからずっと、眉を寄せて俺の顔を眺めている。その青い目はいつもと同じようでいて、全然違っていた。
いつも俺を見ると嬉しくてたまらないと甘く蕩ける瞳には、見知らぬモノに対する警戒と疑い、そして緊張の色が浮かんでいる。
まさか。そんな。一体、何が。いや、きっとアリルと組んで悪ふざけでもしているに違いない。
アリルの手を借りてようやく立ち上がった俺に、レヴィが言った。
「アンタ誰? なんで僕の屋敷にいるの?」
その瞬間、俺は頭の中が真っ白になった。
「おまえら、ありがとな」
ぶっきらぼうな声。だが彼の気持ちを正しく受け取れないほど子どもではない。
「よかったです、本当に。なあレヴィ」
「……ええ」
言葉の少ないレヴィに違和感が拭えない。
「レヴィ? なんかさっきから様子がおかしいぞ。具合でも悪いのか?」
「僕は大丈夫ですよ。ありがとうございます」
「そっか。ならいいけど。アリルはまだここにいるみたいだし、俺たちだけで先に戻ろうか」
だがレヴィは微笑みながら首を横に振った。
「エリス様は先にお戻りください。僕は少しここに残ります」
「え? なんでだよ」
だがレヴィはそれには答えずに跪いて狼神に呼びかけた。
「狼神様。失礼を承知でお二人にお話をさせて頂けないでしょうか」
「ちょっ、何言ってんだよ!」
アリルと違って狼神には一切の甘さや緩さがない。逆鱗に触れてしまったら何をされるかわからない。
けれど狼神はおだやかな目で頷いただけだった。
「いいだろう」
「俺もまだいてもいいか? いいよな?」
「狼様さえよければ僕はどちらでも」
「なあ、いいだろ? 俺まだおまえと話したいし」
「好きにしろ」
「エリス様には先にお戻りになっていただきたいのですが、よろしいでしょうか」
「なんで俺だけ!?」
「ヴァンダービルトのことでお話があるのです。当主以外には伝えてはいけないお話なのです。申し訳ありません」
そんな話があったとは知らなかった上にこう言われてしまえば俺も抵抗できない。狼神の従臣たちに導かれ、俺は一足先に山を下りることにした。
◇◇◇
数時間後、ようやくレヴィとアリルが屋敷に戻ってきた気配を感じた。しかしなぜかレヴィは部屋に戻ってこない。
いつもなら直接この部屋に飛んできて「ただいま帰りました」と微笑んで俺を抱きしめる
のに。別にそれを待っているわけではないけれど、違和感を覚える。
「様子でも見てくるか」
二人の気配を探る。どうやら帰宅してからずっと執務室にいるみたいだ。執務室の扉の前まで一気に飛ぶ。扉に耳をつけると、中からは二人の声が聞こえた。
(よかった。何かあったわけじゃなさそうだ)
中から聞こえる二人の声は、いつもの調子で特に問題や事件があったようには思えない。少し心配していたので、ホッとして扉を開ける。
「なんだよ、帰ってきたなら声かけてくれーー」
俺は言葉を最後まで口にすることができなかった。一歩、室内に足を踏み入れた瞬間に、恐ろしいほどのプレッシャーを体中に感じる。
立っていられなくて膝をつくと、アリルが慌てて駆け寄ってきた。
「大丈夫かエリス! おいおまえ! なんでこんなことするんだよ!」
だがレヴィは答えない。
このプレッシャーは、アルファが強い警戒を感じたときに発するものだ
なぜ、どうして。。
だがレヴィはさっきからずっと、眉を寄せて俺の顔を眺めている。その青い目はいつもと同じようでいて、全然違っていた。
いつも俺を見ると嬉しくてたまらないと甘く蕩ける瞳には、見知らぬモノに対する警戒と疑い、そして緊張の色が浮かんでいる。
まさか。そんな。一体、何が。いや、きっとアリルと組んで悪ふざけでもしているに違いない。
アリルの手を借りてようやく立ち上がった俺に、レヴィが言った。
「アンタ誰? なんで僕の屋敷にいるの?」
その瞬間、俺は頭の中が真っ白になった。
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