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第七章 真実の愛
<11>パンとワイン
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「これは……驚いたよ。失礼だがベリンガムには碌なワインがないと思っていたんだ。実際、地質のせい農作物も良質なものは少ないだろう? 宝石は素晴らしいがね」
「叔父上の仰るとおりです」
「だがこのワインは素晴らしい。ベリンガムの他のワインと比較してという意味ではなく、隣国やこの大陸全土をみても、こんなに素晴らしワインはめったにない。アイルズベリーのベリーシスターズ&ギャラガーで扱っているものが一番だと思っていたが。それらにひけをとらないぐらいの味だ。本当に素晴らしい」
「ありがとうございます!」
叔父上の言葉に涙が出そうになる。ここ数ヶ月、オーウェンさんはじめ領地の皆と試行錯誤していた日々が蘇ってくる。
「ということは我々のワインをエヴァンズ商会で扱っていただけるということでしょうか」
レヴィの言葉に叔父上は笑顔頷いた。
「もちろんだよ。細かいところは後で打ち合わせよう。契約書も作らないとね。向こう3年、ベリンガム国外ではエヴァンズ商会の独占販売にさせてくれたら、契約料もロイヤリティも通常の倍、出させてもらう」
破格の条件に、嬉しさを通りこして呆然としてしまう。
「ありがとうございます。条件に関しては領民たちとも話し合いをさせてくださいますか。今月中には条件をまとめますので」
あっという間に進んでいくスピードについていけず、言葉が出てこない俺に代わりレヴィが答えてくれた。二人はその後も細々としたことを色々と話している。
(頑張った結果を評価してもらえるって、こんなに嬉しいものだったんだな)
心の奥から喜びがじわじわと湧き上がってくる。
「そうだ叔父上。製造過程で出るクインスベリーの搾りかすを使って、こんなものも作ってみたんです」
俺は麻袋から大きな円形のパンを取り出す。
いわゆるパン・ド・カンパーニュというやつだ。
「早速だが食べてみてもいいのかな。エリスのパンをいただくのは久しぶりだ」
「もちろんです。ナイフとカッティングボードを貸していただけますか?」
叔父上は魔法で瞬時にそれらを出してくれた。
クープナイフを出してくれるところがさすが、わかっている。
薄めに切り分けたパンを2枚、空になった焼き菓子の皿に載せると叔父上の前に差し出した。たっぷりとクインスベリーを使ったパンは切り口が赤い。さらにくるみや他のベリー類も混ぜ込んでいるため香りもとても良い。
「酵母もワインから作っているんです。よかったらこれを付けて召し上がってみてください」
麻袋からはちみつとクリームチーズの瓶を取り出す。
叔父上は品のあるしぐさでまずは何もつけずに一かけ食べ、次にクリームチーズやはちみつをつけてあっという間に2枚を食べ切った。
「これは美味いな。量産が出来るなら売り物にしたいぐらいだ」
「ありがとうございます。そうだ叔父上、少し庭を見せていただいてもよろしいですか? 庭を眺めていたら気になる植物を見かけて」
「ああ。好きなだけ見てくるといい。私はその間、おまえの旦那さまとすこしおしゃべりでもしているよ」
そこで俺は唐突に横に座るレヴィのことを思い出した。
(しまった!パンに夢中になって存在をすっかり忘れてたよ)
ないがしろにされたと気を悪くしているのかとヒヤヒヤしたが、レヴィはテーブルの上のパンを凝視したまま黙り込んでいる。
なんとなく今はレヴィに話しかけない方がいい気がして、二人を残して逃げるように庭へと向かった。
「叔父上の仰るとおりです」
「だがこのワインは素晴らしい。ベリンガムの他のワインと比較してという意味ではなく、隣国やこの大陸全土をみても、こんなに素晴らしワインはめったにない。アイルズベリーのベリーシスターズ&ギャラガーで扱っているものが一番だと思っていたが。それらにひけをとらないぐらいの味だ。本当に素晴らしい」
「ありがとうございます!」
叔父上の言葉に涙が出そうになる。ここ数ヶ月、オーウェンさんはじめ領地の皆と試行錯誤していた日々が蘇ってくる。
「ということは我々のワインをエヴァンズ商会で扱っていただけるということでしょうか」
レヴィの言葉に叔父上は笑顔頷いた。
「もちろんだよ。細かいところは後で打ち合わせよう。契約書も作らないとね。向こう3年、ベリンガム国外ではエヴァンズ商会の独占販売にさせてくれたら、契約料もロイヤリティも通常の倍、出させてもらう」
破格の条件に、嬉しさを通りこして呆然としてしまう。
「ありがとうございます。条件に関しては領民たちとも話し合いをさせてくださいますか。今月中には条件をまとめますので」
あっという間に進んでいくスピードについていけず、言葉が出てこない俺に代わりレヴィが答えてくれた。二人はその後も細々としたことを色々と話している。
(頑張った結果を評価してもらえるって、こんなに嬉しいものだったんだな)
心の奥から喜びがじわじわと湧き上がってくる。
「そうだ叔父上。製造過程で出るクインスベリーの搾りかすを使って、こんなものも作ってみたんです」
俺は麻袋から大きな円形のパンを取り出す。
いわゆるパン・ド・カンパーニュというやつだ。
「早速だが食べてみてもいいのかな。エリスのパンをいただくのは久しぶりだ」
「もちろんです。ナイフとカッティングボードを貸していただけますか?」
叔父上は魔法で瞬時にそれらを出してくれた。
クープナイフを出してくれるところがさすが、わかっている。
薄めに切り分けたパンを2枚、空になった焼き菓子の皿に載せると叔父上の前に差し出した。たっぷりとクインスベリーを使ったパンは切り口が赤い。さらにくるみや他のベリー類も混ぜ込んでいるため香りもとても良い。
「酵母もワインから作っているんです。よかったらこれを付けて召し上がってみてください」
麻袋からはちみつとクリームチーズの瓶を取り出す。
叔父上は品のあるしぐさでまずは何もつけずに一かけ食べ、次にクリームチーズやはちみつをつけてあっという間に2枚を食べ切った。
「これは美味いな。量産が出来るなら売り物にしたいぐらいだ」
「ありがとうございます。そうだ叔父上、少し庭を見せていただいてもよろしいですか? 庭を眺めていたら気になる植物を見かけて」
「ああ。好きなだけ見てくるといい。私はその間、おまえの旦那さまとすこしおしゃべりでもしているよ」
そこで俺は唐突に横に座るレヴィのことを思い出した。
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ないがしろにされたと気を悪くしているのかとヒヤヒヤしたが、レヴィはテーブルの上のパンを凝視したまま黙り込んでいる。
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