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第四部
第4章〜愛は目で見るものではなく、心で見るもの〜⑤
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俊敏な動きでゴール下に飛び込んで行った林先輩は、そのまま速攻でパスを受け取るのかと想いきや、フェイントを仕掛けて、ゴールから左斜め45度のあたりに走り込んで静止する。その瞬間、その場所にピンポイントのような山吹からのパスが通る。
山吹は、パスを出した瞬間、アークの外側のラインを縫うようにゴールから見て右の角度に走り出す。
マークを外した林先輩だが、瞬時に政宗と二又がパスコースを切るべく、ディフェンスに回る。
「キャプテン!」
アークの外からボールを要求するように手を挙げる山吹だが、シュートの精度が増してきた彼女には、しっかりと永井がマークについていた。
(先輩の位置からじゃ、山吹にパスは通らない……)
そう思った瞬間、ボールを軽く弾ませた林先輩は、身体を寄せてきた二又を左腕でガードしながら、二人の男子選手の間を抜くように、素早くゴール下へとボールを送る。
そこには、高身長に似つかわしくない巧みな動きで、政宗と二又のマークを外していた吉井が、フリーの状態で待ち構えていた。
「あっ!」
と、オレたちが声をあげる間に、男子プレーヤーは、流れるような動きで、難なくボールをリングに沈める。
これまで、アウトサイドからのシュートに偏っていた得点パターンの裏をかくプレーに、呆然とする相手チームの三人。
3x3のルールに則り、チェックボールが行われるたびに、オフェンス時は攻撃の連携に長ける林先輩、ディフェンス時は相手に体格負けしない渡辺先輩がゲームに参加するようだ。
オフェンス側の見事な連携プレーに対して、自分達のチームを応援するオレと緑川だけでなく、コートの周りに集まってきた周囲のギャラリーからも、拍手と声援が沸き起こった。
「練習後に、お遊びで男女混合のハーフコートをやってた甲斐があったな」
渡辺先輩が、自分たちのチームの連携が見事に決まったことを誇るように微笑む。
「さあ、ディフェンス集中!」
10対15と追い上げムードが出来あがったことに、オレたちのテンションもあがったのだが……。
さすがに経験者だけあり、相手チームも市高バスケ部の動きに慣れてきたのか、その後は、一進一退の攻防が続いた。
インサイドのパワープレーで、着実にポイントを重ねる相手に対して、こちらは、長短のシュートを織り交ぜたオフェンスで少しづつ点差を詰めていく。
12対16――――――。
14対17――――――。
16対18――――――。
17対19――――――。
見ているだけでも、手に汗を握るような白熱する攻防とスコアの動きに比例して、ギャラリーも増えてきた。
そして、両チームの得点は19対20と、試合の最後の局面に入る。
だが、オレたちのチームには分が悪いことに、相手チームのオフェンスで試合再開だ。
ディフェンス側から相手にボールを送るチェックボールを受け取った政宗たちは、最後のプレーに賭けるかのように、三人全員でのパワープレーに出るようだ。
相手に当たり負けしない吉井と渡辺キャプテンの二人はともかく、女子の山吹がいる、こちらのチームには明らかに不利な局面だ。それでも、ゴール下のプレーに参加しようとする山吹に、渡辺キャプテンと林キャプテンの声が重なる。
「あかり、外!」
その言葉に従い、ゴール下の攻防を男子選手二人に託すことにした山吹は、アークの外に駆け出す。
ゴール下の人数において、三対二という数的優位の局面を作り出した相手は、たっぷりと時間を掛けて、ボールを回す。ボールを保持してから12秒以内にシュートしなければならない、というショット・クロックのルールが無いことを最大限に活かしているようだ。
ボールをスティールしに行きたくなるだろう気持ちを抑えながら、アークの外で最適なポジションを探し続ける山吹にチラリと視線を向けた政宗が、ついにドリブルを仕掛けた。そのプレーをアシストするように、永井と二又が、渡辺先輩と吉井のディフェンスを阻むようにスクリーンを行う。
チームメイトのスクリーンが十分に機能しているという感覚があったのだろう。政宗は、強引にゴール下に切り込み、そのまま、シュート体勢に入る。
流れるような動作で、ドリブルのあとに放たれたジャンプシュートのボールは、リングの縁にあたり――――――。
ゴールの外側へと落下する。
リバウンドに素早く反応したのは、コート内で最も高身長な男・吉井裕貴だった。
ボールを奪取した吉井は、そのまま渡辺先輩にパスを送り、男子バスケ部のキャプテンは、素早い動きでグラウンダーパスをアークの外で待ち構える女子に供給する。
ジャンプシュートを外したショックを振り切るように、政宗は、山吹に対するディフェンスを試みる。
シュート体勢に入った女子選手に覆いかぶさるように身体を寄せるディフェンスに対し、山吹は、シュートフェイントで相手をヒラリとかわしたあと、アークの外から美しいフォームで、リングに向かってボールをショットした。
優美な軌道を描いたボールは、音を立てることなくリングに吸い込まれる。
その瞬間を言葉もなく見守るしかなかったオレと緑川は、ボールが地上に落下すると同時に、右手でバチンと思い切りタッチを交わした。
山吹は、パスを出した瞬間、アークの外側のラインを縫うようにゴールから見て右の角度に走り出す。
マークを外した林先輩だが、瞬時に政宗と二又がパスコースを切るべく、ディフェンスに回る。
「キャプテン!」
アークの外からボールを要求するように手を挙げる山吹だが、シュートの精度が増してきた彼女には、しっかりと永井がマークについていた。
(先輩の位置からじゃ、山吹にパスは通らない……)
そう思った瞬間、ボールを軽く弾ませた林先輩は、身体を寄せてきた二又を左腕でガードしながら、二人の男子選手の間を抜くように、素早くゴール下へとボールを送る。
そこには、高身長に似つかわしくない巧みな動きで、政宗と二又のマークを外していた吉井が、フリーの状態で待ち構えていた。
「あっ!」
と、オレたちが声をあげる間に、男子プレーヤーは、流れるような動きで、難なくボールをリングに沈める。
これまで、アウトサイドからのシュートに偏っていた得点パターンの裏をかくプレーに、呆然とする相手チームの三人。
3x3のルールに則り、チェックボールが行われるたびに、オフェンス時は攻撃の連携に長ける林先輩、ディフェンス時は相手に体格負けしない渡辺先輩がゲームに参加するようだ。
オフェンス側の見事な連携プレーに対して、自分達のチームを応援するオレと緑川だけでなく、コートの周りに集まってきた周囲のギャラリーからも、拍手と声援が沸き起こった。
「練習後に、お遊びで男女混合のハーフコートをやってた甲斐があったな」
渡辺先輩が、自分たちのチームの連携が見事に決まったことを誇るように微笑む。
「さあ、ディフェンス集中!」
10対15と追い上げムードが出来あがったことに、オレたちのテンションもあがったのだが……。
さすがに経験者だけあり、相手チームも市高バスケ部の動きに慣れてきたのか、その後は、一進一退の攻防が続いた。
インサイドのパワープレーで、着実にポイントを重ねる相手に対して、こちらは、長短のシュートを織り交ぜたオフェンスで少しづつ点差を詰めていく。
12対16――――――。
14対17――――――。
16対18――――――。
17対19――――――。
見ているだけでも、手に汗を握るような白熱する攻防とスコアの動きに比例して、ギャラリーも増えてきた。
そして、両チームの得点は19対20と、試合の最後の局面に入る。
だが、オレたちのチームには分が悪いことに、相手チームのオフェンスで試合再開だ。
ディフェンス側から相手にボールを送るチェックボールを受け取った政宗たちは、最後のプレーに賭けるかのように、三人全員でのパワープレーに出るようだ。
相手に当たり負けしない吉井と渡辺キャプテンの二人はともかく、女子の山吹がいる、こちらのチームには明らかに不利な局面だ。それでも、ゴール下のプレーに参加しようとする山吹に、渡辺キャプテンと林キャプテンの声が重なる。
「あかり、外!」
その言葉に従い、ゴール下の攻防を男子選手二人に託すことにした山吹は、アークの外に駆け出す。
ゴール下の人数において、三対二という数的優位の局面を作り出した相手は、たっぷりと時間を掛けて、ボールを回す。ボールを保持してから12秒以内にシュートしなければならない、というショット・クロックのルールが無いことを最大限に活かしているようだ。
ボールをスティールしに行きたくなるだろう気持ちを抑えながら、アークの外で最適なポジションを探し続ける山吹にチラリと視線を向けた政宗が、ついにドリブルを仕掛けた。そのプレーをアシストするように、永井と二又が、渡辺先輩と吉井のディフェンスを阻むようにスクリーンを行う。
チームメイトのスクリーンが十分に機能しているという感覚があったのだろう。政宗は、強引にゴール下に切り込み、そのまま、シュート体勢に入る。
流れるような動作で、ドリブルのあとに放たれたジャンプシュートのボールは、リングの縁にあたり――――――。
ゴールの外側へと落下する。
リバウンドに素早く反応したのは、コート内で最も高身長な男・吉井裕貴だった。
ボールを奪取した吉井は、そのまま渡辺先輩にパスを送り、男子バスケ部のキャプテンは、素早い動きでグラウンダーパスをアークの外で待ち構える女子に供給する。
ジャンプシュートを外したショックを振り切るように、政宗は、山吹に対するディフェンスを試みる。
シュート体勢に入った女子選手に覆いかぶさるように身体を寄せるディフェンスに対し、山吹は、シュートフェイントで相手をヒラリとかわしたあと、アークの外から美しいフォームで、リングに向かってボールをショットした。
優美な軌道を描いたボールは、音を立てることなくリングに吸い込まれる。
その瞬間を言葉もなく見守るしかなかったオレと緑川は、ボールが地上に落下すると同時に、右手でバチンと思い切りタッチを交わした。
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